もう行き詰まったので、逃亡したい私〜異世界でこの中途半端な趣味を活かしてお金を稼ぎたいと思います〜

刹那玻璃

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看病日和?

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 琴葉はアルスに食事のトレイと、ヴァーロが口にできそうな飲み物と冷めても大丈夫そうなお粥を作って持って行った。
 熱もあるしもしかしたら食べられないかもとは思ったものの、少しでも口にできそうならと思ったからである。
 一応アイスココアも考えたのだが、熱のある時に飲めるのか? と考えて、ゆず茶に氷を入れて持っていった。
 琴葉は、ゆず茶は冷めても美味しいので毎年自分で作って愛用している。
 ちなみに向こうの世界では姫柚子と鬼柚子と柚子を植えていたので、夏には摘果ついでに青い実は皮をすりおろしてそうめんやうどんに入れて食べ、完熟したものは摘んで、それぞれ搾り柚子酢に、皮はママレードやゆず茶にして楽しむのである。
 今は向こうから送られた荷物の中に入っていた瓶の中身を使い尽くすのみだが、いつか柑橘の木を植えるか、購入するか考えなくては行けない。

 一度届けた後、キッチンに戻り、白湯と冷たい水をポットに用意して持って行った。
 熱の時は喉が渇き、冷えた飲み物の方が好きだったりする。
 でも急に冷たい物を口にすると、体に負担になるかもしれないと、大体五十度前後の白湯も。
 体調を崩すとかなり味覚も鈍くなるので、シンプルなほうが体にもいいと思ったのだ。

 そういえば、飲むお酢をみんなは飲めるだろうか?
 琴葉は昔貧乏だった時代は昼食がわりに酢にお湯を注ぎ、砂糖を混ぜて寒い時期は空腹を満たした。
 そのお酢も最近の飲むお酢ではなく、一番安いもの。
 お給料が良かった時はリンゴ酢や、黒酢にランクアップできたが、まぁ、数回だった。
 女性は酸味に強いというし、今度、スーパーで飲めるお酢を購入してもいいかもしれない。
 ソフィアやラハシアと利き酒ならぬ利き酢をしてみよう。

「ありがとう。後で食器もって行くから」

 申し訳なさそうなアルスの声に、首を振り、

「大丈夫ですよ。洗濯物を干した後また廊下を通るので、置いておいてくださいね」

小声で声をかけて出ていった。
 ヴァーロはまだ熱が下がっていないみたいだった。



 洗濯物を干しに行き、シワを伸ばし金属の洗濯バサミでタオルをはさみながら、屋上から庭にある畑を見下ろす。

 ラハシアのキラキラとした髪が見えた。

 ラハシアは来たばかりなので明日まで休暇。
 その時間を家の中を確認したりしていて、今日は妹と庭を散歩中。
 よちよち歩きから脱しつつあるものの、駆け出すにはまだまだらしく、姉の手を握り楽しそうなフィーアは、植えられている花や木を興味津々で見ている。
 ラハシアはこれは何と聞く妹に微笑んで答えている。
 そして、琴葉の気配に気がついたのか振り返る。

「おはようございます。ラハシアさん、フィーちゃん」

 軽くヒラヒラ手を振る。

「あ、おはようございます。洗濯ですか?」

 焦るラハシアに、

「あ、洗濯物はもう終わりましたから、安心してください。フィーちゃん。何かいたかな?」
「ちょうちょしゃん!」
「蝶々がいたんだね。どんな色だったか後で教えてね?」
「うん!」

小さな手を振るフィーアに、もう一度振り返すと、

「また後でね?」

と笑って降りていった。


 今日はお昼までに荷物が届く予定。
 服とか家具、食品と仕分けと片付けが忙しいかもしれない。
 食器を乗せて運ぶカートや重い荷物を移動させるキャリーも今度頼んでおくのもいいかもしれない。
と思いつつ、お昼は何を作ろうかと考える琴葉だった。
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