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駆け引き
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ハンド―ラ国の宰相が動いていた。ボールド国のヘワケリカの町で。
「反乱軍の首謀者サイモンは取り押さえた。自白も終わった。ボールド国へ顛末の報告を急ぐ。誰かボールド国の王宮へ連絡を取ってくれ!」
こんな偶然があるのだろうか?
少し躊躇はした。でもルカへ目線を合わせるとOKがでた。
「ハンド―ラ国宰相でいらっしゃるアーサー殿。私はボールドの皇太子アンドレアと申すもの。なんの偶然か耳にしてしまいましたのでお答えいたします」
「本当でございますか。ハンド―ラの宰相を努めますアーサーと申します。この奇跡に感謝いたします」
「我が国への連絡をとお聞きしましたが陛下と宰相への謁見を希望ですか?」
「その通りでございます。反乱軍がボールド国へ侵攻した件と反乱軍の首謀者を取り押さえました故、即刻お詫びと顛末の説明にあがりたく存じます。ハンド―ラ国王サイラス三世から親書は三通お送りいたしております」
「了解致しました。早馬を出しますので返事がくるまでお待ちください」
王宮軍隊長アロルドに皇太子としてはじめて指示を出した。ハンド―ラの軍を自由にさせないように監視しつつ深く入り込め。信用はするな。ハンド―ラからの謝罪だが最初は拒絶する。わざとだ。次の謝罪の態度で考えるのが今のボールドのベストな答えだ。陛下と宰相との共有事項だ。アロルドはしばらく考えていたが自分なりの答えを見つけたようだ。心配はないな。
王宮からの返事は早く来たが私たちへの指示がほとんどでハンド―ラには返事がないと問い合わせされたら微妙な問題ですので時間が必要と答えろ程度だった。わかった。自信はないが指示通りにやってみる。皆やるだけやってみようかの精神で挑むつもりだ。
ハンド―ラの宰相を待たせて一日は過ぎた。でもハンド―ラは催促してはこない。
それから十二時間。さすがにしびれを切らしていることかと様子を伺ってみる。
「宰相殿、まだ連絡は来ないのですが・・・」
「簡単にはこないと思ってお待ちしております」
「そうですか。また連絡あり次第になります」
「殿下には本当にお世話になります。こちらは待ちます。よろしくお伝えください」
さすがにこんな対応をさせられるのでは私が参ってくる。ハンド―ラは暴力的で軍の力を使ってくる攻撃的な国ではなかったのか?過去のことも策略・謀略がうごめく国家ではなかったのか?しかしながらこちらの一時対応は決まっている。あと二十四時間以内に伝えなくてはいけない。。。胃が痛いのは気のせいだろうか・・・
あれから六時間。私の胃の痛みは限界にきた。痛みに耐えながら、なにか込み上げてくるものに本当に耐えながらの説明だった。
「先ほどの早馬からの知らせです。こちらも事の顛末は収集できた。しかしながらノマキとヘワケリカの二都市まで入り込まれて国民の眼も厳しくなってきている。ここはまず引き上げてほしい。その後にボールド国内に説明をして安定させてからにしてほしい」
ハンド―ラの宰相は渋い表情が垣間見えたがすぐに固い表情になり
「承知いたしました。早急に帰国する。捕虜の連中を連れ帰っても問題ないだろうか?」
「首謀者サイモンなど最初に事を起こした連中はハンド―ラの人間だ。あとから合流したボールドの人間もいるだろうが一緒に調べていただかないことには繋がりがわからないと思われる。一緒に連れていっていただきたい」
「重ねて承知いたしました。失礼いたします」
その後三日間で総勢三百の兵と捕虜は引き上げていった。王宮からの声明が発表された。
【ハンド―ラからの侵攻がありノマキとヘワケリカまで攻め込まれた。入り込んできたのはハンド―ラへの反乱軍の部隊でハンド―ラの王宮軍がボールドの許可を得て反乱軍を鎮圧した。今は反乱軍を連れて帰国した。ハンド―ラ軍はボールドの人間を誰一人として怪我をさせていない。後日会議をして今回のことと今後のことを決めて国民に知らせる】
首都ホーストとノマキとヘワケリカの三箇所同時に発表した。
フルナール国の第一王子ノアの結婚相手の話が大詰めを迎えていた。三人は必要なのだが・・・三人目で揉めていた。
「反乱軍の首謀者サイモンは取り押さえた。自白も終わった。ボールド国へ顛末の報告を急ぐ。誰かボールド国の王宮へ連絡を取ってくれ!」
こんな偶然があるのだろうか?
少し躊躇はした。でもルカへ目線を合わせるとOKがでた。
「ハンド―ラ国宰相でいらっしゃるアーサー殿。私はボールドの皇太子アンドレアと申すもの。なんの偶然か耳にしてしまいましたのでお答えいたします」
「本当でございますか。ハンド―ラの宰相を努めますアーサーと申します。この奇跡に感謝いたします」
「我が国への連絡をとお聞きしましたが陛下と宰相への謁見を希望ですか?」
「その通りでございます。反乱軍がボールド国へ侵攻した件と反乱軍の首謀者を取り押さえました故、即刻お詫びと顛末の説明にあがりたく存じます。ハンド―ラ国王サイラス三世から親書は三通お送りいたしております」
「了解致しました。早馬を出しますので返事がくるまでお待ちください」
王宮軍隊長アロルドに皇太子としてはじめて指示を出した。ハンド―ラの軍を自由にさせないように監視しつつ深く入り込め。信用はするな。ハンド―ラからの謝罪だが最初は拒絶する。わざとだ。次の謝罪の態度で考えるのが今のボールドのベストな答えだ。陛下と宰相との共有事項だ。アロルドはしばらく考えていたが自分なりの答えを見つけたようだ。心配はないな。
王宮からの返事は早く来たが私たちへの指示がほとんどでハンド―ラには返事がないと問い合わせされたら微妙な問題ですので時間が必要と答えろ程度だった。わかった。自信はないが指示通りにやってみる。皆やるだけやってみようかの精神で挑むつもりだ。
ハンド―ラの宰相を待たせて一日は過ぎた。でもハンド―ラは催促してはこない。
それから十二時間。さすがにしびれを切らしていることかと様子を伺ってみる。
「宰相殿、まだ連絡は来ないのですが・・・」
「簡単にはこないと思ってお待ちしております」
「そうですか。また連絡あり次第になります」
「殿下には本当にお世話になります。こちらは待ちます。よろしくお伝えください」
さすがにこんな対応をさせられるのでは私が参ってくる。ハンド―ラは暴力的で軍の力を使ってくる攻撃的な国ではなかったのか?過去のことも策略・謀略がうごめく国家ではなかったのか?しかしながらこちらの一時対応は決まっている。あと二十四時間以内に伝えなくてはいけない。。。胃が痛いのは気のせいだろうか・・・
あれから六時間。私の胃の痛みは限界にきた。痛みに耐えながら、なにか込み上げてくるものに本当に耐えながらの説明だった。
「先ほどの早馬からの知らせです。こちらも事の顛末は収集できた。しかしながらノマキとヘワケリカの二都市まで入り込まれて国民の眼も厳しくなってきている。ここはまず引き上げてほしい。その後にボールド国内に説明をして安定させてからにしてほしい」
ハンド―ラの宰相は渋い表情が垣間見えたがすぐに固い表情になり
「承知いたしました。早急に帰国する。捕虜の連中を連れ帰っても問題ないだろうか?」
「首謀者サイモンなど最初に事を起こした連中はハンド―ラの人間だ。あとから合流したボールドの人間もいるだろうが一緒に調べていただかないことには繋がりがわからないと思われる。一緒に連れていっていただきたい」
「重ねて承知いたしました。失礼いたします」
その後三日間で総勢三百の兵と捕虜は引き上げていった。王宮からの声明が発表された。
【ハンド―ラからの侵攻がありノマキとヘワケリカまで攻め込まれた。入り込んできたのはハンド―ラへの反乱軍の部隊でハンド―ラの王宮軍がボールドの許可を得て反乱軍を鎮圧した。今は反乱軍を連れて帰国した。ハンド―ラ軍はボールドの人間を誰一人として怪我をさせていない。後日会議をして今回のことと今後のことを決めて国民に知らせる】
首都ホーストとノマキとヘワケリカの三箇所同時に発表した。
フルナール国の第一王子ノアの結婚相手の話が大詰めを迎えていた。三人は必要なのだが・・・三人目で揉めていた。
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