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プロローグ
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ピピピピ・・・ピピピピ・・・ピピッ。
午前6時。スマホのアラームを止めてベッドに起き上がり、思いっきり体を伸ばしてからバスルームへ。熱いシャワーでスッキリしてコーヒーを淹れる。今日は仕事なので一杯ずつドリップ出来るタイプだ。トーストやハムエッグで簡単な朝食を摂って支度を始めた。
支度を終えるといつもの時間。私は仕事へ向かうべく部屋を出た。
朝のホームは人でごった返している。スマホをいじる学生たち、朝なのにもう疲れた表情の会社員。
いつもの光景からいつもの日常が始まる。
誰もがそう思っていただろう。
―――――事故が起こるまでは。
何がどうなったかなんてまるで分からなかった。分からないうちに・・・私の意識は真っ暗闇へと落ちた。
■
「あ~もぉ~!疲れた!人使い荒すぎだよ、やってらんない!」
無機質な空間でひたすらある作業に追われていた男は、盛大に喚きながら大の字になって寝っ転がった。
「・・・」
暫し不貞腐れていたが、こうしていても作業が終わるわけではない。仕方なく起き上がって再開する。かと思いきや・・・。
「後1人で終わりにしよう!最後の1人くらいちょっと遊んでもイイよね~?」
さっきとは打って変わった笑顔で目の前に浮かぶ画面を操作し始めた。
「オッ、こいつはこっちの世界向きだな。素質をビンビン感じる!よーし、こいつを俺好みに創造してやる!」
男のいる空間にある女の立体映像が現れた。それを見ながら操作を続ける。
「まず顔は…クールビューティーに甘さをプラスして…っと。髪はサラサラロングの銀髪をポニーテールに。で、カラダはとことんエロく!巨乳!クビレ!美尻!たまらん!…防具はコレで、武器は…ふふふふふ……完璧だ…俺史上最高の女だ!…よし、次はステータスだ。年齢は成人の20才に決まってるし…おぉ、魔力高いな。それに面白い固有スキルを持ってるな。だが剣スキルはマストだよな!後は…言語理解と耐性は称号があるからいらないし…よし、アレをやろう!俺って太っ腹!次は…」
ベラベラと大きな独り言を言いながら形成していく。だが何かに気が付いて急に顔を上げた。
「マジ…?来るなんて聞いてないよ…仕方ない…ここまでにして魂の融合だけでも済ませないと……………よし。悪いな、最新案内ソフトをやるからこれで頑張ってくれ」
そう呟いて立体映像を消し、居住いを正す。するとすぐに老人が現れた。
「…終わったかの?」
「はい」
「…なんぞコソコソやっとったようじゃが?」
「い、いえ、コソコソなど…」
老人は空間を見回して息を吐く。
「…まあよいわ」
その一言にホッとする男だったが、老人はやれやれ、という目で彼を見ていた。
午前6時。スマホのアラームを止めてベッドに起き上がり、思いっきり体を伸ばしてからバスルームへ。熱いシャワーでスッキリしてコーヒーを淹れる。今日は仕事なので一杯ずつドリップ出来るタイプだ。トーストやハムエッグで簡単な朝食を摂って支度を始めた。
支度を終えるといつもの時間。私は仕事へ向かうべく部屋を出た。
朝のホームは人でごった返している。スマホをいじる学生たち、朝なのにもう疲れた表情の会社員。
いつもの光景からいつもの日常が始まる。
誰もがそう思っていただろう。
―――――事故が起こるまでは。
何がどうなったかなんてまるで分からなかった。分からないうちに・・・私の意識は真っ暗闇へと落ちた。
■
「あ~もぉ~!疲れた!人使い荒すぎだよ、やってらんない!」
無機質な空間でひたすらある作業に追われていた男は、盛大に喚きながら大の字になって寝っ転がった。
「・・・」
暫し不貞腐れていたが、こうしていても作業が終わるわけではない。仕方なく起き上がって再開する。かと思いきや・・・。
「後1人で終わりにしよう!最後の1人くらいちょっと遊んでもイイよね~?」
さっきとは打って変わった笑顔で目の前に浮かぶ画面を操作し始めた。
「オッ、こいつはこっちの世界向きだな。素質をビンビン感じる!よーし、こいつを俺好みに創造してやる!」
男のいる空間にある女の立体映像が現れた。それを見ながら操作を続ける。
「まず顔は…クールビューティーに甘さをプラスして…っと。髪はサラサラロングの銀髪をポニーテールに。で、カラダはとことんエロく!巨乳!クビレ!美尻!たまらん!…防具はコレで、武器は…ふふふふふ……完璧だ…俺史上最高の女だ!…よし、次はステータスだ。年齢は成人の20才に決まってるし…おぉ、魔力高いな。それに面白い固有スキルを持ってるな。だが剣スキルはマストだよな!後は…言語理解と耐性は称号があるからいらないし…よし、アレをやろう!俺って太っ腹!次は…」
ベラベラと大きな独り言を言いながら形成していく。だが何かに気が付いて急に顔を上げた。
「マジ…?来るなんて聞いてないよ…仕方ない…ここまでにして魂の融合だけでも済ませないと……………よし。悪いな、最新案内ソフトをやるからこれで頑張ってくれ」
そう呟いて立体映像を消し、居住いを正す。するとすぐに老人が現れた。
「…終わったかの?」
「はい」
「…なんぞコソコソやっとったようじゃが?」
「い、いえ、コソコソなど…」
老人は空間を見回して息を吐く。
「…まあよいわ」
その一言にホッとする男だったが、老人はやれやれ、という目で彼を見ていた。
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