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桜智の秘密
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【……ふふふ……コレだけは使いたくなかったというのに……】
たった70cmほどのドールだというのに、気迫というか怒りに押されじりじりと下がるアルス。
その横でボリボリと味変したポップコーンを貪り食うヴァーロ。
【そこで食うなというのに! 手伝えっての! 手を洗ってこんか~!】
「やだ~」
「おい、兄貴!」
慌てるアルスをチラッと見て、桜智は指を指す。
【そこの箱の中、アンタが知ってるかものヤツの服が入ってるわよ。琴葉の前のアタシの持ち主の服ね。それと、アタシの昔着てた服も】
「は?」
【開けてみればわかるわよ。一応不思議がってた、チャチャの正体もある程度見えるんじゃないの?】
アルスは箱に近づくと、蓋を開け、一番上に丁寧に畳まれた服を確認し絶句する。
「……えっ?」
【盗んだ物じゃないわよ。アイツが突っ込んだの。アタシにね! ついでにアイツ、倒したモンスターをそのまま突っ込むわ、汚れた服を突っ込む、ゴミも全部押し込むもんだからムカついて、全部吐き出して脱走よ! 汚いわ臭いわ、最悪だったわ!】
その言葉を聞きながらアルスは一番上のマントを手に取る。
「……生きてるのか?」
【知らないわよ。その後アタシはモンスターに取っ捕まってたしね。最近、琴葉と出会ったのよ】
「……まぁ、あの人は殺しても死なないだろ。やっぱりあの人は片づけ下手だったか……」
【当時のアタシは時間停止もないし、大きさだってそんなになかったわよ! なのにあらゆるものを押し込んでたわ。アタシはゴミ箱かっての!】
ブツブツ文句を言いつつ、横でもしゃもしゃボリボリし続けているヴァーロに何かを投げた。
【このアホドラ~!】
「オヤツ?」
【違うわ!】
避けもせず手に取ったもの……紙を丸めたものに残念そうにため息をつく。
「……なーんだ。お菓子じゃないのか~」
【……あら、いいのかしら? 確か、カラードラゴン種って平均寿命500年なんでしょ? アンタ、その倍生きてるのに、赤ん坊サイズじゃない?】
「……っ!」
飄々としたヴァーロの気配が変化した。
ギロッと桜智を睨みつける。
「何が言いたい?」
【一応言っとくけど、チャチャはアンタの探してる存在じゃないからね? 探し出して、ただただ成長したいだけなら他探しな? チャチャはやんないからね!】
「うるさいな! ただの精霊風情が!」
【こっちも返すわ! ただの甘ったれたハグレが! イキがってんじゃねぇ! 琴葉が許してるから、住まわせてやってんの忘れんな!】
啖呵をきると、腕を解き、髪をかき上げると、桜智はアルスを見上げる。
【……こっちよ、仕舞うついでに、服の着方教えてあげる】
「あ、あぁ……」
ヴァーロを気にしつつ、箱を持ち上げ、クローゼットに向かうアルス。
ヴァーロはそれを見送り、缶を持っていない手をぎゅっと握り締めるのだった。
「……兄貴怒らせて大丈夫か?」
アルスは小柄な人形を見下ろす。
【大丈夫でしょ。壊れたらもう一体あるもの。アタシ、二体の人形を使い分けてんのよ】
「そっか……器用だな……で、この服は……」
クローゼットにはハンガーが用意されていて、引っ掛けることができる。
置いていったバッグから転送したソフィア用らしい可愛らしい服をかけさせ、アルスの持って来させた箱の中の服にため息をついた。
【あーやだやだ。燃やしとけばよかったわ】
「そうなのか? 結構布も仕立てもいいものだが……」
【当たり前でしょ。最高級品よ。伸縮性のある服だけどね。一応着方は、この帯が首の後ろってこと】
「……あぁ、わかった。ソフィアの服もそんな感じか?」
【えぇ、そうね。ソフィアちゃんはワンピースに下に締め付けすぎないスパッツ……足首までのパンツを履くといいと思うわ。女の子は本来、胸を出したり肩を出すって言う、身体を冷やすような格好しない方がいいのよ。逆に柔らかい身体を生かしたふんわりした格好が一番綺麗なのよ。これはアタシの知人の受け売りね。それに外にお出かけの時は、琴葉が手伝ってくれるでしょ】
入れ終わると着替えをするというアルスを残し、戻ると、ヴァーロはベッドに座りじっとしていた。
近づき、バンッと脛を蹴り上げる。
「いったぁぁ!」
【……オラッ、行くよ! 仕事しないで食いまくるアホドラは要らないからね! 水撒き、掃除! ほらいけ!】
「……桜智って、絶対オッさんでしょ?」
【だ~ま~れ! アンタのマジックバッグ使えないようにしてやろうか!】
ドヤしつつ部屋を出ていく二人をクローゼットの奥から見守っていたアルスは、ほっとしたように微笑んだのだった。
たった70cmほどのドールだというのに、気迫というか怒りに押されじりじりと下がるアルス。
その横でボリボリと味変したポップコーンを貪り食うヴァーロ。
【そこで食うなというのに! 手伝えっての! 手を洗ってこんか~!】
「やだ~」
「おい、兄貴!」
慌てるアルスをチラッと見て、桜智は指を指す。
【そこの箱の中、アンタが知ってるかものヤツの服が入ってるわよ。琴葉の前のアタシの持ち主の服ね。それと、アタシの昔着てた服も】
「は?」
【開けてみればわかるわよ。一応不思議がってた、チャチャの正体もある程度見えるんじゃないの?】
アルスは箱に近づくと、蓋を開け、一番上に丁寧に畳まれた服を確認し絶句する。
「……えっ?」
【盗んだ物じゃないわよ。アイツが突っ込んだの。アタシにね! ついでにアイツ、倒したモンスターをそのまま突っ込むわ、汚れた服を突っ込む、ゴミも全部押し込むもんだからムカついて、全部吐き出して脱走よ! 汚いわ臭いわ、最悪だったわ!】
その言葉を聞きながらアルスは一番上のマントを手に取る。
「……生きてるのか?」
【知らないわよ。その後アタシはモンスターに取っ捕まってたしね。最近、琴葉と出会ったのよ】
「……まぁ、あの人は殺しても死なないだろ。やっぱりあの人は片づけ下手だったか……」
【当時のアタシは時間停止もないし、大きさだってそんなになかったわよ! なのにあらゆるものを押し込んでたわ。アタシはゴミ箱かっての!】
ブツブツ文句を言いつつ、横でもしゃもしゃボリボリし続けているヴァーロに何かを投げた。
【このアホドラ~!】
「オヤツ?」
【違うわ!】
避けもせず手に取ったもの……紙を丸めたものに残念そうにため息をつく。
「……なーんだ。お菓子じゃないのか~」
【……あら、いいのかしら? 確か、カラードラゴン種って平均寿命500年なんでしょ? アンタ、その倍生きてるのに、赤ん坊サイズじゃない?】
「……っ!」
飄々としたヴァーロの気配が変化した。
ギロッと桜智を睨みつける。
「何が言いたい?」
【一応言っとくけど、チャチャはアンタの探してる存在じゃないからね? 探し出して、ただただ成長したいだけなら他探しな? チャチャはやんないからね!】
「うるさいな! ただの精霊風情が!」
【こっちも返すわ! ただの甘ったれたハグレが! イキがってんじゃねぇ! 琴葉が許してるから、住まわせてやってんの忘れんな!】
啖呵をきると、腕を解き、髪をかき上げると、桜智はアルスを見上げる。
【……こっちよ、仕舞うついでに、服の着方教えてあげる】
「あ、あぁ……」
ヴァーロを気にしつつ、箱を持ち上げ、クローゼットに向かうアルス。
ヴァーロはそれを見送り、缶を持っていない手をぎゅっと握り締めるのだった。
「……兄貴怒らせて大丈夫か?」
アルスは小柄な人形を見下ろす。
【大丈夫でしょ。壊れたらもう一体あるもの。アタシ、二体の人形を使い分けてんのよ】
「そっか……器用だな……で、この服は……」
クローゼットにはハンガーが用意されていて、引っ掛けることができる。
置いていったバッグから転送したソフィア用らしい可愛らしい服をかけさせ、アルスの持って来させた箱の中の服にため息をついた。
【あーやだやだ。燃やしとけばよかったわ】
「そうなのか? 結構布も仕立てもいいものだが……」
【当たり前でしょ。最高級品よ。伸縮性のある服だけどね。一応着方は、この帯が首の後ろってこと】
「……あぁ、わかった。ソフィアの服もそんな感じか?」
【えぇ、そうね。ソフィアちゃんはワンピースに下に締め付けすぎないスパッツ……足首までのパンツを履くといいと思うわ。女の子は本来、胸を出したり肩を出すって言う、身体を冷やすような格好しない方がいいのよ。逆に柔らかい身体を生かしたふんわりした格好が一番綺麗なのよ。これはアタシの知人の受け売りね。それに外にお出かけの時は、琴葉が手伝ってくれるでしょ】
入れ終わると着替えをするというアルスを残し、戻ると、ヴァーロはベッドに座りじっとしていた。
近づき、バンッと脛を蹴り上げる。
「いったぁぁ!」
【……オラッ、行くよ! 仕事しないで食いまくるアホドラは要らないからね! 水撒き、掃除! ほらいけ!】
「……桜智って、絶対オッさんでしょ?」
【だ~ま~れ! アンタのマジックバッグ使えないようにしてやろうか!】
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