仕事ができない人は“相手のニーズ”を知らない

どんな業種業態であれ、常にお客様に気づきを与え、顕在ニーズだけではなく、潜在ニーズまで捉えて提案することが大切です。もちろん潜在ニーズへの気づきを与えられるかどうかは、「ニーズの捉え方」を極めていったとしても毎回できるとは限りません。成功の確率は、100%でなくていいのです。

社内の仕事でも「相手のニーズ」を捉える力が必要

どんな仕事でも、「相手のニーズが何か」を特定できないと、相手から評価されないだけでなく、仕事がうまく進みません。これは、営業だけでなく社内の仕事においても同じです。

ここでみなさんに質問です。

「〇〇さん、明日の商談の準備をしておいてね」

もしあなたが上司からこう言われたら、この言葉の裏には、どのようなニーズが潜んでいると思いますか? この言葉の裏には、「商談がうまく進むように、準備をしておいてほしい」という裏のニーズが隠れています。

「商談がうまく進むように」というのは、自社商品やサービスが「売れるように」ということですから、「きちんと売れるように、準備しておいてね」というのが上司の本音です。

では、本音を捉えられたとして、部下はどんな準備をすればいいでしょうか。ここでは上司だけでなく、商談相手(お客様)のニーズも考えながら、準備を進めなければなりません。

商談の相手は、どんな会社のどんな立場の人なのか? どんなニーズを持っている会社・部署なのか? その会社・部署の顕在化しているニーズと、潜在化しているニーズは何なのか? を考えながら準備をするのです。

また、「商談時間は何分あって、どのような話をどういう順番で話していくのがいいのか」を考え、お客様の要望に合わせて話をする準備をしなければなりません。

この時点で、上司のニーズと同時にお客様のニーズがわかれば、「準備をしておいてね」という上司の依頼に対して、完璧な準備ができます。

逆に、それらがわからないと、上司から高い評価をしてもらうことは難しいでしょう(もちろん、上司の仕事は部下を育てることです。上司側としては的確な指示を出すことは大事なことです。ただ、ここでは「部下の立場としてはどうしたらよいか」という視点から話を進めます)。

このように、相手の言葉の裏に潜むニーズがわかれば、やるべき仕事が明確に見えてきます。

一方で、周囲の人やお客様のニーズがわかっていないと、仕事がスムーズに進まないだけでなく、場合によっては大きな失敗を招きます。

また、本当はニーズではない仕事をしていたら、その分はすべてムダになります。それをやったとしても誰からも喜ばれません。

何がニーズで、何がニーズでないかを見極める

ここで重要になってくるのが、「何がニーズで、何がニーズでないか?」を判別できるかどうかです。

「これはニーズである」「これはニーズではない」ということが明確にわかっていれば、瞬時に「これはやるべき仕事」「これはやらなくていい仕事」という判断ができます。

しかし、その判断ができないと、その仕事をやるべきかどうか迷っている時間が発生します。私がコンサルティングしている会社組織を見ると、そうやって迷っている時間が全体の3割から4割くらいある(下手すると大半を占める)のではないかと思うくらい、その判断がうまくできていないようです。

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また、ニーズがわからない状態で仕事をしていると、「この仕事以外に、今、他に何かやらなければならないことはないだろうか?」などと考えながら仕事をしてしまいます。

優先順位がつけられていない状態で仕事をしている人は、漠然と働いています。そのような状態で仕事に取り組んでいると、仕事自体の生産性も上がらず、当然、成果も出ません。

ニーズをしっかり捉えている人は、仕事の途中で、次は何をしようかと迷ったりぼんやりしたりすることなく、価値づくりに対して、一直線に、一心不乱に仕事ができます。

「私のこの仕事は、ちゃんとお客様(や上司や同僚)のニーズを捉えていて、必ず役に立つはずだ」と理解・確信しているからです。