秋初夏生

秋初夏生

青春、怪異、歴史、恋愛。ジャンルを越えて、人と人とのつながりや心の変化を描いています。少し笑えて、少し切なくて、最後に誰かを大切に思える物語を目指しています。更新情報はX(@WriterAkiha3)

「君が僕のYESしか愛さないとしても」について

本日、無事に完結を迎えました。

せっかくなので、執筆の背景や作品に込めた思いについて、少し振り返っておこうと思います。

この物語を書こうと思ったきっかけは、某有名な音楽レーベルの社長が、若き日の失敗談を例に人生訓を語っていた記事でした。

若くして成功し、周囲の期待に応えようとするうちに、自分の判断を疑えなくなっていく。そんな少しずつ周りが見えなくなっていく怖さや心理状態の変化を描いてみたいと思ったのが始まりです。

(ちなみに、ゲーム業界の話に変更したのは、私が葵と同年代の頃、当時のサークル仲間とゲームを作っていた経験があって、会話の空気感をそのまま活かせるかなと思ったからです)

葵の心情の変化をなるべく鮮明に追うために、今回は一人称視点を選びました。
そのぶん、大輝や達也をはじめとする周囲の心境を深く書けなかったもどかしさもありましたが、葵自身には見えていないものを、読者の方に感じ取ってもらえればと思います。

葵は、最初から他人の意見を聞かない人間だったわけではないんですよね。責任感もあって自分が正しいと思う判断を重ねてきた。
ただその結果、成功体験が増えていくにつれて、「自分が責任を取るのだから、自分が決める」から「自分が決めるのだから、正しい」へ歪んでしまった。

最初は葵自身も、YESしか言わなくなった周囲に焦りを感じ、本音のNOを求めてはいました。けれど実際には自分にとって都合の悪いNOは受け入れられなかった。
反対意見がないから孤独になるんじゃなくて、自ら反対意見を遠ざけていることに気づかないから孤独になっていく。

そこの過程は、書いていて一番つらかった部分です。
私自身にも抱え込み癖や思い込みで突っ走ってしまう部分があるので、葵を転落させて終わりにはしたくありませんでした。
少しご都合主義になってしまうかも……?と悩みながらも、壊れた関係の再構築と成長まで描くことにしました。

タイトルの『君が僕のYESしか愛さないとしても』には、複数の意味を込めています。
誰が誰に向けた言葉なのかとか、YESが何を意味しているのかなど。
そこは自由に想像していただけたら嬉しいです。

長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました✨
登録日 2026.09.23 08:39

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