芝桜胡桃

芝桜胡桃

小説を書きたくて、始めてみました。定期的に連載して参りますので、よろしくお願いします。
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現代文学 連載中 長編
昼は小さな職場で働き、 夜は父の介護を手伝う22歳の少女・白石灯(しらいし あかり)。 仕事では小さなミスを何日も引きずり、 怒鳴り声に怯え、 「自分は役に立っていないのではないか」と胸を締めつけられる日々。 家に帰れば、年金暮らしの両親。 父の通院、薬の管理、家計の心配。 母の疲れた背中を見るたびに、 「私がしっかりしなきゃ」と思う。 けれど、本当は―― 誰にも会いたくない夜がある。 そんな夜、灯は決まって駅前のカラオケ店に入る。 狭い個室。 柔らかな防音の壁。 マイクを握った瞬間だけ、 彼女は“娘”でも“部下”でもなくなる。 ただの、声。 点数が出るたびに一喜一憂しながら、 歌詞に自分の感情を重ね、 涙を流し、 それでも最後の一曲を歌いきる。 歌っているあいだだけ、 胸の奥のざわめきが静かになる。 介護の不安も、 仕事の失敗も、 将来への焦りも、 ネオンの光の向こうに溶けていく。 大きな成功はない。 劇的な救いもない。 それでも灯は、今日も仕事を終え、 財布の中身を少し気にしながら、 静かに個室へ向かう。 歌うことは、逃げではない。 それは、壊れないための選択。 ――誰にも会いたくない夜は、歌う。
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小説 6,329 位 / 217,640件 現代文学 40 位 / 9,073件
文字数 5,854 最終更新日 2026.02.22 登録日 2026.02.17
ファンタジー 連載中 長編
地方都市で小さな書店を営む三姉妹と、売れない文豪志望の青年。 ある日、地震によって彼らは書店のエレベーターに閉じ込められる。 暗闇の中、不安を紛らわせるように青年は物語を語り始める。 それを誰よりも真剣に聞いていたのは、少しドジで、どこか人懐っこい三女だった。 やがて復旧したエレベーターの扉が開くと――そこは、モンスターたちが穏やかに暮らす異世界。 この世界では「物語」が命の糧。 物語が満ちていれば穏やかに、失われれば心を荒ませる。 しかし今、世界は静かに“物語不足”に陥っていた。 自分の才能を信じられない青年。 それでも三女は、彼の物語を「好き」と言う。 「あなたの言葉、あったかいよ」 その一言が、孤独だった青年の胸を揺らす。 彼の書く物語は、モンスターたちを癒し、世界を少しずつ変えていく。 だが同時に、三女の中に眠る“再生の力”が、この世界の秘密と深く結びついていることが明らかになっていく。 やがて青年は知る。 彼女を守るためには、自分が“本当の物語”を書かなければならないことを。 これは、言葉を失いかけた男が、ひとりの少女と出会い、愛と共に再生していく物語。
24h.ポイント 207pt
小説 7,531 位 / 217,640件 ファンタジー 1,223 位 / 50,464件
文字数 12,729 最終更新日 2026.02.22 登録日 2026.02.14
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