もう行き詰まったので、逃亡したい私〜異世界でこの中途半端な趣味を活かしてお金を稼ぎたいと思います〜

刹那玻璃

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そして神ほど運命を惑わすことを楽しむ

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 お茶を飲み一息ついた四人……バーバラは、子供たちといつの間にか昼寝を始めたので、奥から琴葉が毛布を持ってきてそっとかけておく。
 チャチャも昼寝中のため、チャチャ用のハーフケットをかけておく。

「で、えっと、うちの父がマガタ公爵で、なんでアレクサンダー王が母かってことだけど、うちの母……まぁ、歴史上名門のカズール家の美姫である祖母に瓜二つの美貌の主で、祖父は政敵に敗れて逃亡中だった時に生まれた第一子だから、男として育てたんです。母って、黙ってれば文字通り傾城傾国なんだけど……うちの父が純粋培養で育てたので……ちょっと抜けてるんだよね……例えば、ドラゴンの卵を見つけたら、『たーべーるーの~!』って、崖に投げつけようとして、止められたら落として……生まれたのがボクとか~。怪力すぎて幾らいい武器でも握りつぶしちゃうか、逆に軽いと投げつけるからって、最終的には身長より長いファルシオンを背中に背負って……ぶん回すんだよね」

 あはは……と笑うヴァーロに、青年は青ざめ、琴葉は必死に言葉を捻り出す。

「……破天荒な方……じゃないですね……えっと、豪放磊落ごうほうらいらくなかたなんですね……」
「まぁ……破天荒でもあるよね。混乱している国を人を集めて平定していくんだから。でも、なんかよくわからないけど、母って破壊活動をするけど、ものすごく病弱だったみたい。病弱だから、元気な時に全力で暴れて、疲れたら糸が切れたみたいにバタンって倒れて寝込んでる。平定まではほぼ気力のみで戦い続けて、その後バタンって倒れて、もうダメってなったらしい。だから、母は絶対安静で一時的に祖父を王位にって言ったけど、祖父は『王位は就きたくない。自分は昔の亡霊。アレクサンダーが目覚めるまでは代理をするけど、その後は自由に生きたい』って。でも、元々母の豪放磊落な性格って祖父方みたいでね……半年もしないうちに『窮屈だ!』って出ていっちゃった。それからは父がマガタ公爵しつつ王代理しつつだったよ。ボク抱っこしてさ……その上、父、毎食食事作ってた」
「食事?」
「うん、母、ボク以上の偏食で、基本、父の作ったものしか食べないから……」

 ヴァーロの父……養父は大層忙しい方のようだ。

「で、忙しいのにボクの弟のアーサーが生まれたら、子育てまで手が回らなくなって、泣く泣く母のすぐ下の妹の嫁ぎ先であるファルト男爵家に預けられたんだ。ついでにボクもマルムスティーン領でジョシュの祖父母になる叔母夫婦にビシバシ……うん、まずモフ脱出って言われた。ボクみたいに真っ白毛玉のモフだと雪の中で行方不明になるから、まずは人間の姿に変身する訓練って言われて、人間の使う術をマナーと共に叩き込まれたよ。成長後ドラゴン族に会ったら気味悪がられてね……お前は人間か? ドラゴンかって」

 知るかっつぅの。

 ボソッと言ったヴァーロはすぐにニコッと笑う。

「で、成長したアーサー見て……目つき悪~って思った。口も悪いし、性格も悪かったらしばき倒そうかと。でもちょっと口下手なだけで、いい子だったからね。仲良しだよ。多分、口の悪さは初代ファルト男爵であるキャス叔父の影響だね」
「そういえば初代ファルト男爵の名前ってなんですか? それに、どこ出身の方です?」
「通称しか伝わってませんね」

 アルファードとジョシュが問いかける。
 ファルト男爵は、通称しか残っていないらしい。

「それでいいんじゃない? キャスティール・フロウ・レイ・ファルト。一応反逆者と滅んだガラニアの第四夫人の子。母親はマルムスティーン侯爵家出身。ボクの父の同い年の従兄弟だよ。キャスティールは盗賊っていう意味を持つんだよね……」

 琴葉には理解できなかったのだが、千年来の秘密を聞かされたジョシュとアルファードは絶句するしかなかったのだった。


~*~~*~~*~~*~~*~


 ちなみに、私も間違って覚えて使っていた言葉ですので、忘れないという意味も込め記載します。

 ※破天荒……誰も成し得なかったことを初めて行うこと
 ※豪放磊落……気持ちが大きく快活で、小さなことにこだわらないこと

だそうです。
 よく、三国演義などで破天荒と書かれているのは、【誰もしたことのないことをやるんだという気概を持っている】という意味なのでしょう。
 豪放磊落は、豪放でも磊落でも同じ意味だったと思います。
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