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彼はここにいる
彼はここにいる
陽の光を仰ぐように、彼は見上げている
彼が現れると、陽の光は消えて無くなり、暗い暗い夜になる。
だから彼が陽を浴びることはない
だから彼は陽を浴びることを憧れる
彼は喉の渇きが欲しい
彼の喉の潤いが狂しい
輪郭は瞳 深淵は暗闇
手を伸ばして掻き消し
けどそれは空を割くばかり
あぁ、あんなに真っ暗な空が
明るく僕を捕らえて離さない。
真っ赤な瞳を、彼は呪い
自身の血で、喉を潤した。
金環を巡る 指が踊る
指は輪っかを消し去って、光すら喰った。
どこまでも暗い瞳の奥は
眠るように彼の姿を奪っていった。
文字数 16
最終更新日 2021.08.19
登録日 2021.08.19
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