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『氷刃荘の密室』作品紹介
「密室を作ったのは、糸一本。壊したのは、四十年の忠義。」
あらすじ
雪深い山中に建つ洋館「氷刃荘」。資産家・九条重蔵の招きで集まったのは、折り合いの悪い娘、金に困った甥、忠実な秘書、かかりつけの医師、そして——面識のない遠縁の青年・如月透だった。
「明日、遺言状の内容を発表する。今のままでは、お前たちの誰も一円も受け取れん」
その夜、季節外れの大雪が山道を封鎖し、館は外界から完全に孤立する。そして翌朝、書斎に閉じこもったまま出てこない重蔵の姿——扉には内側からの閂、窓には内側からの掛け金。誰も出入りできないはずの部屋で、彼は胸を刺されて死んでいた。
犯人はまだ、この館の中にいる。
犯罪心理学を学ぶ透は、唯一の部外者として、非公式に事件の調査を任されることになる。密室の謎、偽装された死亡時刻、それぞれが抱える秘密——雪に閉ざされた三日間の果てに、透が辿り着く真実とは。
これは、精緻な密室トリックの謎解きであると同時に、忠義と裏切り、そして人が誰かを守るためについてしまう噓を描いた、濃密な人間ドラマである。
文字数 1,785
最終更新日 2026.08.13
登録日 2026.08.13
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