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第六十七話 これから

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抱き合っていた妹と一馬くんがやっとこさ離れて落ち着いたので、話のまとめに入る。

「2人とも良かったな。でも、学校ではまだ今まで通り女子たちの嫌がらせは続くんじゃないのか?」

「そうかもね」

「ん?何か策はあるのか?」

「特にないけど、まあ、なんとかなるでしょ」

なんとかって…どうするつもりなんだ。
まだまだ心配は続きそうだったが、2人がちゃんと友達になれたから良かったのかな?

「あの~、僕もう帰らないといけなくて…」

そう一馬くんが言ったので、僕は時間を確認する。もう、6時を過ぎようとしていた。ほんとだ。もう帰った方がいい時間だ。

「そうだな。今日はもう帰った方がいいな」

「はい、今日はお世話になりました」

そう言って、一馬くんは帰る準備を整えて、玄関まで向かった。その後を僕と妹はついていく。そして、玄関まで来て…

「お兄さん、今日は本当にありがとうございました」

と深々と頭を下げて、僕に感謝を伝えた。こんなに礼儀正しくされると、こちらも嬉しくなる。

「いやいや、僕は何もしてないよ」

「そんなことありませんよ。お兄さんのおかげで千穂ちゃんとも友達になれましたし、それに僕の秘密を聞いても、引かなかったしちゃんと受け入れてくれたし、ほんと感謝してます」

「そ、そうか~」

まぁ、僕も日頃から女装しているからな~
でも、感謝されるのは悪い気分はしないな。

それから、一馬くんは妹と少し会話をしてから帰るために靴を履き始めた。そして、こちらに振り返り挨拶するのかと思ったが、一馬くんは僕の耳の近くに顔を持って来て、こう囁いた。

「実は僕、女の子もいけるクチなんです」

一馬くんはそう言ったのだ。そう、僕に向かって、妹を狙っているという意味合いを込めて…

「それじゃあ、お邪魔しました~」

一馬くんは僕たちに笑顔で手を振りながら、玄関のドアを開けて、帰っていった。
その時の一馬くんの笑顔はまるで、小悪魔のような笑顔だったと僕は思った…
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