1
件
「間違いありません。あなたが、本日から第5万2千105番目の『死神の子』の1人に任命されています」
“死神の使い魔だ”と名乗った彼は、笑顔を知らない男だった。
例えば、日頃からメイクや所作に努力していれば。
私がもっと育児と家事を完璧にこなせていたら。
夫婦関係はそもそも冷え切ることもなかったのだろうか。
こんな『使い魔』に心を揺さぶられることもなかったのだろうか。
“人の魂を奪う役目”を担わされた、どこにでもいる平凡な主婦の胡桃(くるみ)。
『死神の子』としての役目を果たす度に泣き崩れる胡桃を抱きしめ支えるのは、夫ではなく―――人間でもない「彼」だった。
文字数 3,761
最終更新日 2026.08.07
登録日 2026.08.06
1
件