コンビニ3社「明暗くっきり」…ローソン・ファミマが連続最高益、セブンは伸び悩み

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ローソンの店舗(「Wikipedia」より)

●この記事のポイント
・ローソンとファミリーマートが増収・最高益を達成。AI発注やPB強化が奏功し、9月も既存店売上で高成長を維持。
・セブン‐イレブンは減収・営業減益。国内外で苦戦が続き、既存店売上も横ばいに。王者の構造に変化の兆し。
・コンビニ業界は「セブン一強」から「三強均衡」へ。データ活用と加盟店利益重視が次の成長を左右する。

「コンビニの王者」が揺らいでいる。2025年3~8月期の中間決算で、ローソンとファミリーマートが増収・最高益更新を記録する一方、セブン&アイ・ホールディングスは減収・営業減益に沈んだ。

 そして直近の9月度既存店売上でも、ローソン+4.1%、ファミマ+3.3%と好調を維持、セブンは+0.5%にとどまった。物価高や人手不足、災害対策など逆風が続くなか、業界勢力図は確実に書き換わりつつある。戦略コンサルタントの高野輝氏に分析してもらった。

●目次

ローソン:AI発注とPBで「全利益過去最高」、9月も+4.1%成長

 ローソンは2026年2月期第2四半期(3~8月)で営業収益・営業利益・経常利益・純利益すべてが過去最高。国内コンビニ全店の平均日販は60万3000円(前年同期比+5.3%)と、初めて60万円台に到達。既存店売上高は+5.3%、客数+1.5%、客単価+3.7%。

 9月度の月次も堅調で、既存店売上高+4.1%(客数100.6%/客単価103.5%)と2ケタに近い成長を維持。「ハピとくーポン」や「からあげクン」増量キャンペーンが好評で、からあげクンや米飯・調理パン・麺類など中食カテゴリーが軒並み好調だった。

 竹増貞信社長は決算会見でこう語った。

「加盟店の尽力にテクノロジーと50周年施策がうまくかみ合った。加盟店利益を基軸に経営してきた成果が数字に表れた」

 実際、加盟店オーナー1人当たりの利益は前年比10%超増。2019年度から6年連続で増益を続けている。AIを活用した需要予測による発注最適化、無印良品や厨房調理弁当など「指名買い」商品が伸び、PBのスイーツ群も販売を牽引した。

 また、KDDIと三菱商事による共同経営体制のもと、通信データ×商流を一体化した分析・供給モデルを構築。「AI×MD×物流」の統合が、売上・利益ともに押し上げた格好だ。

 ローソンは成長と並行して、防災インフラ化にも動き出している。千葉県富津市の富津湊店を皮切りに、
 サイネージによる災害情報発信、
 太陽光発電による停電時稼働、
 EV社用車による支援物資輸送、
といった「災害支援コンビニ」構想を展開。

 2030年までに太平洋沿岸を中心に100店舗設置を目指しており、“社会インフラ企業”としてのブランド転換を進めている。

ファミリーマート:辛味戦略とデジタル販促で堅調維持、9月も+3.3%

 ファミマは中間期で増収・事業利益過去最高を記録。平均日販は59万5000円(+3.8%)。「ファミチキレッド」などの辛味訴求商品や、大谷翔平選手起用のおにぎりキャンペーンが若年層にヒットした。

 ただし、中国事業再編益の反動で純利益は3割減。実質的には好業績といえる。9月度も既存店売上高+3.3%(客数98.6%/客単価104.8%)と高水準を維持。43カ月連続で前年超えを達成しており、安定的な右肩上がりが続く。