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DEAREST(ディアレスト)
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「あっ……そうだ!」
ヴァーロは自分のマジックバッグを探ると、
「そうだ。コトハ。これあげる」
「えっ? 食料ですか?」
「ううん。えっとね、ブレスレットだよ」
無造作に渡され、琴葉は受け取る。
繊細な銀……いやプラチナのような地金に7個の石が付いている。
小さなプチネックレスの宝石のような形に綺麗に削られており、地金はアンティークジュエリーのように繊細で美しい柄で蔓と葉のような紋様で、宝石が実のように見える。
「えっと……これは……」
「この間じいさまが作ってたの。えっとね? 確か、透明な方から、ダイアモンド、エメラルド、アメシスト、ルビー、エメラルド、サファイア、ターコイズだって。いいだろう! この間ここに来て想像力が湧いたんだ! ここ最近で一番の満足する作品だよ! ってボクに自慢しててね? ふふふ……前にあのじいさまってば、ボクに依頼しといてお金が足りなくて、ツケが貯まってたからその分を返してもらったの! まぁ、小さい石の寄せ集めだけど可愛いと思うんだ。普段使いにいいと思うよ」
琴葉に似合うよ、可愛いよね!
と言い切ったヴァーロに、琴葉の横でそのブレスレットを見ていた桜智が慌てて叫んだ。
【オイコラァ! 何でそんなもん琴葉に渡すのよ! 毛玉! アンタは!】
「ん? だから、ボクが頼んだんじゃないよ? でも、『いいもの作った~けど、前にボクから失敬した宝石使っちゃったんだよ~』っていうもんだから使用料払え! って言ったら、『ない!』って言われて、『ちょっとくらい待ってくれない? なんならこれ……現物で返すから。一応地金はプラチナだよ』って言われて、受け取ったらやっぱりすっごく綺麗だったから、コトハにプレゼントしようって!」
へらり
ちょっといつになく緩い……何だか酒にでも酔っぱらった感じのヴァーロは、
「可愛いと思うんだ! 石も大きすぎないし全体的にほっそりしてて、琴葉の台所での作業なんかにも邪魔じゃないと思って!」
と同じような台詞を繰り返す。
ヴァーロの酔っ払うような……例えば猫だとまたたびのような物を入れたつもりはないがと、ソフィアとアルスはコソコソと話しながら確認しているもののこの会話を遮らないようにしている。
【おバカァ~! その石の順番って、DEARESTっていう意味じゃないの! 安易に贈るんじゃない! 琴葉も受け取らない!】
「なんで? いいじゃん!」
折角の気持ちだと贈ったのにダメと言われ、ちょっと不貞腐れたヴァーロに、桜智は噛み付くようにいう。
【何言ってんのよ! DEARESTっていうのは、この順番の宝石の頭文字Diamond、Emerald、amethyst、Ruby、エメラルド、Sapphire、Turquoiseを揃えて繋いだもので、そのつづりになるの。恋人にプレゼントする指輪やブレスレットにはめ込んでプレゼントするのが流行したんだってアタシか琴葉の本にあったんだと思う。その意味は親愛の最上級で、最愛、愛しい人っていう意味なのよ!】
「……えっ?」
キョトンとするヴァーロ。
「DEAREST?」
【そうよ。REGARDも同じようなものよ。REGARDはR・E・A・R・DはDEARESTと一緒で、GをGarnetだったりするのよ。こっちは敬愛と愛情を意味してるの。アルファベットが同じなら変更も可能だから、例えばTはトパーズとかトルマリンにもできるし、Rはローズクォーツとか、Aはアクアマリンとかにもできるわね。その人の好みってこと。でも……そんな意味を持つブレスレットをバカドラは安易に琴葉に渡さない! 琴葉も受け取らないのよ! この宝石って、安価なクズ石どころじゃ無いわ。プラチナ台でダイヤモンドもサファイアも最高級のものだと思う。そうなると滅茶苦茶高価なんだからね!】
「……えっと、お返しします……」
気恥ずかしいだけではなく、安価なプラスチックやガラスの偽物ではなく、本物の宝石は自分には貰えないだろう……ヴァーロの大事な人が現れたら、その人に渡すべきである。
恐る恐る差し出すと、ヴァーロは首を振る。
「いいよ! あげる! 似合うと思ったもん。コトハがもらってくれなきゃ」
「で、でも……えっと、ハンバーグもう一枚?」
「それもほしいなぁ……」
【家賃割引は却下!】
「えぇぇ! ズルい! というか、そんなガメツイと思われてんのボク!」
ひどいよ~!
ぷんぷんと怒るヴァーロの前で、いつのまにかフィーアは船を漕ぎ始めていた。
フィーアはベイクドチーズケーキに行き着く前、先に食べ始めたパウンドケーキを半分も食べきれなかったらしい。
「あらあら。フィーアちゃんはベイクドチーズケーキは明日食べるといいわね」
フォークをそっと離しながらアルスはソフィアの言葉に微笑み、
「そうだな。子供は遊ぶのと寝るのが仕事。今日はいっぱい頑張ったな」
よしよしと頭を撫でると、椅子から抱き上げふかふかのクッションに移動し、膝掛けでフィーアが冷えないようにしながら読みかけの本を引き寄せ読み始める。
「ラハシアとソフィアはお風呂に入るといい。ここでフィーアを見ておくから」
「はい。ラハシアちゃん行きましょうか。ご馳走様です。後で洗うので置いておいてね?」
「大丈夫ですよ。私がしておきます。明日のスープの準備もあるので。いってらっしゃい」
二人を見送り、そして、
「えっとヴァーロくん、ソファの方でチャチャをお願いするね?」
と頼んだ琴葉だった。
ヴァーロは自分のマジックバッグを探ると、
「そうだ。コトハ。これあげる」
「えっ? 食料ですか?」
「ううん。えっとね、ブレスレットだよ」
無造作に渡され、琴葉は受け取る。
繊細な銀……いやプラチナのような地金に7個の石が付いている。
小さなプチネックレスの宝石のような形に綺麗に削られており、地金はアンティークジュエリーのように繊細で美しい柄で蔓と葉のような紋様で、宝石が実のように見える。
「えっと……これは……」
「この間じいさまが作ってたの。えっとね? 確か、透明な方から、ダイアモンド、エメラルド、アメシスト、ルビー、エメラルド、サファイア、ターコイズだって。いいだろう! この間ここに来て想像力が湧いたんだ! ここ最近で一番の満足する作品だよ! ってボクに自慢しててね? ふふふ……前にあのじいさまってば、ボクに依頼しといてお金が足りなくて、ツケが貯まってたからその分を返してもらったの! まぁ、小さい石の寄せ集めだけど可愛いと思うんだ。普段使いにいいと思うよ」
琴葉に似合うよ、可愛いよね!
と言い切ったヴァーロに、琴葉の横でそのブレスレットを見ていた桜智が慌てて叫んだ。
【オイコラァ! 何でそんなもん琴葉に渡すのよ! 毛玉! アンタは!】
「ん? だから、ボクが頼んだんじゃないよ? でも、『いいもの作った~けど、前にボクから失敬した宝石使っちゃったんだよ~』っていうもんだから使用料払え! って言ったら、『ない!』って言われて、『ちょっとくらい待ってくれない? なんならこれ……現物で返すから。一応地金はプラチナだよ』って言われて、受け取ったらやっぱりすっごく綺麗だったから、コトハにプレゼントしようって!」
へらり
ちょっといつになく緩い……何だか酒にでも酔っぱらった感じのヴァーロは、
「可愛いと思うんだ! 石も大きすぎないし全体的にほっそりしてて、琴葉の台所での作業なんかにも邪魔じゃないと思って!」
と同じような台詞を繰り返す。
ヴァーロの酔っ払うような……例えば猫だとまたたびのような物を入れたつもりはないがと、ソフィアとアルスはコソコソと話しながら確認しているもののこの会話を遮らないようにしている。
【おバカァ~! その石の順番って、DEARESTっていう意味じゃないの! 安易に贈るんじゃない! 琴葉も受け取らない!】
「なんで? いいじゃん!」
折角の気持ちだと贈ったのにダメと言われ、ちょっと不貞腐れたヴァーロに、桜智は噛み付くようにいう。
【何言ってんのよ! DEARESTっていうのは、この順番の宝石の頭文字Diamond、Emerald、amethyst、Ruby、エメラルド、Sapphire、Turquoiseを揃えて繋いだもので、そのつづりになるの。恋人にプレゼントする指輪やブレスレットにはめ込んでプレゼントするのが流行したんだってアタシか琴葉の本にあったんだと思う。その意味は親愛の最上級で、最愛、愛しい人っていう意味なのよ!】
「……えっ?」
キョトンとするヴァーロ。
「DEAREST?」
【そうよ。REGARDも同じようなものよ。REGARDはR・E・A・R・DはDEARESTと一緒で、GをGarnetだったりするのよ。こっちは敬愛と愛情を意味してるの。アルファベットが同じなら変更も可能だから、例えばTはトパーズとかトルマリンにもできるし、Rはローズクォーツとか、Aはアクアマリンとかにもできるわね。その人の好みってこと。でも……そんな意味を持つブレスレットをバカドラは安易に琴葉に渡さない! 琴葉も受け取らないのよ! この宝石って、安価なクズ石どころじゃ無いわ。プラチナ台でダイヤモンドもサファイアも最高級のものだと思う。そうなると滅茶苦茶高価なんだからね!】
「……えっと、お返しします……」
気恥ずかしいだけではなく、安価なプラスチックやガラスの偽物ではなく、本物の宝石は自分には貰えないだろう……ヴァーロの大事な人が現れたら、その人に渡すべきである。
恐る恐る差し出すと、ヴァーロは首を振る。
「いいよ! あげる! 似合うと思ったもん。コトハがもらってくれなきゃ」
「で、でも……えっと、ハンバーグもう一枚?」
「それもほしいなぁ……」
【家賃割引は却下!】
「えぇぇ! ズルい! というか、そんなガメツイと思われてんのボク!」
ひどいよ~!
ぷんぷんと怒るヴァーロの前で、いつのまにかフィーアは船を漕ぎ始めていた。
フィーアはベイクドチーズケーキに行き着く前、先に食べ始めたパウンドケーキを半分も食べきれなかったらしい。
「あらあら。フィーアちゃんはベイクドチーズケーキは明日食べるといいわね」
フォークをそっと離しながらアルスはソフィアの言葉に微笑み、
「そうだな。子供は遊ぶのと寝るのが仕事。今日はいっぱい頑張ったな」
よしよしと頭を撫でると、椅子から抱き上げふかふかのクッションに移動し、膝掛けでフィーアが冷えないようにしながら読みかけの本を引き寄せ読み始める。
「ラハシアとソフィアはお風呂に入るといい。ここでフィーアを見ておくから」
「はい。ラハシアちゃん行きましょうか。ご馳走様です。後で洗うので置いておいてね?」
「大丈夫ですよ。私がしておきます。明日のスープの準備もあるので。いってらっしゃい」
二人を見送り、そして、
「えっとヴァーロくん、ソファの方でチャチャをお願いするね?」
と頼んだ琴葉だった。
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