実家の釣り船屋が潰れそうなので笑って受付していたら、葉山の常連さんに本気で愛されました
神奈川県・城ヶ島。
二十八歳の相沢澪は、父が船長を務める実家の釣り船屋「しおかぜ丸」で受付をしている。
けれど、店は今にも潰れそうだった。
減っていく常連客。
増えない新規予約。
古すぎるホームページ。
かさむ船の修理費。
それでも澪は、父にも客にも心配をかけまいと、今日も受付で笑っていた。
そんな彼女のもとへ隔週土曜日になると必ず現れるのが、葉山から通う四十歳の常連客・黒瀬航平。
無口で、落ち着いていて、必要以上には踏み込んでこない大人の男性。
――なのに彼だけは、澪の「大丈夫」を信じてくれない。
「受付でも、嫌なことは嫌でいいと思います」
そしてWebの仕事をしている黒瀬は、経営に悩む澪へ手を差し伸べる。
古びたホームページを作り直し、
初心者にも届く釣り船屋へ変えていくうちに、
少しずつ二人の距離も変わっていって――。
「最初は、釣りに来ているつもりでした」
「でも、いつからか、釣りだけではなくなりました」
「澪さんに会いに来ていました」
守りたい実家。
不器用な父。
海の見える葉山の家。
そして、十二歳年上の無口な常連さん。
これは、ひとりで全部背負って笑っていた女性が、
自分をちゃんと見てくれる人と出会い、
大切な店も、自分の未来も、恋も諦めないと決める物語。
城ヶ島の潮風から始まる、
じれ甘・大人の年の差恋愛。
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