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■フェーズ:066『安心してください、私の髪の毛です』
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Title:『安心してください、私の髪の毛です』
「あれ? お湯が流れないぞ……」
本を読みながら長風呂をする。
趣味の時間を堪能した俺は浴槽から出て、
風呂の栓を抜いたのだが、
湯が一向に減らず途方に暮れていた。
「なんだ……髪の毛が詰まってんのか?」
ため息をついて排水溝に指を差し込む。
すると……。
ジュブリ……ジュブ、ジュル……と音を立て、
大量の髪が次から次へと出てきた。
「ちょ! おかん! ちゃんと掃除してくれよな!」
40歳独身、今だ実家暮らしの俺は素っ裸のまま大声をあげた。
瞬間、風呂場の扉がガラリと開いた。
「けんちゃん、ごめんね。それ、私の毛よ」
枯れ木のように細くて長い手足。
バシバシに痛んだ黒髪。
白塗りの顔に、落ち窪んだ目。
ひび割れのように開いた口を見て、俺は叫んだ。
「おかーん!」
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Title:『安心してください、私の髪の毛です』
「あれ? お湯が流れないぞ……」
本を読みながら長風呂をする。
趣味の時間を堪能した俺は浴槽から出て、
風呂の栓を抜いたのだが、
湯が一向に減らず途方に暮れていた。
「なんだ……髪の毛が詰まってんのか?」
ため息をついて排水溝に指を差し込む。
すると……。
ジュブリ……ジュブ、ジュル……と音を立て、
大量の髪が次から次へと出てきた。
「ちょ! おかん! ちゃんと掃除してくれよな!」
40歳独身、今だ実家暮らしの俺は素っ裸のまま大声をあげた。
瞬間、風呂場の扉がガラリと開いた。
「けんちゃん、ごめんね。それ、私の毛よ」
枯れ木のように細くて長い手足。
バシバシに痛んだ黒髪。
白塗りの顔に、落ち窪んだ目。
ひび割れのように開いた口を見て、俺は叫んだ。
「おかーん!」
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