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――Mの炎が灯る夜――
静かな夜、関係がひとつ、壊れる。
かつて優季が勤めていたSMクラブ。
そこで再び指名された相手は、ジュン――
かつて自分がSMの世界へ導き、
「縛られる」ことを教えた男だった。
主導権は、常にこちらにあるはずだった。
役割も、距離も、すべて理解しているはずだった。
だが、その夜――
ジュンは問いかける。
「縛ってもいいですか」
それは確認であり、許可であり、
同時に、掟を破る問いでもあった。
本来守られるべき境界を越え、
関係を壊すための、最初の一歩。
優季は――拒まない。
自分で選び、
自分で踏み込み、
自分で境界を越えていく。
縛る側と、縛られる側。
支配する者と、委ねる者。
その線引きが曖昧になったとき、
優季の中で眠っていた“炎”が静かに灯る。
それは役割ではない。
関係でもない。
ただ、ひとりの女としての衝動。
やがて二人は、
与えられた関係を手放す。
客と嬢でもなく、
支配と服従でもない――
ただの男と女として。
これは、
自分で選んだ一歩が、すべてを変えていく夜の記録。
「Mという炎」が灯るとき、
もう元の関係には戻らない。
文字数 13,535
最終更新日 2026.10.18
登録日 2026.10.17
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