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これは、秩序が崩れ落ちた世界の物語。
世界が焼かれ、神が滅びて千年。
貨幣は意味を失い、信仰も法律もその機能を止めた。
残されたのは、欲望と引き換えに願いを叶える取引の論理だけ。
命、魂、記憶、呪詛。
全ての物に価値を付け、全ての物を望む者へ。
それこそが死の商人――リアム・カースメイカーの在り方。
善悪を捨てた商人の論理で、それは国と国、組織と組織の境界を繋ぐ。
戦争に支配された王国。
死者の記憶に神の形を探す求道者たち。
魂を刈り取る禁呪を振るう帝国。
海の楽園を装う海賊国家。
その背後を飛び交う暗殺者たち。
取引と契約だけが信用されるこの世界で、それは何を求むのか。
文字数 46,387
最終更新日 2025.05.15
登録日 2025.05.15
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