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最初の敵
グルアーガ
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「まぁ、雑魚な方なんだがな。」
山菜のフリットを口に放り込みながら典明が言う。
「倒しても無いのに雑魚とか…。」
譲がすかさず白い目で典明を見る。
「倒したよ!
けど、主人公を放棄したら復活したんだ。」
「つまりゲームオーバーしたら、
ふりだしに戻るってわけか。」
フィン作のライ麦パンを齧りながら、ふぅん。と譲が納得した。
『グルアーガ。』
そいつがこの煉瓦造りの街を襲い、今現在支配している怪物らしい。
「で、特徴は?」
「亀みたいな見た目だな。
甲羅が異常に硬いから、後ろから攻撃してもほぼ無効。
正面の殻の方が少し柔らかくて、相方だった主人公は大剣使いだったから
正面から叩き割って倒した。」
「こっちは魔導師2人に魔法剣士1人だから、
その戦い方は真似出来そうにないね。」
雛乃は言ってからカブのポタージュに手をつける。
典明の木属性魔法は非常に優秀だった。
子ども達とその保護者、新たな主人公に希望を持ち始めた住民達が耕してくれた土地に、
魔法で様々な野菜を出現させた。
当面食事に困る事は無さそうだ。
「魔法剣士の剣じゃ通らねぇだろうな。
つか、街に行けなきゃ剣も手に入らないし。」
鍛冶屋は何人か生き残っていたものの、学校では剣や防具を作る材料も道具も無い。
街を取り戻す他に道は無かった。
「明日の朝には倒しにいかないと。
こっちに攻め込まれては困るし。」
雛乃の心配はここの住人の事だろう。とまだ会って間もない典明にもわかった。
この赤髪の主人公は優し過ぎて夢見がちな所がある。
それは大剣使いだった相方と似ている。
万が一にも死なせないようにしないといけないな、と思う。
でなければ斜め向かいに座る冷血非道の主人公と魔導師だけパーティーで魔王に立ち向かわなきゃならない無理ゲー展開が待っているからだ。
「頭や腕もだいぶ硬いんだが、
殻から出てる根元の辺りは柔らかかった気がする。
譲の氷の槍を殻の間に撃てば
穴開けれるんじゃ無いか?」
「そうだね。刺さった場所から両側に範囲広げて
水圧上げれば、手足吹き飛ばせるかもしれない。」
「お前エグい事言うよな…」
「とりあえず、明日に備えて短い時間だけど身体を休めよう。」
「「了解。」」
譲の一言で、みんな寝静まった校舎でひっそりと行われた作戦会議は幕を閉じた。
山菜のフリットを口に放り込みながら典明が言う。
「倒しても無いのに雑魚とか…。」
譲がすかさず白い目で典明を見る。
「倒したよ!
けど、主人公を放棄したら復活したんだ。」
「つまりゲームオーバーしたら、
ふりだしに戻るってわけか。」
フィン作のライ麦パンを齧りながら、ふぅん。と譲が納得した。
『グルアーガ。』
そいつがこの煉瓦造りの街を襲い、今現在支配している怪物らしい。
「で、特徴は?」
「亀みたいな見た目だな。
甲羅が異常に硬いから、後ろから攻撃してもほぼ無効。
正面の殻の方が少し柔らかくて、相方だった主人公は大剣使いだったから
正面から叩き割って倒した。」
「こっちは魔導師2人に魔法剣士1人だから、
その戦い方は真似出来そうにないね。」
雛乃は言ってからカブのポタージュに手をつける。
典明の木属性魔法は非常に優秀だった。
子ども達とその保護者、新たな主人公に希望を持ち始めた住民達が耕してくれた土地に、
魔法で様々な野菜を出現させた。
当面食事に困る事は無さそうだ。
「魔法剣士の剣じゃ通らねぇだろうな。
つか、街に行けなきゃ剣も手に入らないし。」
鍛冶屋は何人か生き残っていたものの、学校では剣や防具を作る材料も道具も無い。
街を取り戻す他に道は無かった。
「明日の朝には倒しにいかないと。
こっちに攻め込まれては困るし。」
雛乃の心配はここの住人の事だろう。とまだ会って間もない典明にもわかった。
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それは大剣使いだった相方と似ている。
万が一にも死なせないようにしないといけないな、と思う。
でなければ斜め向かいに座る冷血非道の主人公と魔導師だけパーティーで魔王に立ち向かわなきゃならない無理ゲー展開が待っているからだ。
「頭や腕もだいぶ硬いんだが、
殻から出てる根元の辺りは柔らかかった気がする。
譲の氷の槍を殻の間に撃てば
穴開けれるんじゃ無いか?」
「そうだね。刺さった場所から両側に範囲広げて
水圧上げれば、手足吹き飛ばせるかもしれない。」
「お前エグい事言うよな…」
「とりあえず、明日に備えて短い時間だけど身体を休めよう。」
「「了解。」」
譲の一言で、みんな寝静まった校舎でひっそりと行われた作戦会議は幕を閉じた。
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