68 / 102
ラハシアの部屋
しおりを挟む
「ラハシアさんのお部屋はこっちです。私たちの部屋はみんな一階なのです」
「……えっ? 地下にもお部屋があるとか言っていましたよね?」
「地下は3分の2が書庫で、残りは倉庫なんです。そして二階は半分がお店で、半分はアルスさんの研究室と自由空間ですね。まだ空き部屋も多いのです。で、ラハシアさんの部屋はここになります」
アルスとソフィアはもう少し読書をするといっていたので別れ、ヴァーロがチャチャを抱き上げ、ついてきている。
ラハシアは妹を抱いているが、本当によくはしゃぎ遊び、食べたのでしばらく起きる様子はない。
琴葉が扉を開けると、少し淡いクリーム色の壁紙に導かれるように入ると唖然とした。
広い部屋である。
寮の部屋が二つは十分入る部屋の中には、大きめのベッドがあり、その奥の窓際にはソファとテーブル。
そしてクローゼットと小さい本棚、入り口横には絨毯が敷かれ、低いテーブルとクッションがある。
「あ、あの……これは?」
「フィーアちゃんの遊び場です。一応二階の自由空間でも誰かがいれば遊べるとは思うのですが、もしかしたらラハシアさんも気にしていたらと思ったので……実は私、小さい時、一度親戚の家に預けられていて、そこで居心地が悪くて……引きこもっていたんです。後でものすごく怒られちゃったんですけどね。子供がわがまま言わんでどうするって。でもその時は来ちゃってごめんなさいとか思ってて……」
首をすくめたものの、琴葉は、
「なので、気軽に声かけてくださいね。このお部屋はラハシアさんとフィーアちゃんの部屋です。自由に過ごしてください。そして、あのクローゼットは低い位置に吊るされているのはフィーアちゃんの服で、上がラハシアさんの服、靴は下です。タオルなども入れています。少しゆっくりしてくださいね。後で浴室などを案内します」
「あのっ! こんなにいいお部屋ですが、家賃とかは……」
「いりませんよ。その代わりと言ってはですが、お店のお手伝いをお願いするのと、交代で洗濯と掃除をお願いします」
「ですが……」
「お金は少しでも残しておいて、ラハシアさんとフィーアちゃんの将来のために貯金しましょう! それがいいと思いますよ」
ニコニコ笑う。
「あ、今は大きなベッド一つにしていますが、もし、別々がいいようでしたら、もう一つ用意できますから、気軽におっしゃってくださいね。それと服ですが、サイズが合わないとかは言ってくださいね。特に靴は靴擦れとか水ぶくれとかありますから」
「……ありがとうございます! 嬉しいです」
「よかったです。あ、パジャマや下着はこちらですよ。そして部屋ばきと言って、居住空間用のスリッパもあります。このブーツは外出用で、お店ではこの軽い靴を使ってくださいね」
あれこれと世話好きの血が溢れたのか色々と準備していたらしく、出し終えると、
「あ、私がいると落ち着かないかもです。2時間ほどしたら様子を見に来ますね」
と言って出て行ったのだった。
ラハシアは、妹をベッドに寝かせると、頭を抱えた。
「あぁぁ! 琴葉さんは本当にズレていらっしゃる! こんなにいいお部屋をいただいて、食事やおやつはどこの貴族だっていうくらい高価なもので……服も質が良くて、お風呂にも入れて……こんな生活続けたら、フィーアはちゃんと育つのだろうか……」
「まぁ、そう思ってる君がいるなら大丈夫じゃない? アルスもちょっと心配してたけど、なんならボクの知り合いの貴族の家のメイドに紹介できるだろうしって。それに、まだちっちゃいんだし遊ばせたら?」
「ひえぇぇ! ヴァーロさま!」
ギルドのトップランクの貢献者……ちなみに高ランクの採集依頼や、要人警備、そして暴れるドラゴンを一撃でダウンさせ屈服させる技量で、ダントツの収入を誇っている。
最初はどんなガタイの強面かと思いきや10歳未満の少年の姿のヴァーロが次々に依頼を成し遂げるたびに尊敬と敬意、畏怖もあったのだが……。
今日のヴァーロは琴葉にべったりで、後をついて周り、我儘を言いつつフィーアとおやつ頂戴合戦……。
「まぁ、ラハシアは琴葉と仲良くね。まぁ、料理を一緒にしたり、本を読んだりしてごらんよ。将来に役に立つかもよ」
じゃぁ、ボクは読書タイム!
と言いながらチャチャを抱いて部屋を出て行ったのだった。
「……えっ? 地下にもお部屋があるとか言っていましたよね?」
「地下は3分の2が書庫で、残りは倉庫なんです。そして二階は半分がお店で、半分はアルスさんの研究室と自由空間ですね。まだ空き部屋も多いのです。で、ラハシアさんの部屋はここになります」
アルスとソフィアはもう少し読書をするといっていたので別れ、ヴァーロがチャチャを抱き上げ、ついてきている。
ラハシアは妹を抱いているが、本当によくはしゃぎ遊び、食べたのでしばらく起きる様子はない。
琴葉が扉を開けると、少し淡いクリーム色の壁紙に導かれるように入ると唖然とした。
広い部屋である。
寮の部屋が二つは十分入る部屋の中には、大きめのベッドがあり、その奥の窓際にはソファとテーブル。
そしてクローゼットと小さい本棚、入り口横には絨毯が敷かれ、低いテーブルとクッションがある。
「あ、あの……これは?」
「フィーアちゃんの遊び場です。一応二階の自由空間でも誰かがいれば遊べるとは思うのですが、もしかしたらラハシアさんも気にしていたらと思ったので……実は私、小さい時、一度親戚の家に預けられていて、そこで居心地が悪くて……引きこもっていたんです。後でものすごく怒られちゃったんですけどね。子供がわがまま言わんでどうするって。でもその時は来ちゃってごめんなさいとか思ってて……」
首をすくめたものの、琴葉は、
「なので、気軽に声かけてくださいね。このお部屋はラハシアさんとフィーアちゃんの部屋です。自由に過ごしてください。そして、あのクローゼットは低い位置に吊るされているのはフィーアちゃんの服で、上がラハシアさんの服、靴は下です。タオルなども入れています。少しゆっくりしてくださいね。後で浴室などを案内します」
「あのっ! こんなにいいお部屋ですが、家賃とかは……」
「いりませんよ。その代わりと言ってはですが、お店のお手伝いをお願いするのと、交代で洗濯と掃除をお願いします」
「ですが……」
「お金は少しでも残しておいて、ラハシアさんとフィーアちゃんの将来のために貯金しましょう! それがいいと思いますよ」
ニコニコ笑う。
「あ、今は大きなベッド一つにしていますが、もし、別々がいいようでしたら、もう一つ用意できますから、気軽におっしゃってくださいね。それと服ですが、サイズが合わないとかは言ってくださいね。特に靴は靴擦れとか水ぶくれとかありますから」
「……ありがとうございます! 嬉しいです」
「よかったです。あ、パジャマや下着はこちらですよ。そして部屋ばきと言って、居住空間用のスリッパもあります。このブーツは外出用で、お店ではこの軽い靴を使ってくださいね」
あれこれと世話好きの血が溢れたのか色々と準備していたらしく、出し終えると、
「あ、私がいると落ち着かないかもです。2時間ほどしたら様子を見に来ますね」
と言って出て行ったのだった。
ラハシアは、妹をベッドに寝かせると、頭を抱えた。
「あぁぁ! 琴葉さんは本当にズレていらっしゃる! こんなにいいお部屋をいただいて、食事やおやつはどこの貴族だっていうくらい高価なもので……服も質が良くて、お風呂にも入れて……こんな生活続けたら、フィーアはちゃんと育つのだろうか……」
「まぁ、そう思ってる君がいるなら大丈夫じゃない? アルスもちょっと心配してたけど、なんならボクの知り合いの貴族の家のメイドに紹介できるだろうしって。それに、まだちっちゃいんだし遊ばせたら?」
「ひえぇぇ! ヴァーロさま!」
ギルドのトップランクの貢献者……ちなみに高ランクの採集依頼や、要人警備、そして暴れるドラゴンを一撃でダウンさせ屈服させる技量で、ダントツの収入を誇っている。
最初はどんなガタイの強面かと思いきや10歳未満の少年の姿のヴァーロが次々に依頼を成し遂げるたびに尊敬と敬意、畏怖もあったのだが……。
今日のヴァーロは琴葉にべったりで、後をついて周り、我儘を言いつつフィーアとおやつ頂戴合戦……。
「まぁ、ラハシアは琴葉と仲良くね。まぁ、料理を一緒にしたり、本を読んだりしてごらんよ。将来に役に立つかもよ」
じゃぁ、ボクは読書タイム!
と言いながらチャチャを抱いて部屋を出て行ったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ゆう
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
【完結】平凡な魔法使いですが、国一番の騎士に溺愛されています
空月
ファンタジー
この世界には『善い魔法使い』と『悪い魔法使い』がいる。
『悪い魔法使い』の根絶を掲げるシュターメイア王国の魔法使いフィオラ・クローチェは、ある日魔法の暴発で幼少時の姿になってしまう。こんな姿では仕事もできない――というわけで有給休暇を得たフィオラだったが、一番の友人を自称するルカ=セト騎士団長に、何故かなにくれとなく世話をされることに。
「……おまえがこんなに子ども好きだとは思わなかった」
「いや、俺は子どもが好きなんじゃないよ。君が好きだから、子どもの君もかわいく思うし好きなだけだ」
そんなことを大真面目に言う国一番の騎士に溺愛される、平々凡々な魔法使いのフィオラが、元の姿に戻るまでと、それから。
◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)
神スキル【絶対育成】で追放令嬢を餌付けしたら国ができた
黒崎隼人
ファンタジー
過労死した植物研究者が転生したのは、貧しい開拓村の少年アランだった。彼に与えられたのは、あらゆる植物を意のままに操る神スキル【絶対育成】だった。
そんな彼の元に、ある日、王都から追放されてきた「悪役令嬢」セラフィーナがやってくる。
「私があなたの知識となり、盾となりましょう。その代わり、この村を豊かにする力を貸してください」
前世の知識とチートスキルを持つ少年と、気高く理知的な元公爵令嬢。
二人が手を取り合った時、飢えた辺境の村は、やがて世界が羨む豊かで平和な楽園へと姿を変えていく。
辺境から始まる、農業革命ファンタジー&国家創成譚が、ここに開幕する。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる