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第三章

未確認飛行物体

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「シャトルの、サブコンピューターから連絡が入りました。シャトルに未確認飛行物体UFOが接近しています」
 UFO? この場合、宇宙人の乗り物じゃなくて、正体不明の飛行体という事でいいんだろうな? そもそも、この惑星では僕の方が異星人エイリアンだし……
「ナーモ族の、飛行機とかじゃないのか?」
「いいえ。ナーモ族だけでなく、この惑星には飛行機を飛ばすような機械文明を持っている種族はいません」 
「じゃあ、ベジドラゴンとかレッドドラゴンとかじゃないの? あんだけ大きければ、レーダーに映るだろう」
「この未確認飛行物体UFOは、レーダーで見つけたのではないのです。そもそも、シャトルのレーダーは壊れています」
「じゃあ、どうやって見つけたの?」
「レーダーの極超短マイクロ波をキャッチしたのです」
「逆探知か?」
「そうです。生物なら極超短マイクロ波など出しません。この惑星で、極超短マイクロ波を出しながら、飛行する物体と言ったら、ドローンの可能性が高いです」
「ドローンだと?」
 そうだった! 僕の乗ったシャトルは、ドローンに撃墜されたんだ。
 すっかり忘れていた。

「僕を、探しにきたのかな?」
「その可能性は、高いですね」
「しかし、なぜ今頃? シャトルが落ちて三日目だぞ。なんで、すぐに来なかったんだ?」
「来なかったのではなく、来られなかったのですよ」
「どういうことだ?」
「シャトルは、マッハ二十以上の速度で大気圏に突入します。攻撃を受けた時は、かなり速度が落ちていたと推測できますが、それでもマッハ一~マッハ三の速度はあったでしょう。攻撃を受けた地点から、不時着地点まで数百キロから千キロは離れたと推測されます。通常のドローンでは、そんな長距離は追ってこられません。一度、地上に降りて、車など別の移動手段で追ってきたのでしょう」
 つまり、三日かかって、やっと追いついたってことか。

 さて、僕の取るべき選択肢は?

『逃げる』『隠れる』『戦う』

 空を飛ぶから相手からは、逃げられない。
 遮蔽物のない塩の平原に、隠れる場所はない。
 相手の戦力もわからないのに、戦うは無謀。
 よって三つの選択肢はすべて却下。

無視シカトする』『ふて寝する』

 論外。

『偵察する』

 うん。これだな。
 敵を知り己を知れば百戦殆うからずだ。
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