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「どうって何かあるの?」
「毎月恒例のやつ。そろそろ千夏も一緒に行かない?」
「やだ」
わかっていたけれど今回も駄目か。千夏にも会いたいって遥がうるさいんだけどな。今月も泣かれたらどうしよう。
「叶ちゃんさ」
千夏が肩を寄せて体を預けてきた。
「そんな毎月毎月、はる姉に会いに行かなくてもいいんじゃない? 十一歳なら、ひと月ぐらい会わなくても泣かないでしょ」
「泣かなくても様子を見に行かないと。いつ記憶が戻るかわからないもの」
「毎日、はる姉のお母さんから連絡が来るのに?」
「そういう問題じゃないの。自分の目で確かめなきゃ」
「そうは言ってもさ、記憶が戻ってまた襲われたらどうするの? 顔の傷は整形で良くなったけど、またお腹なんか刺されたら……」
「そうならないために会ってるの。きっと変えられる。きっと正せるって信じてるから」
「……本当にはる姉のためなの?」
うつむく千夏の顔を見ずとも、声色から真剣さは感じ取れた。
「私一人じゃない。千夏のためでもあるよ」
そう言い切ると千夏は何も言わなくなった。預けていた体を離し、ベッドで横になって面白くないとふてくされている。
不機嫌になる気持ちもよくわかるけれど、これだけは譲れない。遥への被害届を取り下げ、その行く末を見守ると決めたあの日から。
十一歳の遥に罪を償ってもらっても意味がない。いつか記憶が戻り、改めて罪と向き合うような遥を一から作り直すしかなかった。
そのために千夏の理解や遥の両親の協力を得て、今日までやってきた。いつ終わるのか、どれほど傷付くのか、また裏切られるのかはわからない。現に幼い遥はいつも同じ笑顔を向けてきて、何の成果もないように感じてしまう。
もしもまたあの遥になってしまったら。人の気持ちなんか考えもせず、わがままを通す幼なじみになったらどうしよう。
尽きない迷いも悩みも毎日のように湧き上がる。それでも遥に抱いた自分の優しさを信じるしかなかった。
「毎月恒例のやつ。そろそろ千夏も一緒に行かない?」
「やだ」
わかっていたけれど今回も駄目か。千夏にも会いたいって遥がうるさいんだけどな。今月も泣かれたらどうしよう。
「叶ちゃんさ」
千夏が肩を寄せて体を預けてきた。
「そんな毎月毎月、はる姉に会いに行かなくてもいいんじゃない? 十一歳なら、ひと月ぐらい会わなくても泣かないでしょ」
「泣かなくても様子を見に行かないと。いつ記憶が戻るかわからないもの」
「毎日、はる姉のお母さんから連絡が来るのに?」
「そういう問題じゃないの。自分の目で確かめなきゃ」
「そうは言ってもさ、記憶が戻ってまた襲われたらどうするの? 顔の傷は整形で良くなったけど、またお腹なんか刺されたら……」
「そうならないために会ってるの。きっと変えられる。きっと正せるって信じてるから」
「……本当にはる姉のためなの?」
うつむく千夏の顔を見ずとも、声色から真剣さは感じ取れた。
「私一人じゃない。千夏のためでもあるよ」
そう言い切ると千夏は何も言わなくなった。預けていた体を離し、ベッドで横になって面白くないとふてくされている。
不機嫌になる気持ちもよくわかるけれど、これだけは譲れない。遥への被害届を取り下げ、その行く末を見守ると決めたあの日から。
十一歳の遥に罪を償ってもらっても意味がない。いつか記憶が戻り、改めて罪と向き合うような遥を一から作り直すしかなかった。
そのために千夏の理解や遥の両親の協力を得て、今日までやってきた。いつ終わるのか、どれほど傷付くのか、また裏切られるのかはわからない。現に幼い遥はいつも同じ笑顔を向けてきて、何の成果もないように感じてしまう。
もしもまたあの遥になってしまったら。人の気持ちなんか考えもせず、わがままを通す幼なじみになったらどうしよう。
尽きない迷いも悩みも毎日のように湧き上がる。それでも遥に抱いた自分の優しさを信じるしかなかった。
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