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北の果てで少女を待っていたのは、不器用で優しい愛だった――。
地主の令嬢として何不自由なく育ったイザベルは、父の急逝を機に没落し、騙されて北の宿場町に売り飛ばされてしまう。危ういところをトリスタンと名乗る青年に救われるが、彼に命じてイザベルの身柄を押さえたのは、密輸団の首領ディミトリだった。『北の熊』と恐れられるディミトリは、彼女を破格の対価で買い取り、山深い北国の隠れ家へと連れ帰る。
ならず者たちの巣窟で怯えたのも束の間、心優しき美女オルガや朗らかなトリスタンに世話を焼かれ、イザベルは持ち前の負けん気で逞しく居場所を作っていく。そして、そんなイザベルをディミトリは遠巻きに庇護するのだった。過去に傷を抱える大人たちの争いに巻き込まれながら、イザベルはいつしかトリスタンと心を通わせていくが、深い雪の下には彼女自身にも関わる秘密が眠っていた。
春を告げる白い花が咲くまでに、イザベルは自分がこの地に囲われた理由に辿り着き、ここでの日々に意味を見出すことができるだろうか。
文字数 31,257
最終更新日 2026.10.10
登録日 2026.09.30
二人が身も心も結ばれるのに、もう何も障害はないはずだった――。
砂漠の大国オドナスの国王が代替わりして五ヶ月、女王となったリリンスは多忙な日々を送っていた。未熟だからこそ懸命に務める彼女は、親衛隊長として傍に仕えるナタレを心の拠り所としていた。しかしナタレは、リリンスを見守りながらもなぜか彼女に触れようとはしなかった。長い時間をかけて互いの想いを確かめ合ったはずなのに――恋人の真意が分からず、リリンスはひとり悶々とする。一方、ナタレの悪友フツは、そんな二人の状況に痺れを切らせて一計を案じた。
『淫蕩な』王家の血を引く快活な女王と、生真面目で奥手な親衛隊長は、めでたく本物の恋人になれるのだろうか。
登録日 2014.10.31
「妻の絵のモデルになってくれないか」夜の街で俺にそう声をかけてきたのは、彫刻めいた容貌の男。高額のバイト代に釣られ、俺は郊外の屋敷に通い始める。そこで待っていたのは、夫から偏執的に束縛され、幽閉同然の生活を送る美しい女だった。二人の異様な夫婦生活を覗き見た俺は、彼女に心惹かれ、そして恐ろしい事実に気づきはじめる。
ホラーサスペンス色が強めです。
登録日 2017.01.15
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