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第五十話 妹の彼氏?

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「なぁ、もしかして彼氏か?そうだったら、帰るけど…」

「ち、違う!ただの友達!」

と妹はいうのだが、さすがに男を部屋に上げている時点で、彼氏だと思ってしまう。
でも、妹本人が否定しているのだから、多分違うのだろう。
なんて言ったって、僕のかわいい妹が僕に嘘をつくわけがないからだ。
それに今は、女装した格好のままだ。この姿の僕には…いや、これ以上言うのはやめておこう。
男の格好の時の僕がかわいそうになってしまう。

「あの~、もしかしてお姉さんですか?」

と部屋から、男友達?が僕の方を見てそう言った。

「あぁ、そうだよ。えっと、よろしくね」

と答えた。いつもより女の子っぽく言った。

「そうなんですか!僕は妹さんのお友達の一馬(かずま)です」

と名乗ってくれた。でも、自分でもお友達って言ってるしそうなのかしれないな。今日はそういうことにしておくか。

「一馬くんゆっくりしていってね」

といつもはこんな感じで喋るとはないが、タイミング悪く女装してるので、こう喋るしかない。
僕は、このまま妹の部屋を去ろうとしたら、妹が手を握ってきた。
ドキッ!
可愛い妹に手を握られてしまい、心臓が飛び出そうになる。

「ど、どうしたんだ。まだ何かようか?」

と一馬くんに聞こえないように話をし始めた。

「お願いだから、一緒にいてくれない?」

と僕に囁いてきた。もし、一馬くんがいなかったら、やばい現場になっていただろう。
どうしよう。このまま残っていたら、ボロが出そうっだし、できればもう部屋に帰りたいんだけど…
でも、妹には今までお世話になっているし、頼みを聞かないわけにはいかないんだよな。
僕は決意を決めて、ここに残ることにした。

「わかった。僕は何をすればいい?」
「部屋にいてくれるだけでいいから」
「え、それだけ?」
「う、うん」

とよく分からずにここに残ることになった。
てか、一馬くんを返せばいいのにと思いながら、妹の部屋のドアが閉まった。
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