豊かな感性を養う「自ら選ぶ力」を身につけるコツ

コロナ禍でも豊かな生き方ができる、感性の磨き方を陶芸家で器アーティストのSHOWKOさんが紹介します。最終回は「自分で決める力」の身につけ方です(写真:tokinoun/PIXTA)
いま、「決められない人」が増えています。「トレンドを追う」「口コミを参考にする」「みんなが見ているものを見る」。情報があふれ、SNSでもさまざまな意見が飛び交う現代で、「流されずにいる」ことは簡単ではありません。「自分に似合うもの」「自分が好きになれるもの」。コロナによって内省的になっているいまだからこそ、これらの目に見えない価値を感じ、自分だけの正解を選び取れるようになりたいものです。
「自分で感じて選び取るための“感性”は、習慣によって養われます」と語るのは、京都で330年続く陶芸の名家に生まれ、器アーティストとして世界で個展を開くなど活躍しているSHOWKO(ショウコ)さんです。「いまでこそ器をつくったり、ホテルの内装を手がけたりしていますが、社会人になるまで芸術に関する勉強をしたことはありませんでした。いまの作品づくりで発揮している感性は、すべて日常の習慣で養われてきました」。SHOWKOさんの著書『感性のある人が習慣にしていること』から、無理なく感性を養っていくためのヒントを紹介します。

森本薫の戯曲『女の一生』に、こんなセリフがあります。

「誰が選んでくれたのでもない、自分で選んで歩き出した道ですもの。間違いと知ったら自分で間違いでないようにしなくちゃ」

選択肢の多い現代ですが、大事なのは「正解を選ぶ」ことではありません。なぜなら、正解はひとつではないからです。「自分で決める」こと、そして決めたことを「正解にしていく」ことが大切です。感性のある人は、自分の選択を信じて決断できます。だから、答えのないことにも正解を出せるのです。

小さなことでも選択や判断、決断していく

そのための「自分軸」を養うために、自分の感覚を信じて、小さなことでもいいから選択や判断、そして決断していくようにしましょう。決断力は、筋力です。小さな「決める習慣」を持つことで、少しずつ磨いていけます。

この「決める習慣」について、いくつかご紹介します。

■「目的地」をつくらずに歩いてみる

人生とは、目的を設定し、その夢をかなえるために日々活動することです。でも、設定した目標に向かって脇目も振らずに進むことが、夢への最短距離なのでしょうか? それが正解なら、偶然の出会いや予想外の発見は人生に必要がないはずです。

ときには目的地をつくらずに、そのときの感覚に従って進む道を決めてみましょう。私の運命のドアは、いつも予想不可能だった出来事や出会いから開かれました。たとえば20代の頃に、ある不思議な体験をしたことがあります。

それは沖縄の久高島という島を訪れたときのことです。沖縄にはすべての神の故郷である「ニライカナイ」という理想郷があり、久高島こそがその場所であると言われています。

久高島は沖縄本島の東に位置し、フェリーで行けます。私が島に降り立ったとき、ちょうど祭りが開かれていて、ノロ(琉球神道における女性の祭司)の方々や島民が広場に集まっていました。祭りは一般人も見学可能で、最後に音楽が流れたときにはカチャーシーという沖縄伝統の踊りを一緒に踊らせていただきました。

誘われるようにある小道を進んでいくと…

そんな久高島ですが、立ち入り禁止の祭場があり、海水浴ができる海もひとつしかありません。そういった立ち入り禁止の地域をよく理解したうえで散策をしていたとき、私はふと誘われるように、ある小道を見つけました。

「ここに誘われている」