迷えるオトナ女子のための自分らしさのトリセツ

「誰かに認められなくても大丈夫」——あなたの「なんとなくいいな」が一番正しい理由

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「正解」を選んできたはずなのに、なぜか苦しい

「会社員をしてそれなりに生活しているけれど、果たしてこれでいいのだろうか」と、疑問を抱くことはありませんか?
残業やノルマもきついし、そもそもなぜ今の仕事をしているのか、本当に自分がやりたいことはこれなのか、わからなくなることがあります。

あなたはこれまでどのように生きてきたでしょうか?
振り返れば、子どものころから、大人や世間から「良い」とされる進路を選択し、社会的に成功すれば幸せになれると信じて努力してきたかもしれません。
「社会から認められれば幸せになれるはず」と、いわば成功法則のように信じて頑張ってきたけれど、実際に就職し、働いてみると、果たしてこれでいいのだろうか、と疑問がわいてくるのです。本当に自分がやりたかったことは何だったのでしょうか。

いや、まだ足りない、もっと業績をあげれば達成感を得られるはず。もっと昇進して認められれば、自信がもてるはず。結婚すれば、一人前と認められるはず。資格を取れば、年収が上がれば……。
そうやって、何らかの条件を満たすことで自信が得られる、という思い込みに縛られ、もっとがんばれ、もっとやれば、と自分に呪いをかけてしまう人がいるのです。

マズローが解き明かす「認められたい」の正体

社会に認められたい、他人から価値のある人間だと認められたい、という欲求を、「承認欲求」といいます。
承認欲求は、誰しもが抱く基本的な心理的欲求です。
これは、マズローの欲求5段階説のなかの一つの欲求で、生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求があります。

赤ちゃんがオギャーと生まれた時、最初に発現する欲求が「生理的欲求」。
お腹が空いた、おっぱいが飲みたい、オムツがぬれた、気持ち悪い、快適になりたい、そんな欲求です。

生理的欲求が満たされたら次に、「安全欲求」が現れます。
安全欲求は、安全な住まいがあり、雨風がしのげて病気にならず健康に過ごせる環境がほしい、という欲求です。

安全欲求が満たされたら、「社会的欲求」が現れます。
人間は社会の中で生きる生き物ですから、集団に受け入れられたい、友達になりたい、好きな人に受け入れられたい、恋人になりたい、会社の一員になりたい、と思う欲求は自然なことです。

社会的欲求が満たされると、「承認欲求」が現れます。
集団に受け入れられ一員になるだけでなく、自分が集団から価値ある存在と認められたい、尊重されたいと思う欲求です。要するに「すごいね」「さすがだね」と言ってもらいたいのです。
最近は承認欲求の強い人をネガティブに言う風潮がありますが、これは人間の基本的な欲求の一つです。誰だって、認められたいし、チヤホヤされたい。良い会社に就職するとまるで自分の価値が上がったような気がする。やっぱり出世したいし、成功したいのです。決して恥ずかしいことではありません。

そして、「自己実現欲求」が現れます。
自己実現欲求は、自分自身の力を発揮し、自分らしくありのままに生きたいと願う、人間特有の成長欲求です。自分にしかできないことをやりたい。誰かと比較することなく、自分自身を高め、誰かに認められなくても、自分で自分を満足させられる。
この欲求が満たされると、人は深い満足感を感じることができるといわれています。

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プロフィール

高井祐子
高井祐子

神戸心理療法センター代表。公認心理師。臨床心理士。アンガーマネジメントファシリテーター。主に認知行動療法、マインドフルネスを用いて個人心理療法をおこなう。20年のカウンセラー歴を持ち、2025年4月までに、のべ15,602名と関わる。オンラインカウンセリングでは、日本全国のみならず海外からの相談に対応、グローバルに「こころの専門家」として活動している。著書に『認知行動療法で「なりたい自分」になる』(創元社)、『「自分の感情」の整えかた・切り替えかた』(大和出版)、『ラクに生きるための「心の地図」』(ナツメ社)などがある。

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