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05-アナルの準備も忘れずに。

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 大悟のペニスの上に覆いかぶさり、つるりと丸い亀頭を咥え込む。
 やっぱり大きい。気をつけないと、歯が当たってしまいそうだ。
 先端を咥えただけの状態で、亀頭の裏から鈴口へと舌をひらひら躍らせていると、じわりと溢れてきた唾液が舌の動きを助けてくれた。

 首の角度を変えて、今度は少しだけ深く咥えてみる。すると、弾力のある亀頭が俺の敏感な上顎を擦って……。
 あ、気持ちいい。
 目を閉じて、もう一度。
 やっぱり、いい。睾丸を口に含んだときみたいに、キスを連想させる気持ちよさだった。

 ああ、早く本物のキスがしたい。
 その瞬間を想像してたら、ふたたび唾液が溢れだした。大悟のペニスの根元を握る俺の指まで唾液が滴る。その唾液の滑りを利用してペニスの胴を擦りあげると、くちゅくちゅと小さな水音が立った。

 うわ、えっちな音。
 水音につられて、きゅんと反応した鳩尾がくすぐったい。もう何にでも煽られる。アナルもすでに早く早くと何かをねだるように疼いて仕方がなかった。


 いやいや、ちょっと待て。このサイズをいきなり挿れるのは、やっぱり難しすぎるだろ。
 幸い、男漁りに行く気満々だったから、事前に洗浄は済んでいた。それに、ここのところ我慢が利かなくてアナニーの回数も増えてたから、ある程度は柔らかくなってると思う。

 でも、口に入れるのも躊躇うこのサイズをアナルで受けとめるには、それだけじゃ到底足りなさそうだ。たぶんもう少しアナルを拡張したほうがいいよな。

 大悟のペニスをいったん口から出す。途端に寂しくなった口元は、首を伸ばして大悟の裏筋を舐めることで宥めた。
 ソファーの足元に置いていた自分のバッグを引き寄せて、そのポケットから目当てのものを手で探る。今夜、見知らぬ男と使う予定だった携帯ローションを取り出しながら、これを準備したときにはまさか大悟と使うことになるとは思ってもみなかった、などとチラリと考えた。


 ローションの入った小さなチューブふたつに加え、手拭き用のタオルも出しておく。
 アルミ製のそのチューブを両手に握ったまま、指先だけを使って自分のボトムを下着ごと一気に脱いだ。

 蓋を開けアナルに少量塗りつけたローションは、手のひらの体温のおかげでわずかにあたたかい。注入も可能な丸みを帯びたチューブの口を濡れたアナルにそっと差し込んで、浅く息をこぼしながらチューブをゆっくりと潰していく。少しだけひやりとした感触が下腹にじわりと広がった。

 とりあえずひとつ分、と思ったけど、念のために用意した残りのひとつも入れてしまおう。大悟のデカさを思えば用心に越したことはない。

 空になったふたつのチューブを放り出し、ローションが零れないようにと締めていたアナルを片手で覆う。その手をそのまま押しつけると、いつもより多めのローションがなかでとろりと動いて、甘い溜め息が漏れた。
 早くここを掻き混ぜられたい。
 気持ちばかりが焦ってしまう。


 指先でアナルを探ってみると、先走った身体はやはりふっくらと柔らかくなっていた。この分なら、拡げるのも楽そうだ。
「……ぁ、……」
 一本目に続いてすぐに二本目の指をアナルにそっと押し込んだ。拡げられる感覚に、アナルの浅い部分がジンと痺れる。楽勝だった二本の指に、時間を置かず三本目を加えていった。さすがに少しキツい。

 下腹に軽く力を入れてアナルを開き、指をそっと奥へと迎え入れる。
 ここまでくると、もう大悟のペニスには構ってられない。舌を宥めてくれていたペニスから顔を背け、大悟の硬い太腿に頬を摺り寄せながら作業を続けた。

 指を入れるときにできた隙間からローションが零れて指を伝う。それをアナルへ押し戻すように、さらに奥へと指を押し込んだ。
「ああっ」
 待ち望んでいたものとは違うけど、待ちすぎてどうにかなりそうだったアナルへの刺激に勝手に声が漏れていく。


 やばい。触りたい。でもいま触れたら、このままイッてしまう。
 いまはダメだと思うのに、言うことを聞かない三本の指が、前立腺のまわりのローションをぐちゅぐちゅと掻き混ぜた。

「はっ、ああっ」
 大悟の太腿に顔を伏せ、その硬い筋肉に前髪越しのおでこを擦りつけるけど、どんなに頭を振ったって一度手にした快感を手放す役には立たない。

 もういい。少しぐらいきつくたって。早く、いますぐハメたいっ。
 そんな焦りが招くものは、よくない結果だってことはわかってる。わかってるのに、その焦りをどうしても振り払えない。
 それでも、『ちゃんとすれば、もっとよくなる』と知ってる理性の欠片が、もう一本、今度は反対の手の中指を追加させた。

 先にあった三本に重ねて挿し入れた一本は、小さな痛みを連れてくる。その刺激が、これが紛れもない現実なんだと教えてくれた。

 大悟のぺニスを前に跪き、自分でアナルを拡げてる。
 その事実に思い至った途端、全身が発火したみたいに体温をあげた。ついで背中を甘い痺れが走り抜けて、身体がふるりと小さく震える。

 もう……もう拡張なんて早く終わらせてしまえ。小さな痛みは薄れて消えた。あと少し、奥を拡げればいいだけだ。


 羞恥と期待と焦りに追いかけられるようにして、四本目の指をさらに奥へと押し込んだ。つられて、先の三本も奥へと運ばれる。
 拡がる。キツい。でも、それよりも。
 あ、あ、あそこに触れちゃいそうだ。

 覚えのある快感に誘われて、ぎゅっと両手をアナルに押しつけた。
「ああッ」
 甘くて尖った愉悦に、思わず胸を突き出し仰け反った。その視界の先には、俺を凝視する大悟の姿が……。

 大悟、大悟。
 お前、そんな顔して俺のことを見てたのか。

 親友の、初めて見る獲物を見据えるような鋭い瞳に、体感とは別の震えが身体の真ん中をぞくりと走り抜けた。

 そんな目で見ないでほしい。いや、もっと俺を見てほしい。
 どっちともつかない感情に自分でも訳がわからなくなる。自分の混乱ぶりに慄いて、俺はやっとあげた顔をふたたび伏せた。
 いまにも捕まってしまいそうな大悟の強い視線から、無理やり逃れるために。
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