187 / 226
轟譜剣導高校編・1
177話 クリスマスパーティ
しおりを挟むねえ春途
ん?なんだよ朱里。
えへへっ、なんでもなーい!
そうかよ。
ほら、これ春途の!
オレンジジュースか。サンキュな。
どういたしましてー!かんぱーい!
おう。乾杯
昼過ぎに始まった剣導部選手のクリスマスパーティ。各自飲み食いしながらの話し声が聞こえてくる。そんななか、俺と朱里は2人で缶ジュースを傾けていた。
どしたん?元気なくない?
いやまあ…なんでもないよ。
…?
………ふぅん。ねえ春途。パーティ楽しい?
急にどうしたんだよ。楽しいよ、みんながいるからな。
そっか。なら私も楽しい!春途がいるからね。
これまた変な理由だな。
そう思う?
どういう意味だ。
ご想像になんたら~ってやつね。そんなことよりも
そろそろ来るみたいだよ?ゲストの子たち。
お、そろそろか。
会ったらなにがしたい?
剣を交えたい、かな。
春途ったら…もうすっかり剣導の選手ね。
なんだよ、他にあるのか?
わかんない。けど、いいね。私も誰かと立会したい!
俺と変わらないじゃないか。
それが剣導部でしょ?
ははっ、違いないな。
俺と朱里が話していると
たのもぉぉぉ!!!!
は、逸先輩!今日のはそういうんじゃなくて…!
ぬぅ?そうかそうか!うっかりしていた!
萌はしっかり者だな!ハッハッハ!
相変わらず声が大きいんだな。逸
お!春途じゃないか!久しいな!!!今からどうだ?
いいな、やるか。けどその前に、少し話さないか?
せっかくのクリスマスパーティだし。
そんなこと言って、春途も立会いたいって言ってたじゃん。
それはそうなんだけどさ。
なんだなんだ!春途も立会いたいのか!
ならやろう!今!
バシッ!
逸が春途の背中を思い切り叩く
痛いっての!いきなり背中叩くなよ!
いいじゃないか!俺は構わんぞ!
叩かれる側に立ってから言えよそれ。
だめですよ?逸先輩。
すみません春途さん!それとお久しぶりです。
おう、久しぶりだな萌。なんか飲むか?俺と朱里がとってくるよ。あーそれと、逸はウニ抹茶でいいよな?特別だぞ?
は?いや、それは…
なんだ、嫌なのか?なら飲みたいの教えろよ。
むぅ…ならばオレンジジュースを頼む!
はいはい、ウニ抹茶ね。ほら朱里行くぞ?
はーい!んじゃまたね!
行ったな。
………なんだか春途さん、変わりましたね。
そのようだな。いい意味で生意気になったものだ。
ハッハッハ!!!
ねえ逸先輩。先輩って彼女さんとかいないんですか?
ん?ああ。いないぞ?見ての通り俺は五月蝿くて乱暴なやつだからな!誰も好いてはくれないのさ!ハッハッハ!
違います!確かに先輩は少し乱暴で他人の話を聞かないこともあります…けれど、困っている人を
放っておけない優しい人なんです!
入学式前の時に道に迷う私を助けてくれたのが
逸先輩だったんです。けれど私に構ったせいで
先輩の用事に遅れてましたけど。
自分より他者を優先できる先輩は、
決して悪い人なんかじゃありません!
そんなところを好きになったんですからあああ!!!
……はあ…はあっ…はあっ!
…あ。
(やってしまいましたあ!!!
つい告白みたいなこと!!)
そうかそうか!俺は悪いやつじゃないと言ってくれるのか。ありがとう萌。そんなこと言われたの初めてだからすごく嬉しいぞ!
そうですか?えへへ…嬉しいです。
でも本当なんですからね?私が先輩のこと好きなの。
そうかそうか!嬉しいぞ!ハッハッハ!
…聞いてはくれないみたいですね。
そう。私西松萌は、東縁高校の入学式の時に迷子になっていました。校内アナウンスも流れ、本格的に集合しなければいけない時間にです。
体育館へ行けばいい?
それはそうなんですけど、私は方向音痴でして…。
行きたいのに間に合わない……そんな時でした。
逸先輩が声をかけてくれたんです。
その時、一目惚れしました。
私は周囲よりも成長が早いみたいで異性からは
身体ばかり見られていました。なので後輩として…何より一人の人間、西松萌として私をみてくれる逸先輩に惚れたんです。
それからは周囲の反対を押しきって逸先輩のいる剣導部に入りました。あまり強くなれてはいませんが、毎日のように逸先輩と過ごせているので充実した日々を送れています。
逸先輩は私のこと…好きじゃありませんか?
いや…好きだ!
なにせ俺の後輩だからな!ハッハッハ!
…そっちじゃありません…。
あ、お2人が戻ってきました!
ただいま。はいこれ。ほら、逸はこれな?
これは…オレンジジュースではない……
すまんすまん、ちょっとからかっただけだよ。ほら
そうか!ヒヤッとしたぞ?ハッハッハ!
互いに缶ジュースを開けて話し始める
そういえば2人はどうなんだ?最近。
俺は兄さんから焔乃猛にスカウトされたぞ!!!
まじか!?それはすごいな!……行くのか?
いかぬ!俺にはかわいい後輩がいるからな!!!
ハッハッハ!
先輩…!
ああけど、勘違いはするなよ?萌は俺がいないとダメとかじゃなく、俺が萌といたいからだからな?
先輩……!
なあ朱里、あの2人ってもしかして…
そうみたいだね。
そうだよな。それは鈍い俺にもよくわかる。
へえ。春途って鈍い自覚あったんだね。
それはそれとして、どうしよっか。
離れるか?一旦は。
だね。
あー…俺たち先に立会ってくるからまたあとでな!
ん!
俺たちは返事を待たずにその場から離れた
行っちゃいましたね。
そうだな。飲み物、なくなったし買ってくるぞ?何がいい?
い、一緒に行きます!
そうかそうか!
よし、ともに買いに行こう!ハッハッハ!その後に2人の立会を見に行こうか!
はい!そうしましょう!
2人が飲み物を買いに出かけたころ、春途らは
あんなこと言ったけど、ほんとにやるのか?
さっきやったばかりだろ。
それもそうだね。けど、言ったからにはやろうよ!
まじかよ。まあいいか。よし、剣を抜け。
あいよー!よーし…覚悟して!!でぇぇい!!!
キンッ!ギッ!ジジジジジジ…!!!
朱里はアロンダイトを抜く動作から流れでそのまま斬り上げを放つ。
なんだそれ!速すぎだろっての!はあっ!
ガキンッ!
封獣の太刀で強打、僅かな距離をあける
てぇぇ!!
機を逃さず封獣の太刀で斬り込む
それは鋭い横薙ぎだ。朱里の対応は―――
うーーーーん…よいしょおおお!!!
ジャンプだった。
なっ!?(なんて跳躍だ…!って、そんなことよりこの状況どうすれば…!?)
がら空きだよー!そいやっ!!!
密着状態の横薙ぎをジャンプで躱され、硬直した春途へ朱里は振り下ろしを放った。
(こうなったら…これしか!)
カランッカランッ!
ふうっ!!
キン!!!ガキンッ!
んなっ!?……へえ!
春途は封獣の太刀を手放しユーアマインを握った。そしてそれを逆手持ちにして力を込め、朱里のアロンダイトを弾いた。
朱里はバク転をして着地、それと同時に地面を蹴り、春途に詰め寄る
げえ!?…けどま、そうなるよ…な!
それを見た春途も朱里めがけて走り出す
キンッ!ギ!キンッ!!!ジジジジジジ!!!
あら、太刀は使わないの?
ああ。こっちのが俺には合ってるからな!はああっ!
そうなのね。ふっ…
うわっ?っとと………!?
朱里はぶつけ合っている刀剣に加える力を弱めた
これで終わり!たああっ!
体制を崩した春途に朱里の突きが放たれる。
ぐっ…!(この体制じゃ……)
(これ。何を悲観しておる。)
リーゼ?
(うむ。妾は諦めるだけの主は好かんぞ?)
リーゼロッテが自発的に飛び出して朱里の攻撃を防いだ。
なんとぉ!ならこっちも!
緋く光れ…赤熱の礫よ!
(マーズセレクタ)
指を鳴らす動作に続くようにして
焼け焦げた礫が春途を襲う―――。
なんだその魔導カード!!?
ふっ!てい!でりゃあああ!!!
春途はそれを弾き落とした
やるね。けど本命はこっち!!たあっ!
背後に回っていた朱里の一撃が春途の後頭部に直撃した。
ぐあっ…!?
へへんっ!またまた私の勝ちね!
そうだな。そうなんだけどさ………
腕組んで言われるとなんか苛つくわ、うん。
あー、なんかごめん。
いや、いいよ。2連敗なのは事実だしな。
次も負けないかんね?あ、萌ちゃんたち来たー!
2人とも熱い立会だったな!バク転から攻勢に繋げるのなんか特にすごかったぞ!!!
だそうだぞ?朱里。
えっへん。運動と勉強なら誰にも負けないかんね?
それ、なんでも負けないんじゃ…?
あっ、でもでも!春途さんもすごかったですよ?
太刀を捨てて短剣握る辺りなんて私なんかじゃ
考えつきませんでした!
あ、ありがとう。2人ともよく見てるよな。
あれ?春途さんは録画とか見ませんか?
ん?見ないな。
それなのにその強さ……春途さんってすごいんですね!
すごい?あー……えっと…
?
なあ朱里、これ言ってもいいのか?
んー?いいんじゃないの。そのくらい
OKだ。俺の中にはギフトっていうのがあって…
ノンノン、それじゃだめ。まずはギフトのこと話さないとじゃん。
それもそうだな。ギフトっていうのは、持ってるやつの成長を早める…えーと、助ける?代物らしい。俺以外のギフト所持者って、リサしか見たことないし殆どないんだろうな。亡くなった友人とかそういうのを解析したデータみたいなものなんだ。
そのご友人が……亡くなったんですか
ああ。……って、そんな悲しそうにしないでくれよ。
ギフトが死んだアイツだって言うんなら、俺と一緒にいるんだろ?なら悲しむ必要はないっての。それに
それに?
アイツが家族を選ばずに俺を選んだんだったら、いつまでも過去に囚われている場合じゃない。それこそ愛想尽かされるよ。
そうですか……わかりました。
では次は私と立会、してもらえますか?
ああ!!負けないぞ!
俺と萌の立会が始まる。
その頃、冥果は
(ねえ冥果、誰かといなくていいのー?)
いいの。ねえ、もっとムノルのことを教えてよ。大切な人と離れる悲しい話しか聞いていないから、好きにさせるんでしょう?教えてよ。
(いいよー。ボクは冥果が好き。そうなったのには海より深い理由が…あるかな?なんてね。ないよ。実はひと目見た…いや、一回聴いた時から気になっていて、一緒に立会していくなかでもっともっと気になっていってさー。これが好きってことなのかな?って最近気がついたのさー。)
そうだったんだ…。私のどこがそんなに好きなの?
(積み重ねる速度が遅いのを知りながらも直向きに努力するところとか、あとはイヤイヤ言いながらも面倒見のいいところだね。優しい、暖かい音がしたのさー
。)
私はそんなんじゃないわよ。けどムノルって変だけど悪いやつじゃないのね。
(それは知ってるでしょー?もう)
そうね。どれ、そろそろ部室に戻ろう。
(そうだねー。)
0
あなたにおすすめの小説
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
『俺アレルギー』の抗体は、俺のことが好きな人にしか現れない?学園のアイドルから、幼馴染までノーマスク。その意味を俺は知らない
七星点灯
青春
雨宮優(あまみや ゆう)は、世界でたった一つしかない奇病、『俺アレルギー』の根源となってしまった。
彼の周りにいる人間は、花粉症の様な症状に見舞われ、マスク無しではまともに会話できない。
しかし、マスクをつけずに彼とラクラク会話ができる女の子達がいる。幼馴染、クラスメイトのギャル、先輩などなど……。
彼女達はそう、彼のことが好きすぎて、身体が勝手に『俺アレルギー』の抗体を作ってしまったのだ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる