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鎮守府大将軍

心配1

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1559年9月『京・二条城・義信私室』鷹司関白太政大臣義信・黒影・闇影

「どうなっている?」

 俺は黒影・闇影を筆頭に影衆しかいない私室で、常に心の底にある不安を闇影に確認する。

「表立って若様に逆らう動きをしている方はおられません」

「万が一今ここで卒中を起こして死んだらどうだ?」

「全ての一族一門衆が、太郎様を奉じて鷹司・武田を盛り立てるかと言う事でございますか?」

「そうだ、異心無く太郎を盛り立ててくれるか?」

「鷹司実信様、三条公之様、佐竹義頼の弟君達は、些かの心配もございません。特に公家と言う立場上、鷹司実信様と三条公之様が常に側に控えて下さいますでしょう。若様もその御心算で、御2人に鷹司の家督と三条の家督を御継がせになられたのでございましょう?」

「ああそうだ、若狭武田を継いだ信基はどうだ? 父母を同じくしてはいるが、実信や公之ほどは一緒にいれなかった、信基を担いで天下を望むものはおらんか?」

「ご心配には及びません、信基様も心から若様を尊敬されておられますし、御側に仕える者も身の程をわきまえております」

「上4人の弟達に異心が無ければ、その下の弟達や外戚では何もできないだろう、不安あるとすれば叔父上達か?」

「それもまず大丈夫だと思われます、1番上の信繁様が若様に心から忠誠を誓っておられます」

「それは信繁叔父上に何かあれば、信廉叔父上や信綱叔父上が謀反を起こす可能性があると言う事か?」

「表立っては無理だと思われますが、陰から色々と手を打つ可能性はあります」

「どう言う手を打つと考えている?」

「若様も分かっておられる事でしょうが、次郎様や三郎様に対して太郎様への反感を育てようとなさるでしょう。その上で次郎様や三郎様を傀儡にして、自分達が実権を握ろうとなさるでしょう」

「太郎に俺と同じように、次郎以下の弟達に愛情を注げと言う事だな」

「不遜を承知で申し上げさせて頂きますが、若様と太郎様は同じではございません、全く同じ事をなさせようと思われないでください」

「それは分かっているが、出来る限り兄弟の絆は強く厚くして置く方がいい」

「はい」

「信繁叔父上様も含めて叔父上達の監視を引き続きおこなってくれ、叔父上達に近づく者達もだ。それに分かっているだろうが、弟達と弟達に近づく者達も引き続き監視してくれ」

「承りました、しかし若様、1番心配な御方の事を聞かれないのですか? それとも聞くのが怖いのですか?」

「ああその通りだ、1番心配な御方がいるが聞くのが怖いのだ」

「ならば報告はやめましょうか」

「そうはいかないのは分かっている、御屋形様について報告してくれ」
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