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いつものように楽しく暮らしていた少年 蒼原 紘冬(あおはら ひろと)
ある日、家に着き玄関の扉を開いた。
「逃げなさい!!紘冬!!」
グサッ
母親の声と同時に鋭利な物が肉の繊維を切る音が聞こえた。
「にげ…て…」
バタッ
母親は死んだ、殺された。
何かを引き抜く音と同時に黒いフードを被った人間がこちらを向いてきた…
そして近づいてくる…
僕は怖くて足が動かず目を瞑っていた。
せめて顔を見ておけばよかったと後悔した。
そして、鋭利なものが腹部に当たった感触がした。
「パパ…助けて…助けてぇ!!」
そう叫んだ瞬間、体が中に浮いた感じがした。
そして、暗かったまぶたの中に少しだけ光が差してきた。
「眩しい…」
そう思い、目を開けると
見知らぬ場所にいた。
そう、異世界に。
文字数 1,606
最終更新日 2021.01.09
登録日 2021.01.09
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