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誰にも愛されず、誰にも救われなかった青年・遼(ハルカ)。
幼い頃に両親を失い、虐待と暴力に晒され続けた彼は、やがて心を閉ざし、他人を信じることも、誰かに助けを求めることも諦めてしまった。
欲しいものなど何もない。
期待するものも、守りたいものもない。
ただ静かに、自分一人の力で生き延びる。それだけが、遼の望みだった。
そんな彼が働き始めたのは、欲望と金が渦巻く夜の街、歌舞伎町の高級クラブ「FirstClass」。
そこで出会ったのは、常人離れした威圧感を放つオーナー・神代朱祆。其処へ通う太客の、妖艶な美貌で政財界を操る玉藻和紗、そして底知れぬ闇を纏う崇道顕仁。
だが、彼らには誰にも知られてはならない秘密があった。
その正体は、人の世に紛れ、悠久の時を生きる三柱の大妖怪――酒呑童子、玉藻前、崇徳天皇。
人間など取るに足らない存在だったはずの彼らは、遼の冷え切った瞳に、言いようのない魅力を見出だす。
手に入れたい。
自分だけのものにしたい。
たとえ拒まれようとも、決して手放したくない。
それぞれ異なる欲望と過去を抱えた三柱は、遼を巡る危険な争奪戦を繰り広げていく。
他人の愛も善意も信じられず、差し伸べられた手さえ拒絶する遼。彼にとって、彼らの執着は救いなのか。それとも、これまでの人生とは異なる新たな檻にすぎないのか。
孤独に生きることしか知らない青年と、愛にも執着にも囚われた異形の者達。
これは、絶望の中で出会った四つの魂が、欲望と因縁に翻弄されながら、愛すること、そして誰かを求めることの意味を探していく、妖しくも退廃的なファンタジー。
※pixiv、小説家になろうでも掲載中
文字数 53,707
最終更新日 2026.11.07
登録日 2026.11.07
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