関白の息子!

アイム

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二頭政治

対談3/3(エロ度☆☆☆☆☆)

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 陛下と2人きりで天守に向かう。
 もちろん公家衆も付いてきたいと申し出たが、陛下自身で断られた。
 人と人、やっと本音で話せる。

「二頭政治について、本音ではどう思います?」

 曲がりなりにも兄弟で同格の国家元首(もっともまだ正式には違うが)としての質問。
 したがって少し気楽な聞き方になる。

「余には海外を攻めようなどと言う発想は最初からない。これは亡き秀吉公にも伝えたが、言葉も通じぬ者に興味が持てないのだ。それを目指すのなら、確かに余とは別の長が必要となるのだろうな。しかし、何処まで行くつもりだ?」

 陛下も合わせて気楽な話し方になっている。
 しかし、2千年以上続く朝廷の権威を大きく変えられた直後だと言うのに、随分と落ち着いている。
 それに陛下は考え方も柔軟で印刷技術に注目するなど、俺としても非常に好ましい人材だ。

「・・・・・・その地球儀をみてください。日本がどれだけ小さいか分かりませんか? 世界中の、特に南蛮の国々は他国に侵略し、原住民を奴隷として酷使し、現地の文化を壊して回っている。分かりますか? 日本全体がこの大きさなのに、奴らはこの形の船でこの世界を航海し、至る所で覇権争いをしている。放っておけば日本とていずれ・・・・・・」

「それは秀吉公にも聞いたことだが・・・・・・。本当のことなのか?」

「既に地球上の多くを制覇した国もあります。何でも日の沈まぬ国と言われているそうだ」

「それほどに巨大で世界各地を支配しているということだな?」

「そうです。だから、それに対抗するためには日本自体も大きくなる必要があるんです。世界の列強に負けない、いや、勝てるように。それは朝廷の考える文化・歴史の保存にも必要なことでしょう?」

「だから、日本国内で反乱の芽が出ない様に協力してほしい、か?」

「ええ。それこそが俺が陛下にもっとも望むことです。」

「・・・・・・心得た。これも日本を守るためならば」

「ありがとうございます」

 鷹揚に頷いてくれた陛下を見て安心する。
 口約束とはいえ――

「ただし、余が天皇を続けられる間に限る」

「・・・・・・と、いうと?」

「正直に言えば、今回余は誰とも相談せずに朝廷の在り方を変えた。間違っていたとは思わんが、同時に多くの者にとって不愉快なことであったことは想像に容易い。お主はどう思う?」

「確かに、あの会談の場ですら陛下の後ろで睨んでいる者もおりました。朝廷関係者全員となれば、その数は何倍にも何十倍にもなりましょう」

「その通りだ。だからな、余が何者かに殺される前に――

「勘違いしないでいただきたい。朝廷の内部に私は不干渉です。その程度を押さえられないようなら、朝廷自体に期待を出来なくなる。お忘れなく、私が交渉したのは貴方です。次の天皇が貴方以上でないならば、もう必要がない」

「手助けはせぬ、と?」

「求めるものによります。ただし、私を失望させぬように気遣うことをお勧めしますがね」

「・・・・・・心得た。確かに余はお主からの支援無くしては天皇たりえん。しかし、お主はまだ14であろう? その歳で、天下人にして、朝鮮を手に入れ、おまけに跡継ぎまでいて、次は明を狙うと言う。一体お主は何処に行きたいのだ?」

 しかし、その問いには答えずに城下を見つめる。

 いったい何処まで、かつて父上にも聞かれた話だ。
 その時は俺の知るところまでと言った。
 俺が知る世界は丸くて青くて途轍もなく広い。

 そして、今のままではとても欧州諸国は相手に出来ないはずだ・・・・・・


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