増長天地

増長天地

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見知らぬ場所で目を覚ましたミトハネは、自分がどこにいて、なぜここにいるのかを思い出せないまま、静まり返った空気の中で身を起こす。状況を整理する間もなく、彼女の前に現れたのは“二つの声”を同時に発する奇妙な幼い存在だった。幼児とも呼びがたい異形の姿をしたその存在は、恐怖よりも先に「理解できない」という感情をミトハネに抱かせる。 その幼い存在に触れられた瞬間、ミトハネの背に隠されていた“羽”がひらかれ、彼女自身も知らなかった力が目覚める。羽が展開する感覚とともに、胸の奥に沈んでいた記憶がざわめき、断片的な映像が脳裏をかすめる。それは、宗教団体の儀式のような光景──自分が何かを施されていたような、しかし確信には至らない曖昧な記憶。 思い出そうとするほど霧が濃くなるような感覚に戸惑いながらも、ミトハネは幼い存在とともにその場を離れようとする。しかし、彼女の動きに呼応するように、遠くから“追う者”の気配が近づいてくる。姿は見えない。声も聞こえない。ただ、確かに自分を狙う何かが動き出している──その直感だけが、ミトハネの背筋を冷たく撫でる。 自分は何者なのか。なぜ羽を持っているのか。宗教団体との関係は何なのか。そして、追跡者は何者なのか。答えはまだどれも掴めないまま、ミトハネは異界のような世界で最初の一歩を踏み出す。 彼女の運命が静かに動き始めた合図だった。
24h.ポイント 28pt
一般漫画 78 位 / 8,514件 一般男性向け 30 位 / 2,354件
14ページ 最終更新日 2026.05.26 登録日 2026.05.26
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