小さな思い出
小学3年生で初めて友達の家に足を踏み入れた
姉のクラス担任でもあった野口先生に勧められてというのは、別にないのだけれど、ただ単にその子と仲が良くなって家に招かれた時のこと
他人の家に入るという少しの恐怖と戸惑いを感じながらも、友達に招き入れられた家は、とても暖かかった
父と母が口を酸っぱくして、自分の家には友達を入れるなと、口をうるさくして言っていたことの真実を知った
自分の家は、とても見せられるような惨状ではなかったのだ
当たり前のように整理整頓された綺麗なその部屋は、静かながらにとても暖かく感じた
そして帰り際に言われた友達のつぶやきに衝撃を受けた。
うちの親が言ってたんだけど……と前置いて
家に来たのは、ゲームやお菓子があるからなんだろう。それが目当てで、友達をしているんだろうと
どれだけ否定しても、まるでそれが真実であるかのようにその子の親は語っていたと言う
母は、うちは貧乏だから、服や物は買えないんだと、よく言っていた。でも、それはただの方便に過ぎないのだと、心の中で思ってた
だが、どうだろう……それは真実だったのではないかと今になって思う
父は言った。母は病気なのだと
だから、優しくしてあげなさい。言うことを聞いてあげなさいと。父はタクシードライバーで、夜勤が多かった。1日帰ってこないなんてことはざらにあって、たまに帰ってきた時には、お土産は?とせがんでいた頃を思い出す
なんて傲慢な子供なのだろうか
家に帰れば、いつも母親がいた
まぁ、たまにいない時は、俺を除いた家族で遠出に行くか、買い出しに行くか、遊びに行っていた
簡素な置き手紙には、夜には帰ってくると、走り書きがあった
あぁ、置いて行かれたんだと、心が重くなる
早く家に帰ればたまに一緒に連れて行ってもらえるが、少しでも遅れてしまえば置いていかられるのだ
でも別に気にしない。だって今日は友達と遊ぶのだ
通学路付近には黄色い帽子を被った地域のおじちゃんが居る。黄色い旗を持って信号前に佇むおじちゃんは、毎日同じ人では無いけれど、一人は物静かなおじちゃん、そしてもう1人は僕によく話しかけてくれるおじちゃんだ
いつものように帰りの挨拶をして、通り過ぎ、家に向かって走る。そしていつものように、仲の良い友達の家へと走るのだ
坊主!早すぎんじゃねえか?
ちゃんと家に帰ってから、ランドセル置いて荷物持ってきてるよー!
姉のクラス担任でもあった野口先生に勧められてというのは、別にないのだけれど、ただ単にその子と仲が良くなって家に招かれた時のこと
他人の家に入るという少しの恐怖と戸惑いを感じながらも、友達に招き入れられた家は、とても暖かかった
父と母が口を酸っぱくして、自分の家には友達を入れるなと、口をうるさくして言っていたことの真実を知った
自分の家は、とても見せられるような惨状ではなかったのだ
当たり前のように整理整頓された綺麗なその部屋は、静かながらにとても暖かく感じた
そして帰り際に言われた友達のつぶやきに衝撃を受けた。
うちの親が言ってたんだけど……と前置いて
家に来たのは、ゲームやお菓子があるからなんだろう。それが目当てで、友達をしているんだろうと
どれだけ否定しても、まるでそれが真実であるかのようにその子の親は語っていたと言う
母は、うちは貧乏だから、服や物は買えないんだと、よく言っていた。でも、それはただの方便に過ぎないのだと、心の中で思ってた
だが、どうだろう……それは真実だったのではないかと今になって思う
父は言った。母は病気なのだと
だから、優しくしてあげなさい。言うことを聞いてあげなさいと。父はタクシードライバーで、夜勤が多かった。1日帰ってこないなんてことはざらにあって、たまに帰ってきた時には、お土産は?とせがんでいた頃を思い出す
なんて傲慢な子供なのだろうか
家に帰れば、いつも母親がいた
まぁ、たまにいない時は、俺を除いた家族で遠出に行くか、買い出しに行くか、遊びに行っていた
簡素な置き手紙には、夜には帰ってくると、走り書きがあった
あぁ、置いて行かれたんだと、心が重くなる
早く家に帰ればたまに一緒に連れて行ってもらえるが、少しでも遅れてしまえば置いていかられるのだ
でも別に気にしない。だって今日は友達と遊ぶのだ
通学路付近には黄色い帽子を被った地域のおじちゃんが居る。黄色い旗を持って信号前に佇むおじちゃんは、毎日同じ人では無いけれど、一人は物静かなおじちゃん、そしてもう1人は僕によく話しかけてくれるおじちゃんだ
いつものように帰りの挨拶をして、通り過ぎ、家に向かって走る。そしていつものように、仲の良い友達の家へと走るのだ
坊主!早すぎんじゃねえか?
ちゃんと家に帰ってから、ランドセル置いて荷物持ってきてるよー!
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登録日 2025.11.22 22:44
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