関白の息子!

アイム

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父上の雄姿

豊臣秀次事件(エロ度☆☆☆☆☆)

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 もしも豊臣秀頼、つまり俺だけを幸福にすることだけを考えるなら、きっと関が原で西軍に勝たせることが必要だろう。
 だったら、それまでの歴史はむしろ動かさない方が良い。

 でも、もう歴史は変わった。
 関ケ原が発生するのかどうか、それすらもう分からなくなってしまったのだ。

「秀次には今回の騒ぎの責任を取り、関白職は下りてもらう。代わりに秀保の死で断絶状態になりかけておる大和豊臣家を与える。秀次、頼んじゃぞ?」
「ははぁ!」

 謀反の嫌疑がかけられること自体が、立場のある者にとっては罪。
 父上はそう言われた。

 そして、二度とそんなことがないようにと、しっかりと罰は罰として与えつつも、豊臣秀長ー豊臣秀保(本年4月に急死)の死によって跡目がいなくなっていた大和豊臣家を継がせることにした。
 これにより豊臣の一族は少しでも滅亡への歩みを回避できたのではないかと思う。

 豊臣秀保は秀次叔父上の実の弟でもある。
 跡継ぎのいなかった秀保が死んだことで、大和豊臣家100万石という、ある意味で豊臣家にとって最も功績のある一族が断絶しそうになっていたのだ。
 秀次の一族と同時に、それを助けることも出来たのである。

「叔父上に申し上げます!」

 秀次叔父上がひれ伏したままで声をあげる。
 ややこしいが、叔父上にとっての叔父上とはつまり父上だ。

 それにしても、もしかして不満があるのか?

「なんじゃ? 申してみよ」

「はっ! 拾丸様と我が娘・槿との婚約のことでございます」

「あい?」

 それは俺にも関係あることじゃないか?

「それがどうした?」

「はい、天下に野心無き事を示すため、一旦破断とさせてはいただけないでしょうか?」

 なんと!?

「ウム・・・・・・。良かろう! よくぞ申した!」

「は! ありがとうございます」

 え? 俺、たったの2歳で婚約と婚約破棄を経験しちゃったの!?

「フゥ、叔父上、まるで憑き物が落ちた様に清々しい気持ちでございます」

 そう言った秀次叔父上の顔はその言葉を証明するように憑き物が落ちたようで、そこらの優しいお兄さんのようだった。

「たわけ! 100万石の経営は一筋縄ではいかぬぞ。しばらくは秀長の家臣・藤堂高虎を頼るが良い!」

「ははぁ!」

 




 こうして歴史とは全く異なる形で豊臣秀次事件にはケリがついた。
 豊臣家の弱体化を狙う者には、多少の牽制になったのではないだろうか。

 それ以外のことが、と言うか、エロが多すぎて歴史の変換点があっさりと流れていくが、2歳児の俺では幼過ぎてなかなか主体者になれないのだから仕方がない。

 さて、この歴史からの変換が、今後にどのくらいの影響力を持つのか、それは俺にも分からない。
 もしかしたら何も変わらないのかもしれないし、大きく変わるのかもしれない。

 次に起きる大きな出来事は二回目の朝鮮出兵である、慶長の役だ。

 そして、そのすぐ後に、父上が亡くなる。


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