中東有事「原油120ドルの衝撃」…JAL・マツダが売られ、三菱重工が爆騰する理由

 防衛産業の動向に詳しいアナリストは「今回の中東有事を受け、複数国政府から防衛装備の納期前倒しや追加発注の打診が来ているとの情報もある。防衛関連の受注残が積み上がっていく流れは、少なくとも数年単位では変わらないだろう」と述べる。

注視すべき3つの指標

中東有事「原油120ドルの衝撃」…JAL・マツダが売られ、三菱重工が爆騰する理由の画像2

 今回の変動が示すのは、中東有事が単なるリスクイベントではなく、日本のエネルギー安全保障という「構造問題」を可視化したということだ。市場は今、その構造に忠実に動いている。投家が今後注視すべき指標は以下の3点に集約される。

 第一にWTI原油先物の「120ドル定着」の有無。週次終値ベースで定着するか否かが、各セクターの追加的な業績修正の分岐点となる。

 第二にホルムズ海峡の封鎖継続期間。外交交渉の進展次第で、海運株は急落リスクも同時に抱える「両刃の剣」であることを忘れてはならない。イランは過去に何度もホルムズ封鎖を警告しながら完全実施に踏み切ったことがなく、封鎖するとイラン自身も原油輸出が困難になるという自縄自縛の構造もある。出口が見つかれば急騰銘柄への利益確定売りが殺到するリスクも意識しておくべきだ。

 第三に政府の物価対策・エネルギー補助金の動向。ガソリン補助金の再拡充や電力価格の激変緩和措置は、エネルギーセクターの利益を直接圧縮する変数となりうる。

 2026年春、日本株市場は「資源国vs消費国」「有事受益vs有事被害」という、かつてないほど鮮明な二極化の局面に入った。銘柄選択の精度が、これまで以上にリターンを左右する時代が到来している。

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、中村哲也/元大手航空会社収益管理部長・航空経営コンサルタント)