【完結】組織に裏切られた凄腕の女殺し屋、最強のイケメン魔術師と出会う

夏芽空

文字の大きさ
18 / 19

【18話】レティスを守る者 ※ティオール視点

しおりを挟む

 レティスの前に立ったティオールは、白髪の男を強く睨みつける。
 その瞳には、絶対に傷つけさせない、という確かな意志が宿っていた。
 
「誰だ貴様は?」
「彼女を守る者だ。……お前ら、漆黒の影の追手か?」
「ご名答。私は漆黒の影のリーダー、ディバイアスだ。……しかし、漆黒の影の名を知っているとはな。貴様も組織の人間か?」
「いいや。俺は森で暮らしているだけの、ただの一般人さ。前にここにきたお前の部下が、色々教えてくれたんだ。おしゃべりなヤツだった。部下の教育はしっかりしといた方がいいぜ」
「返す言葉もない。戻ったら貴様の言う通りにしなければな。だがその前に、まずは目的を果たす!」

 地面を蹴ったディバイアスがまっすぐに向かってくる。
 
 そこへ向けてティオールは、【ジャイアントファイアボール】を発動。
 巨大な火の玉が飛んでいく。
 
 ディバイアスはそれをギリギリで躱した。
 顔には大きな驚愕と焦りが浮かんでいる。
 
「なんという強力な魔法だ……! まともにくらえば終わりだな。……しかし、問題はない。スラスト!」
「わかってますよ」

 後ろに控えていた黒いローブの男がニヤリと笑う。
 ティオールへ向けて片手をかざした。
 
「【アンチスペル】」

 ティオールへ向かって黒い光が飛んでいく。
 
 しかしそれはティオールに当たった瞬間、反転。
 スラストへと飛んでいった。
 
「バカな! なにが起きている!」

 驚愕しているスラストは動けていない。
 跳ね返った魔法が直撃する。
 
「くそ! もう一度だ! 【アンチスペル】」

 もう一度使おうとするも、魔法は発動しなかった。
 
「無駄だ。俺の体はすべての魔法を反射する。お前は自分の魔法にかかったんだ」
「なんですかそれは! 聞いたことがありません! あなたいったい、何者ですか!」
「さっきも言っただろ。俺はこの森に暮らしている一般人。……そして、レティスを守る者だ」

 ティオールがスラストへ片手をかざした。
 
「【スリープ】」

 ティオールが放ったのは睡眠魔法。
 それを受けたスラストは、バタンとその場に倒れた。
 
「あと一歩で私は任務をこなせるのだ! こんなとこで終われない! 邪魔をするなああああああ!」

 吠えたディバイアスが向かってきた。
 人間とは思えないとてつもない速さだ。

「死ねえッ!」

 ディバイアスが回し蹴りを放ってくる。
 
 だが身体機能を引き上げているティオールは、動きを完全に見切っていた。
 攻撃をかわし、ディバイアスの腹部に手のひらをピッタリとつける。
 
「【エアブラスト】」

 密着させた手のひらから空気の塊を放つ。
 
「あ……ああ」

 うめき声を上げたディバイアスは気絶し、地面に倒れた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜

丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。 与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。 専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、 失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。 そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、 セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。 「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」 彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、 彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。 嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、 広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、 独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。 栄養と愛情を取り戻したセレナは、 誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、 社交界で注目される存在となる。 一方、セレナを失った伯爵家は、 彼女の能力なしでは立ち行かず、 ゆっくりと没落していくのだった――。 虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。

「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します

スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」 眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。 隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。 エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。 しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。 彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。 「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」 裏切りへのカウントダウンが今、始まる。 スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!

狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します

ちより
恋愛
 侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。  愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。  頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。  公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。

薫る袖の追憶を捨て、月光の君に溺愛される

あとりえむ
恋愛
名門の姫君・茜は、夫の高彬に蔑まれ、寂れた離れで孤独な死を迎えた…… けれど意識が途切れた瞬間、視界を埋め尽くしたのは命を削って輝く緋色の夕映え。 目が覚めると、そこは高彬との婚約が決まったばかりの十五歳の春に戻っていた。 「二度目の人生では、誰のことも愛さず、ただあの方の幸せだけを願おう」 茜は、かつて自身の孤独を救ってくれた「最推し」の東宮・暁を、未来の知識で密かに支えることを決意する。 執着を捨て、元夫に無関心を貫く茜。 一方、高彬は自分に興味を失った茜の価値に気づき、今更遅い後悔に狂い始めるが……。 「見つけた。お前は俺の、運命の番だ」 正体を隠して東宮を支えていたはずが、冷徹な暁に見出され、逃げ場のないほどの執着と溺愛を注がれることに。 平安の雅な風情の中で描かれる、逆転と救済の物語。 最後は、二人が永遠の契りを交わす和歌で幕を閉じます。

前世で私を捨てた皇太子が、今世ではなぜか執着してきます。でも私は静王妃なので『皇叔母様』と呼ばせます

由香
恋愛
沈薬は前世、皇太子の妃だった。 だが彼の寵愛は側室へ移り、沈薬は罪もなく冷宮へ送られ――孤独の中で死んだ。 そして目を覚ますと、賜婚宴の日に戻っていた。 二度目の人生。 沈薬は迷わず皇太子ではなく、皇帝の弟である静王を選ぶ。 ただしその夫は、戦で重傷を負い昏睡中だった。 「今世は静かに生きられればそれでいい」 そう思っていたのに―― 奇跡的に目覚めた静王は、沈薬を誰よりも大切にしてくれた。 さらにある日。 皇太子が前世の記憶を思い出してしまう。 「沈薬は俺の妃だった」 だが沈薬は微笑んで言う。 「殿下、私は静王妃です」 今の関係は―― 皇叔母様。 前世で捨てた女を取り戻そうとする皇太子。 それを静かに守る静王。 宮廷を揺るがす執着と溺愛の物語。

キズモノ転生令嬢は趣味を活かして幸せともふもふを手に入れる

藤 ゆみ子
恋愛
セレーナ・カーソンは前世、心臓が弱く手術と入退院を繰り返していた。 将来は好きな人と結婚して幸せな家庭を築きたい。そんな夢を持っていたが、胸元に大きな手術痕のある自分には無理だと諦めていた。 入院中、暇潰しのために始めた刺繍が唯一の楽しみだったが、その後十八歳で亡くなってしまう。 セレーナが八歳で前世の記憶を思い出したのは、前世と同じように胸元に大きな傷ができたときだった。 家族から虐げられ、キズモノになり、全てを諦めかけていたが、十八歳を過ぎた時家を出ることを決意する。 得意な裁縫を活かし、仕事をみつけるが、そこは秘密を抱えたもふもふたちの住みかだった。

【完結】溺愛される意味が分かりません!?

もわゆぬ
恋愛
正義感強め、口調も強め、見た目はクールな侯爵令嬢 ルルーシュア=メライーブス 王太子の婚約者でありながら、何故か何年も王太子には会えていない。 学園に通い、それが終われば王妃教育という淡々とした毎日。 趣味はといえば可愛らしい淑女を観察する事位だ。 有るきっかけと共に王太子が再び私の前に現れ、彼は私を「愛しいルルーシュア」と言う。 正直、意味が分からない。 さっぱり系令嬢と腹黒王太子は無事に結ばれる事が出来るのか? ☆カダール王国シリーズ 短編☆

「妹の方が可愛い」と不倫夫に捨てられた私。どうぞ借金まみれの実家ごと引き取って。私が肩代わりしていた負債、すべてお二人に引き継いでおきました

唯崎りいち
恋愛
「お前より妹の方が可愛い」 不倫した夫は私を追い出し、略奪した妹と笑った。 どうぞ、その「可愛い妹」と地獄までお幸せに。 私が肩代わりしていた実家と店の多額の借金、すべてお二人に引き継いでおきましたから。 「財布」を失った元夫と、逃げ場を失った妹。 身の丈に合わない贅沢を望んだ寄生虫たちの、惨めな末路を特等席で眺めさせていただきます。

処理中です...