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王都、王宮の国王執務室。
そこは現在、世界の終わりのような様相を呈していた。
「陛下! 財務省より悲鳴が上がっております! 予算の計算が合いません!」
「陛下! 外務省より緊急報告! 隣国の使節団が『王太子の態度がなっていない』と激怒して帰国しました!」
「陛下! 王立学院の学長が『王太子の成績改竄疑惑』について説明を求めています!」
次々と飛び込んでくる凶報に、国王は玉座(という名の執務椅子)で頭を抱えていた。
胃が痛い。
キリキリと痛む。
ダーリ・アークライトという「国の防波堤」を失ってから数週間。
この国は、ダムが決壊したかのようにトラブルの濁流に飲み込まれていた。
「……ギルバートは。あのバカ息子はどこだ」
国王が虚ろな目で宰相に問う。
「はっ。……『ダーリを連れ戻してくる』と言って北へ向かったまま、消息を絶っております」
「消息を絶っただと? まさか遭難か?」
「いえ。……辺境伯領の方角から、『王太子らしき人物がトイレ掃除をしている』という奇妙な噂が流れてきておりまして……」
「トイレ掃除……?」
国王は耳を疑った。
一国の王太子が?
便器を?
「……どうやら、ダーリ嬢を連れ戻すどころか、返り討ちに遭い、捕虜(労働力)としてこき使われている模様です」
「情けない……!!」
バンッ!
国王が机を叩いた。
「もはや限界だ。これ以上、あの無能を野放しにはできん。……そして何より、ダーリ嬢に戻ってきてもらわねば、余の胃袋に穴が開く!」
国王は立ち上がった。
その目には、決死の覚悟が宿っていた。
「直ちに『近衛騎士団』を北へ派遣せよ! ギルバートを強制連行するのだ!」
「はっ! ダーリ嬢はいかがいたしますか?」
「丁重に、最上級の礼を持って招待せよ。『国賓』扱いでも構わん! 何としても王都へ連れてくるのだ!」
「承知いたしました! ……あ、それと、ギルバート殿下の処遇についてですが……」
国王は窓の外を見つめ、冷徹に言い放った。
「……王都に戻り次第、『査問会』を開く。場合によっては……『廃嫡』も視野に入れる」
「廃嫡……! ついに、でございますか」
「ああ。国を滅ぼす王などいらん。……ダーリ嬢がいればまだ補正できたかもしれんが、彼女に見捨てられた今、ギルバートはただの『顔が良いだけの置物』だ」
国王の悲痛な決断は、早馬に乗って北の大地へと駆け抜けていった。
***
一方、北の「冬の城」。
「寒いいぃぃぃ! 手がぁぁぁ!」
「もう嫌ですぅ! 腰が折れそうですぅ!」
城の中庭では、ギルバート殿下とミナが雪かきをしていた。
彼らの装備は、粗末な作業着に軍手。
王太子の威厳も、聖女の可愛らしさも、見る影もない。
「おい、手が止まっているぞ」
監視役の兵士(元・山賊)が、容赦なく檄を飛ばす。
「ひぃっ! や、やります! やればいいんでしょう!」
ギルバート殿下は涙目でスコップを動かした。
かつてペンよりも重い物を持ったことのなかった彼の手は、今や豆だらけになり、皮が剥けてボロボロだ。
「……くそっ。見てろよ。いつかこの屈辱を……倍返しにしてやる……」
「ギルバート様ぁ、口動かす前に手ぇ動かしてくださいよぉ。私の分まで雪が積もってくるんですけどぉ」
「ミナ、君こそサボってるじゃないか! さっき雪だるま作ってただろう!」
二人の仲も険悪だ。
極限状態における「真実の愛」の賞味期限は、驚くほど短かったらしい。
その時。
執務室の窓から、私、ダーリが顔を出した。
手には温かいココア、肩には高そうなショール。
「あら、精が出ますわね。お二人とも」
「ダーリ!!」
殿下が恨めしそうに見上げてくる。
「貴様……! 覚えてろよ! 僕が王都に戻ったら、軍を率いてこの城を更地にしてやる!」
「あら怖い。……でも、その前にここの雪を更地にしてくださいな。夕方までに終わらなければ、晩ご飯は『雪玉スープ』ですよ」
「悪魔だ! 君は悪魔だ!」
「事務官です」
私がニッコリ笑って窓を閉めようとした、その時だった。
『――開門!! 王家勅使である!!』
城門の方から、朗々とした声が響き渡った。
見ると、王家の紋章を掲げた立派な騎馬隊が、整列しているではないか。
先頭にいるのは、金色の鎧を纏った近衛騎士団長だ。
「……!」
ギルバート殿下の顔色が、一瞬で変わった。
「き、騎士団だ! 父上の近衛騎士団だ!」
殿下はスコップを放り投げ、狂喜乱舞した。
「やった! やったぞミナ! ようやく助けが来たんだ! 父上が僕を心配して、最強の騎士団を寄越してくれたんだ!」
「本当ですかぁ!? やっと帰れるんですかぁ!?」
殿下は雪を蹴散らして、門の方へと走り出した。
「おーい! ここだ! ここだぞー! 王太子ギルバートはここにいる! 早くその不敬な門番を蹴散らして、僕を保護しろー!」
執務室の中。
私とオルグレン様は、その様子を冷ややかに見下ろしていた。
「……来たか」
オルグレン様が呟く。
「ええ。予想より少し早かったですね。国王陛下の胃が限界を迎えたのでしょう」
「……どうする? 追い返すか?」
「いえ。勅使となれば、話は別です。それに……」
私は封筒の束――ここ数日で書き溜めた、新たな『請求書』の山――をポンと叩いた。
「そろそろ、決着をつける時ですわ」
***
「冬の城」の応接間。
そこに通された近衛騎士団長は、ソワソワと落ち着かない様子だった。
なぜなら、対面に座るオルグレン閣下が、無言で強烈な圧を放っているからだ。
そしてその隣には、優雅に微笑む私がいる。
「……して、王家からの使いとは?」
オルグレン様が低い声で切り出した。
「はっ! オルグレン辺境伯閣下、ならびにアークライト公爵令嬢。……国王陛下より、勅命をお持ちしました」
団長は恭しく書状を広げた。
「第一に、ギルバート王太子殿下への命令。『直ちに王都へ帰還せよ。さもなくば、王籍を剥奪する』」
「……は?」
部屋の隅で、ボロボロの服を着たまま縮こまっていた殿下が、素っ頓狂な声を上げた。
「お、王籍剥奪? 廃嫡ってことか!? な、なんで!?」
「殿下の不在により、国政が破綻寸前だからです。……戻り次第、緊急査問会が開かれます。覚悟召されよ」
団長の冷たい視線に、殿下がガタガタと震え出した。
「助けに来た」のではなく、「連行しに来た」のだと気づいたらしい。
「第二に……」
団長は私に向き直った。
その表情が、急に柔らかく、というか縋るようなものに変わる。
「ダーリ・アークライト嬢へ。『どうか、王都へ戻ってきてほしい。君がいないと余は死ぬ(胃が)』……とのことです」
「……随分とフランクな勅命ですこと」
私は苦笑した。
「また、陛下より『これは命令ではなく、切なる願いである。もし戻ってきてくれるなら、王家の宝物庫から好きなものを進呈する』との伝言も預かっております」
破格の条件だ。
それほどまでに、王都は切羽詰まっているのだろう。
「そして第三に。……オルグレン辺境伯閣下へ」
「俺か?」
「はい。『今回の騒動の件、および今後の北方警備の件について、王都にて直接協議したい。貴殿も同行されたし』」
つまり、全員集合ということだ。
役者は揃った。
舞台は再び、王都へ。
「……どうする、ダーリ」
オルグレン様が私を見た。
その目は「行きたくない」と言っている。
人混みが嫌いだし、王都の貴族たちの陰湿な視線も嫌いなのだろう。
でも、私は頷いた。
「行きましょう、閣下」
「……本気か?」
「ええ。逃げ回るのは性に合いません。それに……」
私はチラリと、震える元婚約者を見た。
「あのバカ王子……いいえ、ギルバート殿下に、本当の意味での『引導』を渡して差し上げないと。中途半端なままでは、またここへストーカーしに来ますわよ?」
「……それは困る」
オルグレン様は即座に反応した。
「二度とこいつらがこの城に近づかないようにできるなら……行く価値はある」
「でしょう? それに、王家の宝物庫には、珍しい『古代の魔導具(便利グッズ)』が眠っているという噂ですし」
私の目に、商魂たくましい光が宿る。
「……分かった。行こう」
オルグレン様は立ち上がった。
そして、団長に向かって宣言した。
「王命、承った。……ただし! 我々の移動手段は、こちらの馬車を使わせてもらう。王家の馬車など狭くて乗れん」
「は、はい! 構いません!」
「それと、俺の『事務官』に対する無礼な振る舞いが一つでもあれば、即座に帰る。……いいな?」
オルグレン様がギロリと睨むと、団長は直立不動で敬礼した。
「もちろんです! ダーリ様は今や、国の救世主ですから!」
こうして。
私たちは王都への帰還を決めた。
ギルバート殿下とミナは、近衛騎士団の護送車(鉄格子付き)に詰め込まれ、私たちは例の「強襲用装甲馬車」で、優雅な凱旋パレード(?)へと出発することになったのである。
「……ふふ。待っていなさい、王都の皆様」
私は馬車の窓から、遠く南の空を見つめた。
「最高に面白いショーをお見せしますわ」
その笑顔は、かつて「悪役令嬢」と呼ばれた時よりも、数倍凶悪に輝いていたという。
そこは現在、世界の終わりのような様相を呈していた。
「陛下! 財務省より悲鳴が上がっております! 予算の計算が合いません!」
「陛下! 外務省より緊急報告! 隣国の使節団が『王太子の態度がなっていない』と激怒して帰国しました!」
「陛下! 王立学院の学長が『王太子の成績改竄疑惑』について説明を求めています!」
次々と飛び込んでくる凶報に、国王は玉座(という名の執務椅子)で頭を抱えていた。
胃が痛い。
キリキリと痛む。
ダーリ・アークライトという「国の防波堤」を失ってから数週間。
この国は、ダムが決壊したかのようにトラブルの濁流に飲み込まれていた。
「……ギルバートは。あのバカ息子はどこだ」
国王が虚ろな目で宰相に問う。
「はっ。……『ダーリを連れ戻してくる』と言って北へ向かったまま、消息を絶っております」
「消息を絶っただと? まさか遭難か?」
「いえ。……辺境伯領の方角から、『王太子らしき人物がトイレ掃除をしている』という奇妙な噂が流れてきておりまして……」
「トイレ掃除……?」
国王は耳を疑った。
一国の王太子が?
便器を?
「……どうやら、ダーリ嬢を連れ戻すどころか、返り討ちに遭い、捕虜(労働力)としてこき使われている模様です」
「情けない……!!」
バンッ!
国王が机を叩いた。
「もはや限界だ。これ以上、あの無能を野放しにはできん。……そして何より、ダーリ嬢に戻ってきてもらわねば、余の胃袋に穴が開く!」
国王は立ち上がった。
その目には、決死の覚悟が宿っていた。
「直ちに『近衛騎士団』を北へ派遣せよ! ギルバートを強制連行するのだ!」
「はっ! ダーリ嬢はいかがいたしますか?」
「丁重に、最上級の礼を持って招待せよ。『国賓』扱いでも構わん! 何としても王都へ連れてくるのだ!」
「承知いたしました! ……あ、それと、ギルバート殿下の処遇についてですが……」
国王は窓の外を見つめ、冷徹に言い放った。
「……王都に戻り次第、『査問会』を開く。場合によっては……『廃嫡』も視野に入れる」
「廃嫡……! ついに、でございますか」
「ああ。国を滅ぼす王などいらん。……ダーリ嬢がいればまだ補正できたかもしれんが、彼女に見捨てられた今、ギルバートはただの『顔が良いだけの置物』だ」
国王の悲痛な決断は、早馬に乗って北の大地へと駆け抜けていった。
***
一方、北の「冬の城」。
「寒いいぃぃぃ! 手がぁぁぁ!」
「もう嫌ですぅ! 腰が折れそうですぅ!」
城の中庭では、ギルバート殿下とミナが雪かきをしていた。
彼らの装備は、粗末な作業着に軍手。
王太子の威厳も、聖女の可愛らしさも、見る影もない。
「おい、手が止まっているぞ」
監視役の兵士(元・山賊)が、容赦なく檄を飛ばす。
「ひぃっ! や、やります! やればいいんでしょう!」
ギルバート殿下は涙目でスコップを動かした。
かつてペンよりも重い物を持ったことのなかった彼の手は、今や豆だらけになり、皮が剥けてボロボロだ。
「……くそっ。見てろよ。いつかこの屈辱を……倍返しにしてやる……」
「ギルバート様ぁ、口動かす前に手ぇ動かしてくださいよぉ。私の分まで雪が積もってくるんですけどぉ」
「ミナ、君こそサボってるじゃないか! さっき雪だるま作ってただろう!」
二人の仲も険悪だ。
極限状態における「真実の愛」の賞味期限は、驚くほど短かったらしい。
その時。
執務室の窓から、私、ダーリが顔を出した。
手には温かいココア、肩には高そうなショール。
「あら、精が出ますわね。お二人とも」
「ダーリ!!」
殿下が恨めしそうに見上げてくる。
「貴様……! 覚えてろよ! 僕が王都に戻ったら、軍を率いてこの城を更地にしてやる!」
「あら怖い。……でも、その前にここの雪を更地にしてくださいな。夕方までに終わらなければ、晩ご飯は『雪玉スープ』ですよ」
「悪魔だ! 君は悪魔だ!」
「事務官です」
私がニッコリ笑って窓を閉めようとした、その時だった。
『――開門!! 王家勅使である!!』
城門の方から、朗々とした声が響き渡った。
見ると、王家の紋章を掲げた立派な騎馬隊が、整列しているではないか。
先頭にいるのは、金色の鎧を纏った近衛騎士団長だ。
「……!」
ギルバート殿下の顔色が、一瞬で変わった。
「き、騎士団だ! 父上の近衛騎士団だ!」
殿下はスコップを放り投げ、狂喜乱舞した。
「やった! やったぞミナ! ようやく助けが来たんだ! 父上が僕を心配して、最強の騎士団を寄越してくれたんだ!」
「本当ですかぁ!? やっと帰れるんですかぁ!?」
殿下は雪を蹴散らして、門の方へと走り出した。
「おーい! ここだ! ここだぞー! 王太子ギルバートはここにいる! 早くその不敬な門番を蹴散らして、僕を保護しろー!」
執務室の中。
私とオルグレン様は、その様子を冷ややかに見下ろしていた。
「……来たか」
オルグレン様が呟く。
「ええ。予想より少し早かったですね。国王陛下の胃が限界を迎えたのでしょう」
「……どうする? 追い返すか?」
「いえ。勅使となれば、話は別です。それに……」
私は封筒の束――ここ数日で書き溜めた、新たな『請求書』の山――をポンと叩いた。
「そろそろ、決着をつける時ですわ」
***
「冬の城」の応接間。
そこに通された近衛騎士団長は、ソワソワと落ち着かない様子だった。
なぜなら、対面に座るオルグレン閣下が、無言で強烈な圧を放っているからだ。
そしてその隣には、優雅に微笑む私がいる。
「……して、王家からの使いとは?」
オルグレン様が低い声で切り出した。
「はっ! オルグレン辺境伯閣下、ならびにアークライト公爵令嬢。……国王陛下より、勅命をお持ちしました」
団長は恭しく書状を広げた。
「第一に、ギルバート王太子殿下への命令。『直ちに王都へ帰還せよ。さもなくば、王籍を剥奪する』」
「……は?」
部屋の隅で、ボロボロの服を着たまま縮こまっていた殿下が、素っ頓狂な声を上げた。
「お、王籍剥奪? 廃嫡ってことか!? な、なんで!?」
「殿下の不在により、国政が破綻寸前だからです。……戻り次第、緊急査問会が開かれます。覚悟召されよ」
団長の冷たい視線に、殿下がガタガタと震え出した。
「助けに来た」のではなく、「連行しに来た」のだと気づいたらしい。
「第二に……」
団長は私に向き直った。
その表情が、急に柔らかく、というか縋るようなものに変わる。
「ダーリ・アークライト嬢へ。『どうか、王都へ戻ってきてほしい。君がいないと余は死ぬ(胃が)』……とのことです」
「……随分とフランクな勅命ですこと」
私は苦笑した。
「また、陛下より『これは命令ではなく、切なる願いである。もし戻ってきてくれるなら、王家の宝物庫から好きなものを進呈する』との伝言も預かっております」
破格の条件だ。
それほどまでに、王都は切羽詰まっているのだろう。
「そして第三に。……オルグレン辺境伯閣下へ」
「俺か?」
「はい。『今回の騒動の件、および今後の北方警備の件について、王都にて直接協議したい。貴殿も同行されたし』」
つまり、全員集合ということだ。
役者は揃った。
舞台は再び、王都へ。
「……どうする、ダーリ」
オルグレン様が私を見た。
その目は「行きたくない」と言っている。
人混みが嫌いだし、王都の貴族たちの陰湿な視線も嫌いなのだろう。
でも、私は頷いた。
「行きましょう、閣下」
「……本気か?」
「ええ。逃げ回るのは性に合いません。それに……」
私はチラリと、震える元婚約者を見た。
「あのバカ王子……いいえ、ギルバート殿下に、本当の意味での『引導』を渡して差し上げないと。中途半端なままでは、またここへストーカーしに来ますわよ?」
「……それは困る」
オルグレン様は即座に反応した。
「二度とこいつらがこの城に近づかないようにできるなら……行く価値はある」
「でしょう? それに、王家の宝物庫には、珍しい『古代の魔導具(便利グッズ)』が眠っているという噂ですし」
私の目に、商魂たくましい光が宿る。
「……分かった。行こう」
オルグレン様は立ち上がった。
そして、団長に向かって宣言した。
「王命、承った。……ただし! 我々の移動手段は、こちらの馬車を使わせてもらう。王家の馬車など狭くて乗れん」
「は、はい! 構いません!」
「それと、俺の『事務官』に対する無礼な振る舞いが一つでもあれば、即座に帰る。……いいな?」
オルグレン様がギロリと睨むと、団長は直立不動で敬礼した。
「もちろんです! ダーリ様は今や、国の救世主ですから!」
こうして。
私たちは王都への帰還を決めた。
ギルバート殿下とミナは、近衛騎士団の護送車(鉄格子付き)に詰め込まれ、私たちは例の「強襲用装甲馬車」で、優雅な凱旋パレード(?)へと出発することになったのである。
「……ふふ。待っていなさい、王都の皆様」
私は馬車の窓から、遠く南の空を見つめた。
「最高に面白いショーをお見せしますわ」
その笑顔は、かつて「悪役令嬢」と呼ばれた時よりも、数倍凶悪に輝いていたという。
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