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轟譜剣導高校編・2(終)
191話 心配性な隙間風
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191話 心配性な隙間風
そして俺だけが取り残された。
そう。俺、春途がみんなと轟譜に来て数日が経過した今日、みんな知り合いができて遊びに誘われていった。
……俺だけかよ……。
しかたない、いつものメニューでもこなすか。
春途は中庭のベンチを立つとひと気のない立会場へと向かった。そして到着してすぐに素振りから開始した。
ふっ!はっ!やあっ!!せい!
素振りと連続攻撃の確認をして2時間後
……ふぅ。これくらいにしておくか。…それにしても、ほんとに誰もいないんだな。焔乃猛とは大違いだ。
焔乃猛は立会場を借りるのに予約が必要だったもんなあ。そう考えると轟譜は気軽に使えていいな。
などとどうでもいい事を考えていると立会場の隅から目深にフードを被った人が近づいてきた。
……ねえキミ、私とやらない?
ん?誰だ?
名前なんていいでしょ?やるの?やらないの?
(フードで顔も見えない奴と立会か。)
ああ…やろうか。けど顔くらい見せてくれよ。どんなやつか分からないだろ?
……必要なら仕方ないか。……はい、これでいい?
紺色のフードから露になったのは深緑のショートヘアにルビーのような真っ赤な瞳を持つ美少女だった。
あれ……お前ってまさか……
名前は出さないで。ほら、剣を抜いて。
あ、ああ…(本人が嫌と言うなら知らないってことにしておくか。)
私、手加減できないタイプだから。いくよ―――
あの子を拒絶した世界に隔て……我風!
(へルファウィン)
ふうは体に暴風を纏う。
あははっ…やっぱりこれだよ!……さあやるよ!
(いつも通り……特別なことなんて、ない。)
これか……風を纏う例の魔導は!
ほら、よそ見しない!それそれ!!
ふうは斧槍ジャークツィーで怒涛の3連続攻撃を放つ。それは振り下ろしから突き、そこから振り上げに繋げる。
よっ…ふっ……!よし!避けたぞ!ここだあ!!!
春途は封獣の太刀で突きを繰り出す。
ブオオオオ!!!
なっ…!?
しかしそれは風に阻まれた。
距離を空けるってそういうことかよ。
うん。ギリギリの攻撃は当たらないよ。
今度は私の番!ていっ!
(いくら優勝者といってもこんなもの。
やっぱりいつも通りだね。)
ふうは左脚にちからを加えた。それは回転を描けながらの跳躍で流れるように薙ぎへ繋げた。そしてそのまま春途へ接近した。
(これは……避けられないな!なら…!!)
ふっ…!!ぐぅぅぅぅ!!?
ズガガガガガガガガガガ!!!と音をたてながら後退、春途は封獣の太刀を床に突き刺しそれを防いだ。
へえ…なかなかやる!
そりゃどうも。つか姫奈から聞いてたあんたと全然違うんだけど、どういうことだ?
姫奈!?姫奈がなんて?
ん?ああいや、口数が少ないって聞いてたからさ。普通に元気な人だなって。口数が少ないのは嘘なのか?
そんなことないよ。……姫奈にだけはね。
なんでだよ。姫奈はあんたのこと
大好きなんだぞ?なんであんたが突き放す?姫奈はあんたと一緒にいたいから剣導を始めたんだぞ!?
うるさい!そこまで教える義理はないよ!
竜巻よ……のみこめ!!(ミセリコストーム)
ふうの前に大きな竜巻が現れた。
それは春途に向かっていく。
なっ……!?うわあああああ!!!
ドカンッ!
ミセリコストームによって
春途は壁にうちつけられた。
シュ!
……ってて………うわっ!?
ふうは春途の起き上がりにあわせて喉元へジャークツィーを突きつけた。
これで私の勝ちだね。
そうみたいだな。(強かった……けど、
なんか今まで立会った最強とは違う気がする。)
なあ…あんたは剣導好きなのか?
はい?いきなりだね。どうしてそんなことを聞くの?
勘違いだったら悪い、楽しそうにしているのにどこか義務感が混じっている感じがしたんだよ。
き、気のせいじゃない?
キミ変なこと言うね。そんな訳ないよ。
あ、もうこんな時間ね。それじゃ私は失礼するよ。次は是非私の剣導高校、隙間風剣導高校に来てね!いつでも歓迎だから!
あ、おい!ちょっと!!……いっちゃった。
的中していたんだな、恐らく。
よし、俺も寮へ帰るか。
それから数時間後のふうの部屋
そっか~姫奈は友だち作れたんだ。嬉しいな。
これで私がいなくても……平気、だよね。
……あれ。おかしいな…なんでだろ。
嬉しいはず……なのに…涙が………
……………私も……姫奈といたかった。
姫奈のなかに……私もいたかった………
どうして?姫奈自身が姫奈の未来を選べるようにって、私が代わりになったのに。私なんかどうでも……
姫奈が笑って生きていてくれたらそれでいいって、考えて決めた。それなのに
あぁ…私ってわがままでどうしようもない人間なんだ………どちらか1つを選んだはずなのに……
やっぱり姫奈と一緒がいい……
姫奈がいない人生なんて、考えたくないよ。
姫奈……姫奈ぁ………
そして俺だけが取り残された。
そう。俺、春途がみんなと轟譜に来て数日が経過した今日、みんな知り合いができて遊びに誘われていった。
……俺だけかよ……。
しかたない、いつものメニューでもこなすか。
春途は中庭のベンチを立つとひと気のない立会場へと向かった。そして到着してすぐに素振りから開始した。
ふっ!はっ!やあっ!!せい!
素振りと連続攻撃の確認をして2時間後
……ふぅ。これくらいにしておくか。…それにしても、ほんとに誰もいないんだな。焔乃猛とは大違いだ。
焔乃猛は立会場を借りるのに予約が必要だったもんなあ。そう考えると轟譜は気軽に使えていいな。
などとどうでもいい事を考えていると立会場の隅から目深にフードを被った人が近づいてきた。
……ねえキミ、私とやらない?
ん?誰だ?
名前なんていいでしょ?やるの?やらないの?
(フードで顔も見えない奴と立会か。)
ああ…やろうか。けど顔くらい見せてくれよ。どんなやつか分からないだろ?
……必要なら仕方ないか。……はい、これでいい?
紺色のフードから露になったのは深緑のショートヘアにルビーのような真っ赤な瞳を持つ美少女だった。
あれ……お前ってまさか……
名前は出さないで。ほら、剣を抜いて。
あ、ああ…(本人が嫌と言うなら知らないってことにしておくか。)
私、手加減できないタイプだから。いくよ―――
あの子を拒絶した世界に隔て……我風!
(へルファウィン)
ふうは体に暴風を纏う。
あははっ…やっぱりこれだよ!……さあやるよ!
(いつも通り……特別なことなんて、ない。)
これか……風を纏う例の魔導は!
ほら、よそ見しない!それそれ!!
ふうは斧槍ジャークツィーで怒涛の3連続攻撃を放つ。それは振り下ろしから突き、そこから振り上げに繋げる。
よっ…ふっ……!よし!避けたぞ!ここだあ!!!
春途は封獣の太刀で突きを繰り出す。
ブオオオオ!!!
なっ…!?
しかしそれは風に阻まれた。
距離を空けるってそういうことかよ。
うん。ギリギリの攻撃は当たらないよ。
今度は私の番!ていっ!
(いくら優勝者といってもこんなもの。
やっぱりいつも通りだね。)
ふうは左脚にちからを加えた。それは回転を描けながらの跳躍で流れるように薙ぎへ繋げた。そしてそのまま春途へ接近した。
(これは……避けられないな!なら…!!)
ふっ…!!ぐぅぅぅぅ!!?
ズガガガガガガガガガガ!!!と音をたてながら後退、春途は封獣の太刀を床に突き刺しそれを防いだ。
へえ…なかなかやる!
そりゃどうも。つか姫奈から聞いてたあんたと全然違うんだけど、どういうことだ?
姫奈!?姫奈がなんて?
ん?ああいや、口数が少ないって聞いてたからさ。普通に元気な人だなって。口数が少ないのは嘘なのか?
そんなことないよ。……姫奈にだけはね。
なんでだよ。姫奈はあんたのこと
大好きなんだぞ?なんであんたが突き放す?姫奈はあんたと一緒にいたいから剣導を始めたんだぞ!?
うるさい!そこまで教える義理はないよ!
竜巻よ……のみこめ!!(ミセリコストーム)
ふうの前に大きな竜巻が現れた。
それは春途に向かっていく。
なっ……!?うわあああああ!!!
ドカンッ!
ミセリコストームによって
春途は壁にうちつけられた。
シュ!
……ってて………うわっ!?
ふうは春途の起き上がりにあわせて喉元へジャークツィーを突きつけた。
これで私の勝ちだね。
そうみたいだな。(強かった……けど、
なんか今まで立会った最強とは違う気がする。)
なあ…あんたは剣導好きなのか?
はい?いきなりだね。どうしてそんなことを聞くの?
勘違いだったら悪い、楽しそうにしているのにどこか義務感が混じっている感じがしたんだよ。
き、気のせいじゃない?
キミ変なこと言うね。そんな訳ないよ。
あ、もうこんな時間ね。それじゃ私は失礼するよ。次は是非私の剣導高校、隙間風剣導高校に来てね!いつでも歓迎だから!
あ、おい!ちょっと!!……いっちゃった。
的中していたんだな、恐らく。
よし、俺も寮へ帰るか。
それから数時間後のふうの部屋
そっか~姫奈は友だち作れたんだ。嬉しいな。
これで私がいなくても……平気、だよね。
……あれ。おかしいな…なんでだろ。
嬉しいはず……なのに…涙が………
……………私も……姫奈といたかった。
姫奈のなかに……私もいたかった………
どうして?姫奈自身が姫奈の未来を選べるようにって、私が代わりになったのに。私なんかどうでも……
姫奈が笑って生きていてくれたらそれでいいって、考えて決めた。それなのに
あぁ…私ってわがままでどうしようもない人間なんだ………どちらか1つを選んだはずなのに……
やっぱり姫奈と一緒がいい……
姫奈がいない人生なんて、考えたくないよ。
姫奈……姫奈ぁ………
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