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月明かりが照らす中庭は荒れ放題。レンガブロックで作られた小道はあちこち欠け、枯れた花が独占する花壇も散見される。唯一目を引いたのは、中央で存在感を出している大木だけだった。
「あの下に埋めようか」
入り口のそばにいた杏さんが大木を指差す。ウインクを置き、リュックを背負う姿はまるで冒険家のよう。こんな状況で怯まず笑っていられるんだ。これから死のうとしている私ですら、怖くて手が震えているというのに。
雑草へと落ちた視界の隅、杏さんが手招きしているのが見えた。小さく頭を振って小走りで駆け寄る。
「この辺りにしよっか」
大木を囲む円形のベンチに荷物を降ろした杏さん。手際よくシャベルを取り出して組み立てていく。
「とにかく掘って掘って掘りまくって」
「はい」
太い根を張る幹の横、一斗缶が埋まるスペースを探してシャベルを刺した。刃先が埋まるものの、硬い。何かを埋めるには適していないような気がしても、今更そんなことは口にできなかった。
隣で一心不乱に掘る杏さんをまねて、ただ手を動かす。しかし順調に掘れていたのは最初だけ。徐々に土が硬くなり、まるで大きな石にシャベルを当てているような手応えが続いた。
「何これ硬い」
「ですね。場所変えますか?」
「あまり時間がかかるとまずいもんね。そこの花壇はどうかな」
「花壇ですか? もしも授業で何か植えたら見付かりますよ」
「夏休みに入ったんだから、九月まで大丈夫でしょ。ほらほら、とりあえず埋め直そう」
本人がいいのならいいか。あまり難しいことは考えずに埋め直し、軽くならした後で花壇へと近付いた。
薄汚れた表札に書かれた『4年2組』の文字。夏休み明け、花壇の変わり様に子どもたちは胸を痛めるのだろうか。ほんの少しの罪悪感を抱えながら足を踏み入れた。
片足で体重をかけただけでスニーカーが沈むほどの柔らかさ。この柔らかさがずっと続きますように。そう祈りながらシャベルを刺し込み、がちんという音にのけ反ってしまった。
「あんちゃん大丈夫?」
「はい。ここ、かなり硬いですね」
杏さんが位置をずらして試すも、耳に入るのは金属音だけ。深いため息。あまりの気まずさに雑草へと目をやった。
「あとは……向こうの裏なんかよさそうじゃない?」
額を拭った杏さんが、中庭の隅の大きな石をあごで示した。記念碑だろうか。ぼうっと眺めていると早速杏さんが動き、石の裏へと回り込んだ。そしてすぐに手招き。今度こそ大丈夫だといいけれど。
杏さんのリュックを背負い、シャベル片手に近付く。月明かりに照らされて掘られた文字が徐々に見えてきた。
寄贈、学校名、創立記念。なぜか読み込んでしまう。自分の高校にあるものは興味さえないのに。
「何か面白いこと書いてある?」
杏さんが記念碑に顔を乗せて覗き込んでいる。表情は柔らかいものの、どこかそわそわしている。早く来てと暗に告げているようだった。
「いえ、今行きます」
記念碑の裏へ回る。心なしかひんやりとしていた。
「柔らかいからいけそう」
一息つく間もなく、杏さんが掘り始めた。地面しか見ておらず、ポニーテールがまるで生き物のように忙しなく動いている。その横で荷物を降ろし、シャベルを地面に差し込んだ。花壇の土よりは硬いものの、掘れないことはなさそう。
いつしか単純作業の面白さが芽生え、二つ分の息遣いを耳にしながら一心不乱に掘っていく。そうしてどのくらいたったか。一斗缶が半分入るかどうか掘り起こした時、杏さんのため息が聞こえた。
「少しだけ、私の話をしてもいい?」
杏さんは手を休めない。断る理由もなく小さく返事をしてみせた。
「私もね、あんちゃんと同じだったの」
一瞬だけ手を止めてしまった。しかしすぐに動かした。
「小さい頃からずっと勉強勉強。テストの点がよかった時だけ褒めてくれた。父さんも母さんも、私を見てなかった」
「結果だけ見ていた、と」
「うん。いい大学に入って、いい会社に就職して、いい人と結婚する。まるで操り人形みたいな人生。彼と付き合うまではそうだった」
淡々と話す杏さんからは感情が読み取れない。後悔しているのかもどうかも分からない。
気になりつつも、一斗缶がすっぽり入る程度には掘れた。杏さんが続きを話す前にと、リュックから一斗缶を取り出して穴へと置いた。
「彼は小さい頃から私が好きだったみたい。それがこんなことになるなんてね」
やっと杏さんの表情が変わった。けれどそれが何を意味するのか分からなかった。
寂しそうな目をしながら、口元は少し緩んでいる。悲しさと嬉しさが同居する感情を私は知らない。強いて言えば自殺して楽になれると思い付いた時だろうか。
頭を小さく振って一斗缶に土をかぶせ、その姿が見えなくなるまでそう時間はかからなかった。こんもりとした山を杏さんが両手でならし、手に付いた土を払い落とす音が終わりの合図となった。
「これでよし。手伝ってくれて――伏せてっ」
シャベルを畳もうとした時、杏さんの手によって無理やりしゃがみ込まされた。理由を尋ねようとするも、唇に当てられた人差し指に封じられる。
「行ったかな」
ふっと肩から手が離れた。
「あの、何があったんですか?」
「廊下を誰かが通り過ぎていったの。警備員じゃないかな」
目配せをした廊下には誰もいない。しかし耳を済ませば遠くなっていく足音が聞こえるような気がする。
「気付かれる前に帰ろうか。来た道を通って行こう」
シャベルをリュックに入れて背負い、杏さんが中庭へと飛び出した。今度ははぐれないように杏さんの背中を追い、忍び込んだ時よりもスムーズに校舎から脱出。思いの外簡単に戻ってこられた。
「周りに誰かいる?」
「いえ。いないと思います」
車に乗り込んで周囲を見渡す。私たち以外の姿は見えない。時折姿を現す車も自転車も、我関せずと通り過ぎていくだけ。
「はあああ。疲れた」
杏さんの深いため息。それと同時にハンドルへ突っ伏した顔は安堵に満ちあふれていた。
「まさか警備員がいるとは思わなかった」
「本当に、驚きましたね。気付かれなくてよかったです」
杏さんと目が合い、同じタイミングで笑みがこぼれる。まるでいたずらを成し遂げた子どものよう。初めての悪事にいまだに胸が高鳴って仕方がない。危険があり、恐怖があり、不安があった。しかし今こうやって無事に笑っている。
これが達成感か。初めての大冒険を終えた余韻に浸っても、胸の奥の熱は冷めようとはしない。言葉にして伝えたい。身振り手振りで告げたい。
「杏さ――」
つい我慢できず投げた言葉は、届かなかった。いつの間にかシートへ背を預け、手の届く天井を見上げている杏さん。不思議がる暇もなく、杏さんのしゃくり上げる声と涙があふれ出した。
目の前で起こっていることが分からない。なぜ泣いているのか。なぜそんな素振りを見せてくれなかったのか。いつものように被害妄想と自己嫌悪に陥りそうになった時、杏さんが涙を拭って深呼吸をした。
「ごめんね。帰ろうか」
泣き足りないと告げる目は痛々しく、容易に問いを投げることさえもできそうにない。
「はい」
何もかもを飲み込んで頷く。小さな嗚咽、静かに走りだした車のエンジン音。それらに支配された車内でただ黙り込むしかなかった。
「あの下に埋めようか」
入り口のそばにいた杏さんが大木を指差す。ウインクを置き、リュックを背負う姿はまるで冒険家のよう。こんな状況で怯まず笑っていられるんだ。これから死のうとしている私ですら、怖くて手が震えているというのに。
雑草へと落ちた視界の隅、杏さんが手招きしているのが見えた。小さく頭を振って小走りで駆け寄る。
「この辺りにしよっか」
大木を囲む円形のベンチに荷物を降ろした杏さん。手際よくシャベルを取り出して組み立てていく。
「とにかく掘って掘って掘りまくって」
「はい」
太い根を張る幹の横、一斗缶が埋まるスペースを探してシャベルを刺した。刃先が埋まるものの、硬い。何かを埋めるには適していないような気がしても、今更そんなことは口にできなかった。
隣で一心不乱に掘る杏さんをまねて、ただ手を動かす。しかし順調に掘れていたのは最初だけ。徐々に土が硬くなり、まるで大きな石にシャベルを当てているような手応えが続いた。
「何これ硬い」
「ですね。場所変えますか?」
「あまり時間がかかるとまずいもんね。そこの花壇はどうかな」
「花壇ですか? もしも授業で何か植えたら見付かりますよ」
「夏休みに入ったんだから、九月まで大丈夫でしょ。ほらほら、とりあえず埋め直そう」
本人がいいのならいいか。あまり難しいことは考えずに埋め直し、軽くならした後で花壇へと近付いた。
薄汚れた表札に書かれた『4年2組』の文字。夏休み明け、花壇の変わり様に子どもたちは胸を痛めるのだろうか。ほんの少しの罪悪感を抱えながら足を踏み入れた。
片足で体重をかけただけでスニーカーが沈むほどの柔らかさ。この柔らかさがずっと続きますように。そう祈りながらシャベルを刺し込み、がちんという音にのけ反ってしまった。
「あんちゃん大丈夫?」
「はい。ここ、かなり硬いですね」
杏さんが位置をずらして試すも、耳に入るのは金属音だけ。深いため息。あまりの気まずさに雑草へと目をやった。
「あとは……向こうの裏なんかよさそうじゃない?」
額を拭った杏さんが、中庭の隅の大きな石をあごで示した。記念碑だろうか。ぼうっと眺めていると早速杏さんが動き、石の裏へと回り込んだ。そしてすぐに手招き。今度こそ大丈夫だといいけれど。
杏さんのリュックを背負い、シャベル片手に近付く。月明かりに照らされて掘られた文字が徐々に見えてきた。
寄贈、学校名、創立記念。なぜか読み込んでしまう。自分の高校にあるものは興味さえないのに。
「何か面白いこと書いてある?」
杏さんが記念碑に顔を乗せて覗き込んでいる。表情は柔らかいものの、どこかそわそわしている。早く来てと暗に告げているようだった。
「いえ、今行きます」
記念碑の裏へ回る。心なしかひんやりとしていた。
「柔らかいからいけそう」
一息つく間もなく、杏さんが掘り始めた。地面しか見ておらず、ポニーテールがまるで生き物のように忙しなく動いている。その横で荷物を降ろし、シャベルを地面に差し込んだ。花壇の土よりは硬いものの、掘れないことはなさそう。
いつしか単純作業の面白さが芽生え、二つ分の息遣いを耳にしながら一心不乱に掘っていく。そうしてどのくらいたったか。一斗缶が半分入るかどうか掘り起こした時、杏さんのため息が聞こえた。
「少しだけ、私の話をしてもいい?」
杏さんは手を休めない。断る理由もなく小さく返事をしてみせた。
「私もね、あんちゃんと同じだったの」
一瞬だけ手を止めてしまった。しかしすぐに動かした。
「小さい頃からずっと勉強勉強。テストの点がよかった時だけ褒めてくれた。父さんも母さんも、私を見てなかった」
「結果だけ見ていた、と」
「うん。いい大学に入って、いい会社に就職して、いい人と結婚する。まるで操り人形みたいな人生。彼と付き合うまではそうだった」
淡々と話す杏さんからは感情が読み取れない。後悔しているのかもどうかも分からない。
気になりつつも、一斗缶がすっぽり入る程度には掘れた。杏さんが続きを話す前にと、リュックから一斗缶を取り出して穴へと置いた。
「彼は小さい頃から私が好きだったみたい。それがこんなことになるなんてね」
やっと杏さんの表情が変わった。けれどそれが何を意味するのか分からなかった。
寂しそうな目をしながら、口元は少し緩んでいる。悲しさと嬉しさが同居する感情を私は知らない。強いて言えば自殺して楽になれると思い付いた時だろうか。
頭を小さく振って一斗缶に土をかぶせ、その姿が見えなくなるまでそう時間はかからなかった。こんもりとした山を杏さんが両手でならし、手に付いた土を払い落とす音が終わりの合図となった。
「これでよし。手伝ってくれて――伏せてっ」
シャベルを畳もうとした時、杏さんの手によって無理やりしゃがみ込まされた。理由を尋ねようとするも、唇に当てられた人差し指に封じられる。
「行ったかな」
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「あの、何があったんですか?」
「廊下を誰かが通り過ぎていったの。警備員じゃないかな」
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「周りに誰かいる?」
「いえ。いないと思います」
車に乗り込んで周囲を見渡す。私たち以外の姿は見えない。時折姿を現す車も自転車も、我関せずと通り過ぎていくだけ。
「はあああ。疲れた」
杏さんの深いため息。それと同時にハンドルへ突っ伏した顔は安堵に満ちあふれていた。
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「本当に、驚きましたね。気付かれなくてよかったです」
杏さんと目が合い、同じタイミングで笑みがこぼれる。まるでいたずらを成し遂げた子どものよう。初めての悪事にいまだに胸が高鳴って仕方がない。危険があり、恐怖があり、不安があった。しかし今こうやって無事に笑っている。
これが達成感か。初めての大冒険を終えた余韻に浸っても、胸の奥の熱は冷めようとはしない。言葉にして伝えたい。身振り手振りで告げたい。
「杏さ――」
つい我慢できず投げた言葉は、届かなかった。いつの間にかシートへ背を預け、手の届く天井を見上げている杏さん。不思議がる暇もなく、杏さんのしゃくり上げる声と涙があふれ出した。
目の前で起こっていることが分からない。なぜ泣いているのか。なぜそんな素振りを見せてくれなかったのか。いつものように被害妄想と自己嫌悪に陥りそうになった時、杏さんが涙を拭って深呼吸をした。
「ごめんね。帰ろうか」
泣き足りないと告げる目は痛々しく、容易に問いを投げることさえもできそうにない。
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