辺境伯令嬢でしたが、王太子に戦功を奪われ処刑されました。二度目は祖国を救いません
王都からの救援要請を前にして、フレイヤ・ノルドヘイムは静かに息を吐いた。
一度目の人生で、彼女はその声に応えた。父を失ったばかりの身で雪深い辺境から軍を率い、凍てつく山道を越え、敵軍を退け、王国を救った。
けれど、人々が英雄として讃えたのは王太子ヤロミールだった。
王太子の婚約者となった後も、彼女の献身が報われることはなかった。差し出したものは当然のものとして扱われ、最後には処刑された。
その最期に、彼女のそばにいたのは、翼がなく空を飛べない白い竜だけだった。
目を覚ましたフレイヤは、父の戦死を告げられた日に戻っていた。
ならば、もう同じ道は選ばない。
王太子の栄光のために戦うことも、王都の涙に命を差し出すことも、二度としない。
彼女が守るべきものは、雪深い辺境にある。
飛べない白い竜がいる。父が遺した寡黙な竜騎士がいる。そして、彼女の帰りを待つ人々がいる。
祖国を救った令嬢は、二度目の人生で祖国を救わない。
これは、すべてを奪われた辺境伯令嬢が、雪の国で愛と居場所を取り戻す物語。
一度目の人生で、彼女はその声に応えた。父を失ったばかりの身で雪深い辺境から軍を率い、凍てつく山道を越え、敵軍を退け、王国を救った。
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