営業で断られ続けてもメンタルが折れない方法

その言葉を聞いて思いました。

ああそうか……悩みはステージだったんだ。

仕事について、どんな悩みを持っているというのは、その人が今、立っているステージのレベルの目安なのです。新人社員は「今の自分の仕事」や「職場での人間関係」などで悩むでしょうし、課長は「課のノルマの達成」や「部下の指導・育成」などで悩む。そして、社長は会社の事業計画や損益で悩む……。

それぞれで悩むことが異なるのは、立っているステージが違うからです。私は先輩の言葉で、悩みは自分の立っているステージを知るための「ものさし」なのだとわかってから、新たな悩みが出てきたときも、「よし、こんなことまで悩めるようになった」と、思えるようになりました。

あなたの今の悩みはいかがですか? 自分の現在のステージに合った悩みなら、悩んで当たり前ですから落ち込む必要はありません。

むしろ、来年の今頃も、同じことで悩んでいたらまずいと思ってください。

ここまでで、営業においては数をこなすことが、「実は仕事の質を上げる近道」であること、「仕事の質を上げることで、仕事が効率的になり、楽になること」、そして、「チャンスにめぐり合う確率を上げることになる」ということが、わかっていただけたことと思います。

「営業が数をこなすこと」には、このようにさまざまなメリットがあるのです。

断られても落ち込まなくなるすごい考え方

では、これまでの説明を踏まえて、営業が「よし、まずは数をこなそう」と決めることによって、なぜ、メンタルが楽になるのかという理由についてお話ししましょう。

ズバリ言います。

営業が「数をこなすと決めること」による、メンタル面での最大のメリット。それは……。

断られても、落ち込まなくなる!

メンタル面について言えば、これが「数をこなすと決めること」の最大のメリットかもしれません。

想像してみてください。

たとえばあなたが、かつての私のように、「よし、自分はこの会社の営業の中で、毎月、もっとも数多くお客様から断られるセールスパーソンになろう」と考えたとしたら……。

電話でお客様から断られるたびに、「やった!」と、思わずガッツポーズをしてしまいませんか? それこそ、ガチャ切りなんて、「ラッキー!」と思えるのでは?

だって、目標は「誰よりも数多く断られること」なのですから。

このように、「まずは数!」と決めると、「お断り」=「不快」という公式を、「お断り」=「快感」という公式に変えることができるのです。

ある人材派遣会社の社長さんは、飛び込み営業をやっていたとき、「新規開拓の飛び込み営業では、受付に名刺を20枚渡すこと」を自分のノルマとして決めていたそうです。多くの大企業には、受付があって、アポなしの飛び込み営業などはそこで止められてしまうのが普通です。

何度訪問しても受付で門前払いをされ続けると、メンタルが強い人でも落ち込んできますよね。ところがこの社長さんは、はじめから「20回は訪問しよう」と決めていますから、受付で10回断られても、15回断られても、まったく落ち込むことがなかったそうです。

そうやって、毎回、受付に名刺を渡していると、そのうち、受付の人が味方になって、「飛び込みのたびに名刺を置いていく人材派遣会社の営業の人がいます」と、人事担当者に話して次の訪問のときに取り次いでくれたり、人事担当者のほうから興味を持ってくれたりして面談が叶うことがほとんどだったとか。

「まずは数をこなそう!」と考えて、それこそ、余計な感情を入れずに、淡々と数をこなすことには、メンタル面でこんなメリットがあるということです。

私は、電話営業でお客様から断られ続けて、落ち込んでいる社員がいると、こんな声をかけます。