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余韻と現実
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無事に首都ホーストにもどることができた。嬉しいのだがグッドインの二泊三日になにか戻りたい気分にさせる。戻れるはずもないのに。楽しかったのだろうか?気分が高揚したのか?ルカに説明できる言葉も用意できずに父上と家族が待つ王宮に戻った。
「よくやった。フルナールとの外交は成功だ。今日は休め。明日は王宮で晩餐会を予定している。皆の者を招待する」
陛下と王妃と王宮の留守を預かったものが集まり祝福してくれた。恥ずかしいと誇らしいが同時に湧き上がってくる。外交に任された全員が笑顔で並んでいた。ルカもその一人。時間がとれたので陛下に報告する時間を頂いた。
「陛下、この度の会議に参加させていただいて本当にありがとうございました。終わってからですがこの経験は今後の自分に大きな影響を受けたと思っております」
「アンドレア、よくやった。宰相からも毎日手紙が届いていたのだ。サヴィーノの館の会議の配置に進行状況、宿の警備にまわりの建物の所有者への協力。どれもよくできていたと」
「ありがとうございます。ルカの協力があってこその結果になります」
「何よりの成果はノア皇太子と仲良くなったそうではないか」
「偶然にもあちらも会議に参加されて声をかけてもらったのです。色々と話ができました。今後は手紙でやりとりをするつもりです」
「年が近い者同士おおいにやってくれ。義理の兄になるわけだからな」
「ノア殿下の妹君ならとホッとしています。結構活発な妹君だとか」
「アンドレアなら振り回されるほどの元気な女性が合うだろう。楽しみだな」
「一年後には結婚ですから早く会ってみたいですね」
自分の部屋に戻り侍女にいつもの紅茶を頼んだ。結婚かあ。それまでに勉強することは山積みだが結婚前に国内の主要な都市は一通り視察しておきたい。結婚相手のフルナール第一王女アンナへの手紙やプレゼントも考えないといけないな。女性に手紙もプレゼントも経験ないからわからない。侍女にぼそっと聞いてみた。
「殿下、私の好みくらいはお話しできますが、王女様では参考にならないと存じます。申し訳ございません」
「いや、謝らなくていいから」
「姉上お二人を頼ってみてはいかがでしょうか?」
「そうだね」
姉上の部屋に行ってみる。少し敷居が高い。姉たちは国内貴族との結婚が決まり準備が忙しい。
「なにアンドレア?アンナ王女への手紙とプレゼント?ジュリア。アンナ王女ってなんか知ってる?」
「ジョルジュ姉、私もまったく知らないわ」
「そうよね。まずは手紙ね。それと今回の会議で誰か知り合いできなかったの?」
「ノア皇太子殿下とは知合いましたけど」
「それなら殿下にお手紙していろいろとお聞きしたら?失礼にあたらない様に書きなさいね」
「そうね。なんでも聞けばいいわけじゃないのよ。心配なら下書きを持っておいで」
「そうしましょ。わかったアンドレア?」
いつもながらさっさと会話を進め文句の言えない形で会話は終わりを迎えた。
これは困った。ルカにも相談したがはっきり断られた。女性への手紙・・・それも相手は王女なんだぞ・・・
アンドレアが一人悩んでいるころ。ハンド―ラ国イートスの町で煙があがった。
「野郎ども!いいか!時間だ!」
「よくやった。フルナールとの外交は成功だ。今日は休め。明日は王宮で晩餐会を予定している。皆の者を招待する」
陛下と王妃と王宮の留守を預かったものが集まり祝福してくれた。恥ずかしいと誇らしいが同時に湧き上がってくる。外交に任された全員が笑顔で並んでいた。ルカもその一人。時間がとれたので陛下に報告する時間を頂いた。
「陛下、この度の会議に参加させていただいて本当にありがとうございました。終わってからですがこの経験は今後の自分に大きな影響を受けたと思っております」
「アンドレア、よくやった。宰相からも毎日手紙が届いていたのだ。サヴィーノの館の会議の配置に進行状況、宿の警備にまわりの建物の所有者への協力。どれもよくできていたと」
「ありがとうございます。ルカの協力があってこその結果になります」
「何よりの成果はノア皇太子と仲良くなったそうではないか」
「偶然にもあちらも会議に参加されて声をかけてもらったのです。色々と話ができました。今後は手紙でやりとりをするつもりです」
「年が近い者同士おおいにやってくれ。義理の兄になるわけだからな」
「ノア殿下の妹君ならとホッとしています。結構活発な妹君だとか」
「アンドレアなら振り回されるほどの元気な女性が合うだろう。楽しみだな」
「一年後には結婚ですから早く会ってみたいですね」
自分の部屋に戻り侍女にいつもの紅茶を頼んだ。結婚かあ。それまでに勉強することは山積みだが結婚前に国内の主要な都市は一通り視察しておきたい。結婚相手のフルナール第一王女アンナへの手紙やプレゼントも考えないといけないな。女性に手紙もプレゼントも経験ないからわからない。侍女にぼそっと聞いてみた。
「殿下、私の好みくらいはお話しできますが、王女様では参考にならないと存じます。申し訳ございません」
「いや、謝らなくていいから」
「姉上お二人を頼ってみてはいかがでしょうか?」
「そうだね」
姉上の部屋に行ってみる。少し敷居が高い。姉たちは国内貴族との結婚が決まり準備が忙しい。
「なにアンドレア?アンナ王女への手紙とプレゼント?ジュリア。アンナ王女ってなんか知ってる?」
「ジョルジュ姉、私もまったく知らないわ」
「そうよね。まずは手紙ね。それと今回の会議で誰か知り合いできなかったの?」
「ノア皇太子殿下とは知合いましたけど」
「それなら殿下にお手紙していろいろとお聞きしたら?失礼にあたらない様に書きなさいね」
「そうね。なんでも聞けばいいわけじゃないのよ。心配なら下書きを持っておいで」
「そうしましょ。わかったアンドレア?」
いつもながらさっさと会話を進め文句の言えない形で会話は終わりを迎えた。
これは困った。ルカにも相談したがはっきり断られた。女性への手紙・・・それも相手は王女なんだぞ・・・
アンドレアが一人悩んでいるころ。ハンド―ラ国イートスの町で煙があがった。
「野郎ども!いいか!時間だ!」
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