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■フェーズ：067『イマジナリーピープル』

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Title：『イマジナリーピープル』
　
アパートの上の階の住人がマジうるさい。
休みの日は子供が朝から晩まで走り回ってて、
ドッタドッタと音が響いてもう最悪。
　
しかも、子供を叱りつけるオカンの声がまたでかいのなんの。
「あんたら！　いいかげんにしときや！」
そんな声が聞こえるたびに、
俺はあんたもな！　と悪態をついたもんさ。
　
でも、もっと酷いのは隣の住人。
大学生らしいんだけど、
休みの日は朝から晩までギシギシアンアン……。
彼女がいるみたいなんだけど、もういいかげんにしてくれ！
なんて悪態をつきながら我慢の生活を送っていたある日――。
　
上の階の住人が俺の部屋の扉を叩いた。
で、こう切り出した。
「子供さん、もう少し静かになりませんか？」と。
「えっ？　子供？」俺は素っ頓狂な声をあげ、
OL風の若い女性を見つめた。
　
すると、突然の苦情に便乗するように、
隣の住人が顔を覗かせた。
住んでいたのはじいちゃんだった。
　
「どういうことだよ……」
完全にパニックになった俺は携帯を取り出し、
大家さんにこれまでの状況を全て伝えた。
すると、大家さんはため息をひとつ吐き、
「ああ、またですか」と零した。
　
「まさか……前にも？」そう尋ねながら、
OL風の女性とじいちゃんに視線を送るが――。
そこには誰の姿もなかった。

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