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高月真悟は、相続を巡る親戚との不和が原因で、他人に不信を抱くようになった。 ある夜、人の心を打ち祓うという『式術士』の少年・式原慧花に声を掛けられる。 慧花は真悟に対し、心の底から信じられる友人を得なければ、君は破滅するだろうと予言した。 自らも信じる相手を求めていた慧花は、自分が真悟の友人となると提案する。 共同生活を送る中で、慧花は成長し、真悟以外の生徒とも話せるようになった。 変わらぬままの真悟は、いつか慧花に見離されるのではという不安を感じ始める。 そんな折に、真悟と付き合いたいという上級生・御鐘詩然が現れた。 真悟と慧花の関係を幼稚な依存であるとし、慧花の自立の為なら距離を置くべきだと助言する。 しかし慧花は、真悟が突き離す程に擦り寄ってきて、真悟は強い満足感と征服欲を覚えるようになる。 自らの浅ましい感情が、慧花に対する恋愛感情であることに気付いた真悟は、慧花との友情を守るために、詩然と正式に付き合うことを告げた。 詩然への嫉妬に狂った慧花は、詩然の恋愛感情を消してしまおうと詩然を夜討ちする。 詩然を助けに現れた真悟に友情を否定されて、慧花は部屋に閉じこもるようになった。 思い悩む真悟に、詩然は自分と別れるならば慧花を救う方法を教えると迫る。 真悟は慧花を愛していると明言して、詩然に別れを告げた。 自分が慧花に嫌われても、慧花さえ幸せになるのであれば良いと考えた。 詩然は慧花が女であることを明かす。 呼び出しに応じた慧花は、真悟を愛してしまったことを告白する。 友人にも恋人にもなれないと嘆く慧花に、真悟は人の高潔さだけでなく、罪悪を認め合うことで信頼関係を築くことが出来ると主張した。 関係を修復した真悟と慧花は、詩然を仲間に迎え入れ、人間の罪悪を受け入れられる強さを得るための、心を探す旅のスタートを切る。
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文字数 99,639 最終更新日 2019.03.12 登録日 2019.03.12
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