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王宮の広大なバラ園。
色とりどりの花が咲き誇るその場所で、ヴィルフリート殿下は一輪の深紅のバラを手に、マリア様の手を取っていた。
昨夜の「パンと薄いスープ」の衝撃から立ち直り、彼は今日こそ「愛」の素晴らしさを証明して、リーズの論理武装を突破するつもりだったのだ。
「マリア、見てごらん。このバラの美しさは、君への私の愛そのものだ。形のない、無限の価値を持つもの……。数字なんかで測れるはずがないだろう?」
ヴィルフリート殿下はうっとりと目を細め、甘い吐息をついた。
マリア様も「素敵ですぅ、殿下!」と頬を染めて応えようとした、その時。
「そのバラの維持費は、一本あたり銀貨三枚。年間を通した庭師の給与と肥料代を考慮すると、殿下が今手に持っている一輪には、ちょうど市民一世帯の一日分の食費が詰まっていますわ」
茂みの向こうから、冷ややかな、しかし透き通るような声が響いた。
いつの間にか、リーズが手帳とペンを手に、背後に立っていた。
ヴィルフリート殿下は、まるで背中に氷を入れられたかのように跳ね上がった。
「り、リーズ! 貴様、いつからそこに……!」
「殿下がマリア様をお誘いした瞬間からです。無駄な時間を過ごされないよう、私は『愛の資産価値測定』のために同行いたしました」
リーズは表情一つ変えず、手帳にさらさらと何かを書き込んでいく。
「な、何だその『資産価値測定』というのは! 愛は心の問題だ! 金に換算するなど、不謹慎極まりない!」
「いいえ、殿下。不確定なものを不確定なままにしておくことこそ、不誠実というものです。マリア様、殿下が仰った『無限の価値』という言葉を、鵜呑みにしてはいけませんわ」
リーズはマリア様の隣に歩み寄り、諭すように言った。
「『無限』とは、往々にして『具体的に何も考えていない』ことの同義語です。本当に価値があるものなら、相応の対価を支払えるはず。さあ、殿下。マリア様への愛を、数値で証明していただきましょう」
ヴィルフリート殿下は、手に持ったバラをわなわなと震わせた。
「証明しろと言うならしてやる! 私のマリアへの愛は、一億……いや、十億ゴールド分はある!」
「ほう、十億ですか。では、その金額を今すぐマリア様の名義で信託銀行に預け入れ、彼女の将来を保証する準備はできておられますか?」
「そ、それは……王家の資産を勝手に動かすわけには……」
「つまり、口先だけの十億ということですね。減点十ポイント。現在の殿下の愛の市場価値は、実質、先ほど手に取ったバラ一本分……銀貨三枚と判定いたします」
「銀貨三枚だと!? 私の情熱が、たったそれだけだと言うのか!」
ヴィルフリート殿下は叫んだが、リーズは冷徹に言葉を続けた。
「市場とは残酷なものです。殿下、あなたがマリア様と過ごす一時間の間、あなたは王太子としての職務を放棄しています。その一時間で生み出せたはずの経済効果……つまり『機会費用』を考慮すると、殿下のデートは一回につき国庫に金貨十枚のマイナスをもたらしています」
「マ、マイナス……」
「はい。つまり、殿下の愛は、深まれば深まるほど国が貧しくなる『デフレ資産』なのです。マリア様、これでも殿下の愛を『無限の価値がある』と喜べますか?」
マリア様は、殿下の腕からそっと手を離し、深刻な顔で自分の指を折り始めた。
「ええと……殿下が私に会いに来てくれるたびに、国の道路がボロボロになったり、みんなのご飯が減ったりする、ということですかぁ?」
「その通りです。非常に筋が良いですわね、マリア様」
「そ、そんなの嫌ですぅ! 殿下、私、道路がボロボロになるのは悲しいですぅ!」
「マリア! リーズのデタラメを信じるな! 私は君を幸せにしたいだけなんだ!」
ヴィルフリート殿下が必死に弁明するが、リーズは追撃の手を緩めない。
「幸せにする、という抽象的な言葉も禁止いたします。具体的に、どのようなポートフォリオで彼女の幸福指数を維持するおつもりですか? 愛だけでは家賃は払えませんし、ドレスも新調できませんのよ?」
「くっ……。リーズ、君は……君は本当に、一度でも人を愛したことがあるのか!? 計算外の衝動で、胸が苦しくなるような経験はないのか!」
殿下が絞り出すように問うと、リーズは少しだけ沈黙した。
バラ園を抜ける風が、彼女の美しい金髪を揺らす。
「……衝動、ですか。計算式にノイズが入るような事態は、プロとして避けるべきだと考えております。ですが……」
リーズは、ヴィルフリート殿下の隈のひどい顔を、じっと見つめた。
「殿下がそこまで『数値化できない愛』を主張されるのでしたら、一つだけチャンスを差し上げましょう」
「チャンス?」
「明日、王宮で開催される夜会。そこで、私が用意した『愛の耐久テスト』をクリアしてください。もし、殿下のマリア様への想いが、私の計算による損失を上回ることを証明できれば、この『資産価値測定』の結果を修正することを検討いたします」
「……やってやろうじゃないか。見ていろ、リーズ。私の愛は、君の冷たい数式なんかでは到底測れないことを、証明してみせる!」
ヴィルフリート殿下は、マリアの手を強く握りしめ、バラ園を去っていった。
一人残されたリーズは、手帳に「目標の反応を確認。誘導に成功」と小さく書き込んだ。
しかし、彼女のペン先は、そこでわずかに止まった。
「……計算外の、衝動」
彼女は、殿下が去っていった方向を、誰にも見られないような微かな眼差しで見つめていた。
その胸の中に、どんな数式でも解けない「割り切れない数字」が一つだけ生まれていることに、彼女自身、まだ気づいていなかった。
色とりどりの花が咲き誇るその場所で、ヴィルフリート殿下は一輪の深紅のバラを手に、マリア様の手を取っていた。
昨夜の「パンと薄いスープ」の衝撃から立ち直り、彼は今日こそ「愛」の素晴らしさを証明して、リーズの論理武装を突破するつもりだったのだ。
「マリア、見てごらん。このバラの美しさは、君への私の愛そのものだ。形のない、無限の価値を持つもの……。数字なんかで測れるはずがないだろう?」
ヴィルフリート殿下はうっとりと目を細め、甘い吐息をついた。
マリア様も「素敵ですぅ、殿下!」と頬を染めて応えようとした、その時。
「そのバラの維持費は、一本あたり銀貨三枚。年間を通した庭師の給与と肥料代を考慮すると、殿下が今手に持っている一輪には、ちょうど市民一世帯の一日分の食費が詰まっていますわ」
茂みの向こうから、冷ややかな、しかし透き通るような声が響いた。
いつの間にか、リーズが手帳とペンを手に、背後に立っていた。
ヴィルフリート殿下は、まるで背中に氷を入れられたかのように跳ね上がった。
「り、リーズ! 貴様、いつからそこに……!」
「殿下がマリア様をお誘いした瞬間からです。無駄な時間を過ごされないよう、私は『愛の資産価値測定』のために同行いたしました」
リーズは表情一つ変えず、手帳にさらさらと何かを書き込んでいく。
「な、何だその『資産価値測定』というのは! 愛は心の問題だ! 金に換算するなど、不謹慎極まりない!」
「いいえ、殿下。不確定なものを不確定なままにしておくことこそ、不誠実というものです。マリア様、殿下が仰った『無限の価値』という言葉を、鵜呑みにしてはいけませんわ」
リーズはマリア様の隣に歩み寄り、諭すように言った。
「『無限』とは、往々にして『具体的に何も考えていない』ことの同義語です。本当に価値があるものなら、相応の対価を支払えるはず。さあ、殿下。マリア様への愛を、数値で証明していただきましょう」
ヴィルフリート殿下は、手に持ったバラをわなわなと震わせた。
「証明しろと言うならしてやる! 私のマリアへの愛は、一億……いや、十億ゴールド分はある!」
「ほう、十億ですか。では、その金額を今すぐマリア様の名義で信託銀行に預け入れ、彼女の将来を保証する準備はできておられますか?」
「そ、それは……王家の資産を勝手に動かすわけには……」
「つまり、口先だけの十億ということですね。減点十ポイント。現在の殿下の愛の市場価値は、実質、先ほど手に取ったバラ一本分……銀貨三枚と判定いたします」
「銀貨三枚だと!? 私の情熱が、たったそれだけだと言うのか!」
ヴィルフリート殿下は叫んだが、リーズは冷徹に言葉を続けた。
「市場とは残酷なものです。殿下、あなたがマリア様と過ごす一時間の間、あなたは王太子としての職務を放棄しています。その一時間で生み出せたはずの経済効果……つまり『機会費用』を考慮すると、殿下のデートは一回につき国庫に金貨十枚のマイナスをもたらしています」
「マ、マイナス……」
「はい。つまり、殿下の愛は、深まれば深まるほど国が貧しくなる『デフレ資産』なのです。マリア様、これでも殿下の愛を『無限の価値がある』と喜べますか?」
マリア様は、殿下の腕からそっと手を離し、深刻な顔で自分の指を折り始めた。
「ええと……殿下が私に会いに来てくれるたびに、国の道路がボロボロになったり、みんなのご飯が減ったりする、ということですかぁ?」
「その通りです。非常に筋が良いですわね、マリア様」
「そ、そんなの嫌ですぅ! 殿下、私、道路がボロボロになるのは悲しいですぅ!」
「マリア! リーズのデタラメを信じるな! 私は君を幸せにしたいだけなんだ!」
ヴィルフリート殿下が必死に弁明するが、リーズは追撃の手を緩めない。
「幸せにする、という抽象的な言葉も禁止いたします。具体的に、どのようなポートフォリオで彼女の幸福指数を維持するおつもりですか? 愛だけでは家賃は払えませんし、ドレスも新調できませんのよ?」
「くっ……。リーズ、君は……君は本当に、一度でも人を愛したことがあるのか!? 計算外の衝動で、胸が苦しくなるような経験はないのか!」
殿下が絞り出すように問うと、リーズは少しだけ沈黙した。
バラ園を抜ける風が、彼女の美しい金髪を揺らす。
「……衝動、ですか。計算式にノイズが入るような事態は、プロとして避けるべきだと考えております。ですが……」
リーズは、ヴィルフリート殿下の隈のひどい顔を、じっと見つめた。
「殿下がそこまで『数値化できない愛』を主張されるのでしたら、一つだけチャンスを差し上げましょう」
「チャンス?」
「明日、王宮で開催される夜会。そこで、私が用意した『愛の耐久テスト』をクリアしてください。もし、殿下のマリア様への想いが、私の計算による損失を上回ることを証明できれば、この『資産価値測定』の結果を修正することを検討いたします」
「……やってやろうじゃないか。見ていろ、リーズ。私の愛は、君の冷たい数式なんかでは到底測れないことを、証明してみせる!」
ヴィルフリート殿下は、マリアの手を強く握りしめ、バラ園を去っていった。
一人残されたリーズは、手帳に「目標の反応を確認。誘導に成功」と小さく書き込んだ。
しかし、彼女のペン先は、そこでわずかに止まった。
「……計算外の、衝動」
彼女は、殿下が去っていった方向を、誰にも見られないような微かな眼差しで見つめていた。
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