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とある嵐の夜。若き吸血鬼ルーの館に、招いてもいない客が次々と訪れた。
訪れたのは、人間の少年アカト。幼馴染の狼男ユキマル。魔界在住で元天使のヨモヤマ。そして、天界から降臨した美貌の天使——天使30911。
五十年前の大きな戦い以降、この世界——ヨモツテンセイにおける異種族間の交流は希薄だ。
保護対象である人間と関わることは、条約違反ともされている。
そうでなくても理由あって十年間の引き籠もり生活を送っていたルーにとって、来客など面倒極まりないことであった。
だが、この奇妙な夜の騒動を通して、ルーは客達と親交を深めていく。
とりわけ天使30911には、強く心を惹かれていた。
また会いたいと願うが、天界は遥か遠く、高潔な天使には手が届かないルー。
吸血鬼であることに、無力さと切なさを感じていた。
念願叶い、美しき天使との再会を果たしたルーは、幻覚作用のある毒草——ヨモツゲンソウの存在を知る。
それは多量に摂取することで、身体を毒草化させ、他者に幻をみせたり、夢を書き換えたりする力を得られる植物だった。
ヨモツゲンソウを根絶させようとする天使30911。
かつてヨモツゲンソウによって身体を毒草化させ、幻の世界を築いた砂輪山赤人。
そして、天使30911を欲する吸血鬼ルー。
彼らが再び出会う時、ルーの運命は激しく動き出す。
やがてルーの猛毒が、天使30911と、ヨモツテンセイを侵食していく。
文字数 14,645
最終更新日 2026.10.14
登録日 2026.10.12
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