こんばんは、ぽぽるぽんです。
お気に入りありがとうございます！


スパダリにちらっと出てきたわんこの悲しいニュースと、余りにもラブが足りない局面で心がいたくなったので、お話しの長さにならなかった小話を貼り付けます……。

愛が足りないよぉおお( ノД`)…
はぁ、はぁ、ちょっとすっきり……。


以下、墓参り後です。


　＊　＊　＊

「春夏秋冬って十回言ってみて」

　これはまた随分不可思議な要求をされた。

　と思いはしたが、この手の言葉遊びを小学生くらいの子供たちがしているのを過去に見たことのあるステューは、一体どんな引っかけが待っているのだろうと思い描きながら『春夏秋冬』を十回繰り返した。

「俺の名前は？」

「……アキ」
「そっちじゃなくて」
「……私が君の名前を間違えると？」

　そうじゃない、と出題主の秋は盛大に頭を抱えた。
　客先に行くとかで珍しく秋がスーツを着た日の、帰宅直後のやり取りである。服装の規程が比較的自由な会社に勤める秋の、初めて見るスーツ姿。記念とばかりにスマートフォンで写真を撮ろうとしたステューだったが、思わぬ質問に構えた手を下げた。


「しゅう、の方。言ってみて」
「……？、シュウ」
「春夏秋冬」
「？、春夏秋冬」
「しゅう」
「シュウ」

　うーん、と悩ましげに眉を寄せる秋は、既にワイシャツのボタンを２つばかり外し、スラックスから裾を引っ張り出している。スーツ姿を激写するタイミングを逸して、ステューは仕方なくスマートフォンをローテーブルに置いた。

　今の時刻は19時。秋が定時退社すると大抵この時間だ。

「じゃあ……はる、なつ、あき、ふゆ」
「はる、なつ、あき、ふゆ」
「俺の名前は？」
「アキ」

　うーん、と再び考え込んだ秋は、なんか違うんだよな……と腕を組む。


　この後二時間、春夏秋冬の音読みバージョンと訓読みバージョンを繰り返す不思議な会話を繰り広げた後、秋からステューへとくだされた結論は『へたっぴそ』という言葉と照れ笑いだった。