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ブリランテ……優秀な
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「そ、そんなに簡単でいいのですか?」
あれれ? 桜智と顔を見合わせる琴葉。
あんなに手続きに手間がかったり、もしくは王宮に出向けというのは何だったのか?
「えっ? あぁ。知らなかったのか? というか琴葉は俺の簡易鑑定では民間薬師で職人、技術者……さまざまな職種に才能がある。ギルドでは一芸に秀でた存在はその職種を中心にランクアップさせたり、まだ芽が出ていないとしたらそれを磨くように勧めるが、琴葉のようにいくつも才能があると、あちこちから引き抜きがかかるのを避けるために、ギルドに所属はさせるけど、固定の所属じゃなく、ブリランテ所属になるんだ」
【ブリランテって何?】
琴葉の守護精霊を自認する桜智が問いかける。
「うーん、最初言い始めたのが、俺の祖母なんだが……どこかの言葉で優秀なとか、優れているとかいう意味だった……らしい」
【一応アタシもこの姿になる前に聞いたことあるわね。意味はその通りよ。発音は違うけど】
桜智も頷く。
「で、このブリランテは、才能が固定化されないように、【生きとし生きるものには未来があり、木々や草花には伸びゆく芽がある。決して他者が摘み取ることなかれ】というギルドの創始者の言葉からできたらしい。例えば俺は医薬師だけど、他に鑑定師、一応ある程度の剣術と術……よく魔法って呼ばれるものだ、そういうのも中等程度こなせる。兄貴は剣士としてこの見た目だがトップランク。それと術も高ランクだし、他に通訳としていくつもの言語を操る。俺の家族は自分のやりたいこととかは否定しないしやらせてくれてる。で、ギルドでも、そうしようとしている。ブリランテという部門があるのは公じゃないが、琴葉ならすぐギルドに入れるし、すぐにでも俺を通して登録して、そのまま品を売るなりした方がいいと思う。バッグも見せてもらったが素晴らしいし、欲しがるものも多いはずだ」
【でも、聞くけど、このバカドラとか前に会った王子様はそんなこと言ってなかったわよ? 王宮で手続きしろとか……】
桜智は、琴葉が作った桜智とチャチャ用の特別おやき……薄いせんべい風のものを手にしながら聞く。
「王宮? 戸籍もきちんとするんだろう。その髪と瞳は珍しいし、ジョシュのマルムスティーン家か、カズール家の遠縁とかにして、どっかの馬鹿どもの手出しできないようにさせたかったのかもしれないな。でも、兄貴のお気に入りだから諦めたんだろ」
【バカドラのお気に入りって、『愛し子』ってこと?】
「違うぞ。琴葉は今のところ『ヴァーロ餌付け中』って書いてるな」
アルスは鑑定スキルありだが、特別な石を持っていたら細かいところまで見られるのだという。
今は手にしていないので簡易鑑定で見えたものを答えている。
【えっ、餌付け?】
「あぁ、『チャチャの母親』もある。兄貴……あんまり食いすぎるなよ? もし成長して飛べるようになった時に、デブって飛べなくなるぞ?」
「うるさいなぁ。いいんだよ。ボクは」
「成長期はきっと来るから……」
「うるさいっ!」
アルスはチラッとヴァーロ……不貞腐れて、今度はまた新しく野菜チップスのお芋のみを入れてもらった缶を抱えて貪り食い始めたのを呆れたように見る。
「それとブリランテのことは、アルファードは知らないだろ。ギルドと国は表裏一体だ。そして……兄貴がアルファードに言わなかったのは……からだな。自分の方に引き寄せて迷惑かけられないと思ったからだろ。表面上の付き合いしかしたがらないし、あんまりそばに寄らないよ。まぁ、気になって近づいたら、称号『愛し子』を与えてしまったりとかしたからだけど。ちなみに最近の皇女は本人は覚えてないけど、わざとじゃないにしろ、妹に階段の上から押されてたのを偶然見つけて、庇って助けただけで称号付きになったからな」
「……」
プイッとそっぽを向いたヴァーロを見て、琴葉はぽんっと手を打ち合わせる。
「あぁ! ヴァーロくん、優しいからですね! だって、もふもふの時も全力でぶつかって来ないですし、それに、私が作ったもの苦手なのにって言いつつ全部食べてくれるし、手伝ってくれるし、チャチャと遊ぶし……それに自分が近づいて何かあったらと思っちゃうから本当は寂しいけど距離をとったんですね。バーバラさまも大好きだって言ってましたよ。成長していくごとに少しずつ家族が会いに来なくなったけど、ヴァーロくんとジョシュさまが会いに来てくれて、遊んでくれて、可愛がってくれたから今思えば幸せだって」
「……」
「いいじゃないですか。ヴァーロくんに気に入られたってことは、この世界で一番強くて優しい存在に認められたってことでしょう? バーバラさまが一番可愛いってことですよ! ある意味最強ですね!」
【……アンタねぇ……だんだん言葉がめちゃくちゃよ?】
呆れたように突っ込む桜智に、えへへと首をすくめる。
「えっ? そうですか? でも、ヴァーロくん可愛いし優しいし、面白いし、楽しいし、ヴァーロくんの愛し子なんていいじゃないですか。幸運ですよ。仲良くできるなんて! しょっちゅう、モフモフできます!」
【モフモフから離れなさいよ! このモフラーめ!】
説教されている琴葉を見つつ、鑑定で、琴葉に新しい称号がついたのを愕然としていたアルスだった。
あれれ? 桜智と顔を見合わせる琴葉。
あんなに手続きに手間がかったり、もしくは王宮に出向けというのは何だったのか?
「えっ? あぁ。知らなかったのか? というか琴葉は俺の簡易鑑定では民間薬師で職人、技術者……さまざまな職種に才能がある。ギルドでは一芸に秀でた存在はその職種を中心にランクアップさせたり、まだ芽が出ていないとしたらそれを磨くように勧めるが、琴葉のようにいくつも才能があると、あちこちから引き抜きがかかるのを避けるために、ギルドに所属はさせるけど、固定の所属じゃなく、ブリランテ所属になるんだ」
【ブリランテって何?】
琴葉の守護精霊を自認する桜智が問いかける。
「うーん、最初言い始めたのが、俺の祖母なんだが……どこかの言葉で優秀なとか、優れているとかいう意味だった……らしい」
【一応アタシもこの姿になる前に聞いたことあるわね。意味はその通りよ。発音は違うけど】
桜智も頷く。
「で、このブリランテは、才能が固定化されないように、【生きとし生きるものには未来があり、木々や草花には伸びゆく芽がある。決して他者が摘み取ることなかれ】というギルドの創始者の言葉からできたらしい。例えば俺は医薬師だけど、他に鑑定師、一応ある程度の剣術と術……よく魔法って呼ばれるものだ、そういうのも中等程度こなせる。兄貴は剣士としてこの見た目だがトップランク。それと術も高ランクだし、他に通訳としていくつもの言語を操る。俺の家族は自分のやりたいこととかは否定しないしやらせてくれてる。で、ギルドでも、そうしようとしている。ブリランテという部門があるのは公じゃないが、琴葉ならすぐギルドに入れるし、すぐにでも俺を通して登録して、そのまま品を売るなりした方がいいと思う。バッグも見せてもらったが素晴らしいし、欲しがるものも多いはずだ」
【でも、聞くけど、このバカドラとか前に会った王子様はそんなこと言ってなかったわよ? 王宮で手続きしろとか……】
桜智は、琴葉が作った桜智とチャチャ用の特別おやき……薄いせんべい風のものを手にしながら聞く。
「王宮? 戸籍もきちんとするんだろう。その髪と瞳は珍しいし、ジョシュのマルムスティーン家か、カズール家の遠縁とかにして、どっかの馬鹿どもの手出しできないようにさせたかったのかもしれないな。でも、兄貴のお気に入りだから諦めたんだろ」
【バカドラのお気に入りって、『愛し子』ってこと?】
「違うぞ。琴葉は今のところ『ヴァーロ餌付け中』って書いてるな」
アルスは鑑定スキルありだが、特別な石を持っていたら細かいところまで見られるのだという。
今は手にしていないので簡易鑑定で見えたものを答えている。
【えっ、餌付け?】
「あぁ、『チャチャの母親』もある。兄貴……あんまり食いすぎるなよ? もし成長して飛べるようになった時に、デブって飛べなくなるぞ?」
「うるさいなぁ。いいんだよ。ボクは」
「成長期はきっと来るから……」
「うるさいっ!」
アルスはチラッとヴァーロ……不貞腐れて、今度はまた新しく野菜チップスのお芋のみを入れてもらった缶を抱えて貪り食い始めたのを呆れたように見る。
「それとブリランテのことは、アルファードは知らないだろ。ギルドと国は表裏一体だ。そして……兄貴がアルファードに言わなかったのは……からだな。自分の方に引き寄せて迷惑かけられないと思ったからだろ。表面上の付き合いしかしたがらないし、あんまりそばに寄らないよ。まぁ、気になって近づいたら、称号『愛し子』を与えてしまったりとかしたからだけど。ちなみに最近の皇女は本人は覚えてないけど、わざとじゃないにしろ、妹に階段の上から押されてたのを偶然見つけて、庇って助けただけで称号付きになったからな」
「……」
プイッとそっぽを向いたヴァーロを見て、琴葉はぽんっと手を打ち合わせる。
「あぁ! ヴァーロくん、優しいからですね! だって、もふもふの時も全力でぶつかって来ないですし、それに、私が作ったもの苦手なのにって言いつつ全部食べてくれるし、手伝ってくれるし、チャチャと遊ぶし……それに自分が近づいて何かあったらと思っちゃうから本当は寂しいけど距離をとったんですね。バーバラさまも大好きだって言ってましたよ。成長していくごとに少しずつ家族が会いに来なくなったけど、ヴァーロくんとジョシュさまが会いに来てくれて、遊んでくれて、可愛がってくれたから今思えば幸せだって」
「……」
「いいじゃないですか。ヴァーロくんに気に入られたってことは、この世界で一番強くて優しい存在に認められたってことでしょう? バーバラさまが一番可愛いってことですよ! ある意味最強ですね!」
【……アンタねぇ……だんだん言葉がめちゃくちゃよ?】
呆れたように突っ込む桜智に、えへへと首をすくめる。
「えっ? そうですか? でも、ヴァーロくん可愛いし優しいし、面白いし、楽しいし、ヴァーロくんの愛し子なんていいじゃないですか。幸運ですよ。仲良くできるなんて! しょっちゅう、モフモフできます!」
【モフモフから離れなさいよ! このモフラーめ!】
説教されている琴葉を見つつ、鑑定で、琴葉に新しい称号がついたのを愕然としていたアルスだった。
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