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犬猿の仲
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琴葉たちが安全な空間に入ったことを感じ取ったヴァーロは、地下のドアを力任せに蹴った。
呆気なくドアは吹っ飛ぶが、蝶番がダメになったくらいで、ドア自体はほぼ無事……ちなみに入り口のドアもヴァーロや他数人が何かあった時に破壊するので、古いまま使用中である。
「おいおい……私がいるってわかってるくせに、いる方向に向かって蹴破ろうだなんて、ひどい孫もいるもんだね」
「ちっ! まだ死なねえか! クソジジイ!」
「あはは! まだまだ死なないとも。ヴァーロがしっかり成長して空飛ぶまでは死ねないねぇ……」
奥から姿を見せたのは、アルスに瓜二つ……ただ身長が少し低く線が細い印象で、片眼鏡をかけている。
そして長い髪は色が抜け落ちた銀……。
細工師フェルディ・ストラ・フェルプス……装飾から実務的なナイフ、剣も生み出す。
最近は一度ヴァーロが持ってきたカラクリの設計図などが載っている本を見て、カラクリ時計を作ろうと意欲を見せているらしい。
そして鑑定スキルの上級を持っている、ブリランテのメンバーの一人である。
「で、ジジイ。希望のブツ持ってきてやったぞ! 感謝しやがれ!」
「ガラが悪いね……誰に似たの? 父親は可愛いし、母親もバカ可愛いのに」
「あんたにだけは似てないとも!」
ガウガウ噛み付く。
ヴァーロは、このひねくれていて外面のみがいい祖父が苦手で鬱陶しくてたまらないのだ。
なるべく会わないようにしているのに、ヴァーロを指名して高難度の依頼をこなさせるわ、滅多に手に入れられない今回のような採集依頼をさせるわで、逃げ回っているのである。
「でも、依頼の品は子守竜の羽毛とドラゴンの卵殻と抜けた牙だよ? 子守竜の羽毛は兎も角、他の二つは滅多に手に入れられないはずだけど? ……ドラゴンを怒らせたりしてないよね?」
「してないよ! 羽毛は前に金の森で許可を得て手に入れたし、牙と卵殻は許可をもらって譲ってもらったよ。ほら」
琴葉からもらった袋を室内で無事なテーブルに広げ、そしてウェストポーチから羽毛を取り出す。
「はい。これで依頼終了!」
「見せて……」
近づき一つ一つ確認する。
そして……
「……これは乳歯だね……抜けたのか。それならいい。攻撃して折れたものは使えないからね。そしてこの卵殻……珍しいね……うーん……羽毛は全部で100ルード、卵殻と牙はそれぞれ5000……出すよ」
フェルディは、身につけているマジックバッグから紙を出すと、一緒に出したペンで金額を書き込む。
「へっ? 羽毛、それくらいしかならないの?」
「頼めば貰えるからね。それより卵殻と牙は貴重だから、それぞれこの値段。量が少なかったり傷があるものだと価格は落ちるけど、質も量も最高級! 毎度あり!」
「うわわわ……後でチャチャと琴葉に、全額振り込まないと!」
「チャチャ?」
「うん。今一緒に住んでる家のベビードラゴン。上にいるよ。見つけて今育ててる琴葉も一緒。琴葉はギルドに登録してて、ブリランテ所属しないかってアルスに勧誘受けてる」
フェルディはおやっと言いたげに、ヴァーロを見るものの、テーブルの上の紙を大事そうに手にして、ソワソワするヴァーロは、全く気がついていない。
「あ、じゃぁ、ボクは琴葉とチャチャのところに戻る! ジジイは師匠に殺されろ!」
「失礼な。そんな冷たい子に育てたつもりはないけどね」
「ジジイに育てられた記憶もないよ!」
「あぁ、そういえば、リーダーに私も呼ばれているんだった」
「来んな!」
全力で拒否するものの、ついてくる祖父に渋い顔のヴァーロだった。
呆気なくドアは吹っ飛ぶが、蝶番がダメになったくらいで、ドア自体はほぼ無事……ちなみに入り口のドアもヴァーロや他数人が何かあった時に破壊するので、古いまま使用中である。
「おいおい……私がいるってわかってるくせに、いる方向に向かって蹴破ろうだなんて、ひどい孫もいるもんだね」
「ちっ! まだ死なねえか! クソジジイ!」
「あはは! まだまだ死なないとも。ヴァーロがしっかり成長して空飛ぶまでは死ねないねぇ……」
奥から姿を見せたのは、アルスに瓜二つ……ただ身長が少し低く線が細い印象で、片眼鏡をかけている。
そして長い髪は色が抜け落ちた銀……。
細工師フェルディ・ストラ・フェルプス……装飾から実務的なナイフ、剣も生み出す。
最近は一度ヴァーロが持ってきたカラクリの設計図などが載っている本を見て、カラクリ時計を作ろうと意欲を見せているらしい。
そして鑑定スキルの上級を持っている、ブリランテのメンバーの一人である。
「で、ジジイ。希望のブツ持ってきてやったぞ! 感謝しやがれ!」
「ガラが悪いね……誰に似たの? 父親は可愛いし、母親もバカ可愛いのに」
「あんたにだけは似てないとも!」
ガウガウ噛み付く。
ヴァーロは、このひねくれていて外面のみがいい祖父が苦手で鬱陶しくてたまらないのだ。
なるべく会わないようにしているのに、ヴァーロを指名して高難度の依頼をこなさせるわ、滅多に手に入れられない今回のような採集依頼をさせるわで、逃げ回っているのである。
「でも、依頼の品は子守竜の羽毛とドラゴンの卵殻と抜けた牙だよ? 子守竜の羽毛は兎も角、他の二つは滅多に手に入れられないはずだけど? ……ドラゴンを怒らせたりしてないよね?」
「してないよ! 羽毛は前に金の森で許可を得て手に入れたし、牙と卵殻は許可をもらって譲ってもらったよ。ほら」
琴葉からもらった袋を室内で無事なテーブルに広げ、そしてウェストポーチから羽毛を取り出す。
「はい。これで依頼終了!」
「見せて……」
近づき一つ一つ確認する。
そして……
「……これは乳歯だね……抜けたのか。それならいい。攻撃して折れたものは使えないからね。そしてこの卵殻……珍しいね……うーん……羽毛は全部で100ルード、卵殻と牙はそれぞれ5000……出すよ」
フェルディは、身につけているマジックバッグから紙を出すと、一緒に出したペンで金額を書き込む。
「へっ? 羽毛、それくらいしかならないの?」
「頼めば貰えるからね。それより卵殻と牙は貴重だから、それぞれこの値段。量が少なかったり傷があるものだと価格は落ちるけど、質も量も最高級! 毎度あり!」
「うわわわ……後でチャチャと琴葉に、全額振り込まないと!」
「チャチャ?」
「うん。今一緒に住んでる家のベビードラゴン。上にいるよ。見つけて今育ててる琴葉も一緒。琴葉はギルドに登録してて、ブリランテ所属しないかってアルスに勧誘受けてる」
フェルディはおやっと言いたげに、ヴァーロを見るものの、テーブルの上の紙を大事そうに手にして、ソワソワするヴァーロは、全く気がついていない。
「あ、じゃぁ、ボクは琴葉とチャチャのところに戻る! ジジイは師匠に殺されろ!」
「失礼な。そんな冷たい子に育てたつもりはないけどね」
「ジジイに育てられた記憶もないよ!」
「あぁ、そういえば、リーダーに私も呼ばれているんだった」
「来んな!」
全力で拒否するものの、ついてくる祖父に渋い顔のヴァーロだった。
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